2015.9.2(火) 開演 18:00
新木場サンセット2015
at 新木場STUDIO COAST
出演 indigo la End
栗コーダー&ビューティフルハミングバード
ストレイテナー
Shiggy Jr.
スピッツ
前の日までの曇り空が嘘のように晴れた9月の午後・・・。
夕暮れの海風は心地よく、私にとってこの夏最後のライブは最高のロケーションで始まりました。
慣れた感じで、すでに身軽なスタイルでタオルを首にかけてライブTシャツで会場に向かう女性グループや男性二人連れ、一人で足早に行く女性・・・。ライブの始まりはいつも、何度経験しても、非日常っぽい高揚感がたまらないなぁ。
■indigo la End
VIVA LA ROCK(ココです)以来のindigo。
VIVA LA ROCKでは、2つもバンドをかかえているフロントマンの、外見からは想像できない(失礼!)堂々としたパフォーマンスっぷりに見入ってしまった記憶が強い。
新木場でもオープニングアクトとしての力を存分に見せてくれたけれど、でもひょっとして緊張していた? MCでそう言ってたけれど、案外マジだったのかもしれないな。
「スピッツは・・・尊敬しているとか、そういうのではなく・・・神さまみたいなものだから」
そう言ってたっけ。
伸びる声、カラフルなアレンジ、ステージを作り上げるドラマ性のようなものを感じさせる雰囲気。歌詞がしっかり伝わる、ボーカルを際立たせる演奏。それがとても魅力的に響いた。CDではわからなかった、このバンドの色。
コーラス、キーボードも色合いを豊かにしている。
(クージーがツイッターで、この日の出演者のキーボードメンバーたちのセッティングの画像をUPしていて、とても興味深いです。ココ)。
1 瞳に映らない
2 幸せが溢れたら
3 夏夜のマジック
4 大宮サンセット(絵音くんの弾き語り)
5 夜明けの街でサヨナラを
6 素晴らしい世界
こういうイベントでは特にそうだけれど、ロックバンドでは爆音にまぎれて、初めて聴く曲の場合歌詞がほとんど聴き取れないこともある。だけど、ストライテナーもそうだったけれどindigoも、とてもよく伝わってきて、だから、それがすごく楽しかった。世界に浸れたというか。
ホリエさんもそうだけど絵音くんもすごく抜けのいい声で、それも魅力だな。
「ここに来たら、スピッツのリハはもう終わっていて、ストライテナーのリハを見たんですけど。マサムネさんの横があいていたんだけど、恥ずかしくて(勇気がなくて?)離れたところに座りました。ところがコーラスのえつこが(草野マサムネとは)気づかずに隣にずっと座っていて・・・うらやましかったです」(笑)
そして、スピッツの「大宮サンセット」のカバー。それも弾き語りで・・・。
何度も何度も「緊張するなあ」と。憧れのバンドの前でカバーするって、プロであっても「思い出」になるんだろうな、とこちらを納得させてしまうような初々しさ。
スピッツの「大宮サンセット」が素朴な頼りなげな若者の独白の歌だとしたら、彼のそれは、もっと強くこの現状を打破したい・・・、でも難しいんだよな、というような迷いを感じさせる、そんな「大宮サンセット」で、とても新鮮だった。かっこよかった。
歌い終わってから、「どこかでスピッツのメンバーが聴いていると思ったら・・・」と緊張の度合いをまたまた告白していた。
最後の「素晴らしい世界」は非常にドラマチックな歌詞とアレンジなんだけれど、リフレインを歌い上げる彼の声がとても切なく迫る。最後メンバーは一人ずつ去って最後ボーカルが残されるのだけれど、彼の声が泣いているように聴こえてきた。
スピッツを「神さま」と言いながら、スピッツとはまったく異なる世界を構築して活動を続けているように感じる。「影響を受ける」ことを最終形は、案外こういうところにあるのかもしれない。
メンバーのツイッター
スピッツメンバーとのショットとかあり。
ホリエ+絵音+マサムネの3ショットも、どこかで見られます。
