須川岳(すかわだけ 1627m)は岩手・宮城・秋田の3県境に位置しており、宮城県では栗駒山(くりこまやま)、秋田県では大日岳(だいにちだけ)と呼ばれると言われていますが、岩手県側でも栗駒山が一般的のようです。
位置図の中央に栗駒山(宮城の上)、北に岩手山、北東に早池峰山、北西に鳥海山、南に蔵王山が確認できると思います。最新の標高は1626mなのかもしれません。
岩手県側の登山口(1120m)である須川高原温泉にも栗駒山とあります。
10月17日5時50分に自宅を出て2時間ほどで駐車場に到着し、歩き始めたのは8時12分でした。平日なので駐車場も空きが目立っており、その向こうに鳥海山が見えますが少し霞んでいます。
紅葉を眺めながら少し歩くと名残ガ原と呼ばれる湿原を見下ろすようになります。
逆光で見えにくい山頂目指し木道を進みます。花の時期に訪れたいと思いながらまだ実現しておりません。
この先を直進する須川コースは硫化水素の濃度が基準を超えたため通行止なので、苔花台(たいかたい)から左の産沼(うぶぬま)コースに迂回しなければなりません。
ここで左折します。紅葉が良い感じです。
この先は少し急になり歩きにくいですが、紅葉を楽しみながら歩くことが出来ました。
登山口から3kmの産沼です。山頂までの距離が見えておりませんが、近くで見たら1.3kmでした。
既に森林限界を超えており時々振り返り、紅葉の具合と周囲の山を確認しました。
気になるのは写真中央の一番奥の山並みで、焼石岳とその上に山頂部だけ見えるはずの岩手山ですが、雲が邪魔しています。
こちらは目指す須川岳で、紅葉が綺麗です。
だいぶ近くなりましたが色付きが物足りません。あとで分かったのですが13日(日)あたりがピークだったそうで、混雑を避けるために出歩くことを控えていた3連休の中日です。
振り返りますが、もっと鮮やかな紅葉に出くわしたことがあります。2~3日だけの紅葉のピーク、青空、平日が重なることは滅多にないようです。
それでも部分的に鮮やかな紅葉を切り取りました。
気になっていた焼石岳の上に岩手山が見えました。
その岩手山は山頂部における火山活動が1ランク上のレベル2になったため、今月初めから入山が禁止されています。今年は久しぶりに登りましたので間に合ってよかったと思います。
早池峰山も見えました。
山頂には10時29分に到着しました。
この日は体調に問題がなく花の撮影機会もなかったため、標高差507m、距離4.3km2時間10分というコースタイムを、それに近い2時間17分で歩くことが出来ました。
先ずは遠くの山が見えなくなる前にと確認を急ぎました。
岩手山は見慣れない形です。
早池峰山を中央に、右が薬師岳で左が中岳かと思います。
一番奥の山並みの山頂部に雲があります。
鳥海山は雲の上に山頂部だけです。
次は宮城側の紅葉の具合を確認しましたが、鮮やかさが足りません。
予定を変更し来た道を戻るのではなく秋田側の天馬尾根コースに向かうことにしました。
これは岩手県側の登山口に設置されていた看板(北が下)で、右に向かう秋田県側の天馬尾根コースは途中で切れています。
水色の矢印に沿って登りましたが、これを戻らずに赤色の矢印に沿って下山しようというものです。それは、天候に恵まれ、体調も良いので、これが最後かもしれないとの思いからでした。
出来心みたいな予定変更で、戻れば4.3kmで済むところ秋田側の登山口までの5.8kmに加え、駐車場まで2.7kmの車道を歩くことになりました。
11時14分に下山を始めて振り返ると、やはり見頃は過ぎたと言わざるを得ません。
ここは天狗平と呼ばれる須川コースと宮城側からの表掛(おもてがけ)コースが合流する場所です。
ここから10分ほど歩くと岩手側の絶景ポイント展望岩頭です。
草紅葉の中に池塘が点在しております。ひときわ大きな三角形は池塘ではなく須川湖です。
これから歩く天馬尾根の先のピークが秣岳(まぐさだけ 1424m)です。
振り返れば先ほどまでいた須川岳です。
緩やかなアップダウンを繰り返す快適な尾根歩きと思われます。
振り返ると今日一番の紅葉が観られましたが、ここまで下るのには泥濘状態が酷くて苦労しました。
緩やかに登りますが綺麗な紅葉に励まされました。
振り返れば快適ではなかった泥泥の登山道を覆い隠す紅葉です。
再び緩く登ります。
周囲には草紅葉も広がり見飽きません。
再び登りです。泥濘地獄からは解放されましたが、左の膝が痛み始め歩行速度が更に落ち、何人もの人に追い越されました。
これが最後の登りなら嬉しいのですが・・・・・・
登り切って振り返ると左からガスが湧いてきました。
暗くなる前に車道に下りたいので先を急ぎます。
これが秣岳への最後の登りです。
振り返ると先ほどの小ピークの左の須川岳は見えなくなっておりました。
秣岳には13時55分に到着しました。休憩して小腹を満たしたかったのですが、座る場所が先客に確保されていたため通過しました。
この先は展望も得られない滑りやすい急降下なので撮影は控えました。
振り返る余裕ができました。形のいい秣岳の紅葉もピークは過ぎているようです。
膝の痛みも酷くならずに済み、15時26分明るいうちに登山口にたどり着きました。
駐車場までの舗装道路2.7kmは歩きやすくて、泥だらけの登山道に比べたら正に雲泥の差でした。
駐車場に到着したのは16時15分で、温泉で汗を流したいところですが、遅くなるので我慢して2時間弱ハンドルを握って18時30分に帰宅しました。
8時12分から約8時間歩いた距離は4.3+5.8+2.7=12.8kmでした。須川高原温泉から山頂までの4.3kmと車道歩きの2.7kmはほぼコースタイム通り歩きましたが、山頂~秣岳~秋田側登山口までの5.8kmはコースタイム2時間30分より1時間50分余計に掛かりました。来年以降このコースは無理だろうと思いますので、記憶に残る山行となりました。