軽井沢ル・ボン・ヴィボン

古いものは好きですか?

ちょうど一年くらい前の話になるのですが、
神奈川のヴィンテージ家具屋さんにお邪魔した折の事。

素敵な品揃えが楽しくて、
ついつい夢中になって商品の説明を聞いていると
その店員さん(お知り合いの人です)がにっこり笑って一言。 

「古いものはお好きですか?」

「え?」

実はこの問いに、素直にイエスと答えられない自分がいました。

それから、この何気ない一言が僕の心にずしんと響いて
ずっと考えていました。
「僕はどうなんだろう?」

どちらかと言えば僕は新しいものが好きだと思っています。
だけどその質問がもし
「新しいものがお好きですか?」だったら。

多分・・同様に肯定はしなかったのではないだろうかと。

ずっとモヤモヤしていました。
だけど、このところ漸くその答えが見えてきました。

例えば古いものなら
その時それを作った人が、どんな事を考えてそれを製作したのか?とか
その時点では斬新だったのではないか?とか

「きっと、こんな思いが詰まっていたに違いない」
そういう物が自分なりに見えた時に、人はそれに興味を持つんだろうなと。
多分そのお店は、古い物でもそういうセレクトでお客様のハートを掴んでいるのだと。

これは当然、新しいものにも等しく言える論理であって
しっかりと想いの詰まった物には、人は共感する。

新しいか古いかじゃなくて
想いが投影できているかどうかだと。

生業すべてに言える事ですが
その一番根っこにある部分が大切なのでしょうね。

今なら自信を持って答える事ができます。
「共感できるものが好き」
 
そして、共感していただけるような仕事もしないとね。 

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