緩和ケアーの音楽療法について再思考②

今日は、以前、音楽療法をしていた、クライエントのご命日です。

とても穏やかで優しい女性でしたが、乳がんに屈してしまいました。
Sさんには生きる楽しさ、そして病に向かう力を教えていただきました。

200４年、5月、乳首の周りにコリコリしたものを見つけ、受診した結果、乳腺症と診断されました。

安心して毎日の生活が続けられるわ～っと言っておられたことを思い出します。
2人の子供さんを母乳で育てたと言っておられましたね

それから、その年の12月、声楽のお稽古にいらして、
S「お乳がね～変なんだけど・・」
P「うーん、もっと詳しく検査をした方が良いのでは！
セカンドオピニオンやそれでも納得しなければサードオピニオンもありですよ」
S「そうですね～行ってみるわ～、何しろ息子ばかりで相談しにくくて。。」

それから、しばらくお稽古にいらっしゃらなくて心配していていたところ、
年明けの2005年1月

S「私、乳がんだったの・・ステージⅡでした。来週入院して手術をしますね、いつお稽古に来られるか
わからないけれど、その時はよろしくお願いします。」

P「そうでしたか・・・手術できる状況で良かったですね！大丈夫よ、」
そんな会話でSさんの声楽のお稽古は終わりました。

病院は息子さんが住まわれている関東の病院で、入院手術を受けられました。

それから、５ヵ月後、こちらに戻られ、再びお稽古をしてほしいと言う事で、再開♪

左の乳癌だったので全摘をされ、すこし、左に傾く感じがしましたが
お腹の手術ではないので声も良く出ていました。
お元気にお過ごしになられ、傾聴ボランティア活動もやっておられました。

抗がん剤、内分泌薬などを飲んでいるとおっしゃっておられました。
それから、約５年経った2010年8月、首にしこりを発見・・・再発です！
S「再発したそうで・・・息子の所にいきますね」っとご挨拶に来てくださいました。
リンパ節に転移・・・転移癌です！
放射線治療を受け、ておられましたが、足、腕がとても腫れて痛い状況になられていました。
リンパ浮腫です！
再度、歌のお稽古においでになりましたが、辛そうでした。

代替療法なども試みたりしていらっしゃいましたが効果は・・
そういえば「サルノコシカケ」というきのこを煎じてお稽古の時も、水筒にいれ、
飲んでいらっしゃいました。
私がお勧めしたのは「野菜スープ」です！

201１年3月頃でしたか・・
ご自宅で下の息子さんと生活を始められ、自宅療養となりました。
私は月二回、音楽療法の訪問、
様々な音楽を用意してお伺いしました。

時には、トーンチャイム・ベル・リコーダーなども・・・お手玉、おはじき・・そんなのも有りました。
しかし、一番お好きだったのは歌、「アマリッリ・ミアベッラ」「Lascia ch'io pianga」
いつも口ずさんでいらっしゃいました。

5月、痛みと熱、肺への転移で咳・・・歌も歌えなくなりました。

この時点で、主治医からホスピスへとお話があったそうです。
私も賛成をしましたが、本人のたっての希望で在宅ケアー
息子さんも介護休暇をとり、お母様に付き添われました。
上の息子さんも毎週土日には関東からいらしていたとか・・・

私が最後にお会いしたのは7月、
心地よい風が風鈴を優しく鳴らし、クライエントの耳元で「アマリッリ・ミアベッラ」を
歌ってさし上げる事でした。

20分の訪問ですが・・・手を合わせてお礼を言ってくださる姿に感動して
帰宅する私でした！

優しく穏やかにいつも笑顔の６５歳のSさんでした！

女性の皆様、早期発見～早期治療を願って・・・検診は必ず受けましょう～