午前の久高島に続き 午後は斎場御嶽(せーふぁうたき)をめぐります
ここは琉球国王が参拝し 最高位の神女である聞得大君(きこえおおきみ)の就任儀礼が執り行われた場所で
琉球王国内に数ある御嶽(神の降臨する聖域)のなかでも 最高の聖地とされる場所です
セーファ御嶽を見学するには 南城市地域物産館に車を停めてチケットを買い
斎場御嶽入口まで約400メートル 緩い坂道を登ります
斎場御嶽内にあるイビ(神域)の おおまかな位置関係は図の通り
公式HPからパンフレットをダウンロードできるので 興味のある方はぜひ
まずやってきたのは 斎場の入り口ともいえる① 御門口(ウジョウグチ)
看板の下に角ばった石が6個おいてあるが 蹴るのはもちろん触れてもいけない
これらは祭祀の際に使う香炉であり 御嶽内の6カ所の拝所を表しているらしい
御門口の手前には急な下り坂があるけど ひとまずスルー
御門口から少し入ると 久高島を望む『 遥拝所 』がある
午前中に巡ってきた島だけど こうして見ると神々しさを感じるなぁ
久高島を遥拝した後は ガイドさんについてゾロゾロと進みます
最初の拝所は② 大庫理(ウフグーイ)
広くない石舞台の上に 四角い香炉が四つほど見えます
石舞台には上らないよう小さな看板に書かれていますが 写真撮影は全く問題なし
久高島と同様 拝みの対象はあくまで自然だから風景写真を禁止する必要はないらしい
さらに 拝むのも拝まないのも自由であり どのような拝み方をするのも自由とのこと
久高島で習った擦り合わせる合掌で 世界の平和を祈る奥さん
さらに奥へと進んでいき 分かれ道を左へ進むと小さな池がある
戦争中に戦艦から撃ち込まれた砲弾で 深さ4~5メートルの窪みが出来て
そこに雨水がたまってできた 人工の?池とのこと
そういえば 沖縄は激戦地だったんだなぁ (´;ω;`)
さらに進むと③ 寄満(ユインチ)
ここも大庫理と同様の造りだけど 周囲には木々に覆われた小路が数本あり
ふたつの小さな看板には『 危険なので一般の方はご遠慮ください 』と書かれている
通路が整備されていない拝所へと通じているらしいが ニュアンスとしてはやはり禁止ではなく
『 危ないからやめておいた方がいいですよ 』 という感じ
寄満でも世界平和を祈ったあと 来た道を戻ります
なおこのデコボコ石の石畳 サンゴの石灰岩で出来ていて
この日はそうでもなかったけど 雨上がりとかで濡れていると大変滑るらしい
次は斎場御嶽で一番の有名スポットらしい ⑤ 三庫理(サングーイ) に向かいますが
三庫理の直前にあるのが ④ シキヨダユルとアマダユルの壺
岩から突き出た鍾乳石を伝って滴り落ちる水を 重要な神事に使う聖水として集めています
さらにちょっと進んだ突き当りの右側に 特徴的な三角の隙間
なんか自然にできた岩の隙間というだけで 神秘的なものを感じてしまいます
隙間をくぐると四畳半か六畳くらいの空間があり 正面に三庫理
右に京のはな(チョウノハナ)があります
拝所としては2カ所ですが ほぼ“ 同じ部屋の正面の壁と右の壁 ”くらいの位置関係
もちろん拝むのは壁ではなく その方向にあるイビ(神域)です
そして左方向にはちょうど久高島が拝める空間
註釈
ガイドさんによると『 ここは比較的最近に岩が崩れてちょうど久高島を拝める隙間が出来た 』らしい。
インターネットでは ここが“ 久高島遥拝所 ”と記載されている記事をちょこちょこ見かけるし、
③三庫理 で示したイラストにも ここが久高島遥拝所であるというように記載されていますが、
ここは比較的最近になって岩が崩れ たまたま久高島が見えるようになった場所だとのこと。
本当の久高島遥拝所は御門口の近くにあります。
そしていま来た方向を振り返ると そこには自然の生命力がみなぎっている
岩に根を張る木がなんというか 神々しく感じるのは御嶽だからか
三庫理でガイドさんの説明が終了したので もう一度ひと通り拝所をめぐった後
最初にスルーした急な下り坂へ戻ってみた
片側に手すりが備え付けられてはいるものの かなりの傾斜なうえにサンゴ石灰岩が滑りやすく
『 先日もここに来て云々 』と連れの女性に話しながら歩いていたおじさんが 目の前でコケていた
どこも怪我はしなかったように見えたけど 心はきっと痛かったことだろう
坂を下ってちょいと進むと ウローカーがあります
ここは御嶽を参拝する前に身を清めるための水場ですが
イモリだらけの水場から水をすくって身を清めるというのは
神女にとっては 急な下り坂に続く第2の難関といえるだろう
そして久高島で見たのとよく似た蝶がここにも
全体としては似てるけど 久高島の蝶は小さい羽根だけがオレンジだったから
数キロの海を隔てた沖縄本島と久高島で 各々が独自の進化を遂げた結果なのかもしれない
全然ちがう種類の蝶かもしれないけど・・・
自然と人との調和を感じるこの場所で のどかな気持ちを打ち破るものがあった
第二次世界大戦の際に使われた砲台の跡らしい
寄満の近くにあった砲弾跡の池もそうだけど
琉球最高の聖地である斎場御嶽に残る戦争の跡に
なんとも切なく悲しい気持ちになりました
ことあるごとに世界平和を祈っていた奥さん を ちょっと尊敬する河童人でした
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