今年の山初めは、4月15日に県内トップを切って山開きが行われたと知り、19日に室根山に登ることにした。室根山は宮城県に近い県の南部、旧室根村、旧大東町、旧千厩町にまたがる標高895.4mの独立峰で、山頂からの眺望は太平洋から、氷上山、五葉山、早池峰山、岩手山、焼石岳、鳥海山、栗駒山と全方位に広がる大パノラマ。
このガイドブックの記述に引き寄せられ、また前日に買ったばかりのトレッキングシューズの慣らし歩行に良さそうだと決めたもの。
新旧の靴底を並べて見て、何回も滑って尻もちをついた昨年は、ノーマルタイヤで雪道を走っていたようなものだと納得。
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室根山の全貌、山頂付近には天文台、無線中継所、ハンググライダー離陸台、キャンプ場があり、車道が整備されている。
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そこまでは30年以上前に車で登ったが、登山道を歩き山頂を目指すのは初めてのこと。
標高差520m、歩行距離3.5km、歩行時間2時間25分と、気軽に登れる山と紹介されているが、ほとんどが等高線を横切り最大斜度を登り続けるコースで、始めの40分はきつかった。
登りはコースタイム1時間25分に対して1時間45分、下りは1時間に対して1時間23分で、何時もより下りが早めで楽だったのは新品の靴ががっちりと大地に食い込んだからか。
標高差520mを歩行距離3.5kmの半分で割ると、0.29、ほかの山と比較すると姫神山もたまたま0.29、鞍掛山は0.17。
鞍掛山(最近の山初め)ははるかに楽だった、姫神山(最近2回目か3回目に登る山)みたいにゆるくなかった、という感覚的な感想を数字で確認出来た。
すれ違った下山の方の曰く「天気が良すぎて霞んで何も見えなかった」、何かは見えただろうが、あまり期待できないなと覚悟する。花もあまり見かけない。
何回も登っているという方に追いつかれ、少しの間会話しながら歩くと「3月に登った時は月山も鳥海山も見えた」とのこと。
そのあたりから、カタクリがちらほら見えてきたら「この辺りがカタクリ群生地、この先にニリンソウ、アズマイチゲなどが咲く場所がある」とのこと。「写真を撮りながらゆっくり行く」と別れ何時もの単独行。写真はその通りだが、はるかに年上に見えるその方の歩くペースについていけない。
山頂からは、やや霞んでいるものの、気仙沼湾、氷上山、五葉山、六角牛山、早池峰山とその周辺の山、焼石岳、栗駒山を見ることが出来た。
やたらに立派な山頂の碑、こんなの初めて
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自宅から登山口まで約100km、高速道利用で約2時間、高速道路を使わなくても2時間半、次は6月中旬のツツジの頃訪ねましょうか。
アズマイチゲ
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キクザキイチゲの白花かなと迷ったがが葉の形から
カタクリ
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根から取ることのできるデンプン、その昔かたくり粉で幕府への献上品となるだけの物は、盛岡藩だけが産地だったと、物の本。
タチツボスミレ
スミレサイシンに訂正(20240913)
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スミレは種類が多くて見分けることが難しいが、多分これかな。
ネコノメソウ
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初めてお目にかかった花、丸い実が熟すと真ん中がパックリと割れ、その割れ目が明るいとこに居る猫の縦長の瞳に似ているとのこと。割れた実にお目にかからないと分からない。
ニリンソウ
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見つけたのはこれだけ、おそらく咲き始め。したがって、後から咲く二輪目は影も形もなし。三輪咲くニリンソウもあり、一輪だけ咲くイチリンソウもあるそうで、混乱する。
ヒメイチゲ
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5枚の白い花弁に見えるものは、がく片の変化したものとのこと。白くて小さな花は上手く写ってくれない、良いカメラが欲しくなる。
山の写真は見えにくいので省略。