https://twitter.com/indigolaend
https://twitter.com/gochou1007
https://twitter.com/indigolaend_gt
■栗コーダー&ビューティフルハミングバード
2つのグループのユニット。それぞれのオフィシャルサイトは以下のとおり。
http://www.kuricorder.com/
http://beautifulhummingbird.com/live
栗コーダーの川口さんは、クージーのかつてのバンド Mr. Christmasのメンバーだそうだ。
プロフィールから、栗コーダーはマルチな才能をもっている皆さんがリコーダーという共通項で新しい「脱力な世界」を生み出している様子がわかる。ビューティフルハミングバードも同様だ。
がんばっている日常からの、一瞬の解放と飛翔かな。
ベテランらしい、ゆったりなステキなMCで、音の世界を旅できる。
「ジョーズ」と「スターウォーズ」のカバーのコミカルな怖さ?には心地よい笑いがもれる。カバー曲が評判になった頃を思い出す。
ビューティフルハミングバードの「ウメボシジンセイ」。
http://www2.nhk.or.jp/minna/search/index.cgi?id=MIN201112_01
http://www.uta-net.com/movie/141079/
小池光子さんの優しいけれど意志のある声で、ちょっと深いものを感じてしまう。
心地よい時間の流れがありました。
「ピタゴラスイッチ」のテーマ曲も・・・。
https://www.youtube.com/watch?v=r6UA6KMouE4
■ストレイテナー
今日いちばん楽しみにしていたバンド。最近、彼らのアルバムを聴いていることが多いのだ。
ココにも書いたけれど、2008年のROCK IN JAPAN FES.では諸事情?から、トリの彼らの演奏を3曲しか聴かなかった・・・というもったいないことが。まだ3人だった頃だ。
それ以来、イベントでも縁がなかったんだよなあ。
SEとともに登場、というところから、フロアには多くのファンの歓声。ホリエ氏は最初キーボード。しっかり耳に届く歌詞の内容と重厚なサウンド。その音さえも飛び越え、ぬって広がるボーカルの声。艶っぽい声がいい。
1.彩雲
2.覚星
3.The Place Has No Name
4.SAD AND BEAUTIFUL WORLD
5.NO~命の跡に咲いた花
6.Melodic Storm
7.From Noon Till Dawn
おなかにくる重低音が心地よく、それでもボーカルの声を遮らない「程よさ」。
うまく言えないけれど、ひろがる世界が上っ面じゃなくて気持ちいい。「酔える」感じ。すべらない。
『不便な便利屋』のオープニングテーマ「The Place Has No Name」。疾走感が気持ちよくて走り出したくなる。
「絵音が緊張するって言ってたけど」、そうか?と思っていたけれどやっぱり緊張するって言ってたっけ? 社交辞令(笑)?
「俺たちもなんか(スピッツの)カバーやればよかった?」とメンバーに。
いつも弾き語りで「渚」をやるそうで、
「やってもいいよ」「やれば?」とメンバーが口々に。
ホリエさん、「『渚』は半音下げて歌っても(高音が)ギリギリ」と笑いつつ、「渚」のサビ(だったかな?)をワンフレーズ聴かせてくれた。苦しそうな歌唱がまたまたなんだかかっこよくて、いつかちゃんと聴いてみたいな。
2年前の曲とは思えない、アレンジもすごくかっこいい、と強く主張し、
「自分たちも20年続く曲を作っていきたいと思って、この夏に作ったのが・・・」
という前置きで始めたのが「NO~命の跡に咲いた花」。
メロディーが美しく、壮大なバラードとも思える言葉の広がりがとても印象的な楽曲。
そして最後2曲はシングル曲でフロアのファンを大喜びさせていた。
メンバーの声をツイッターで。
https://twitter.com/shinpei_strtnr
そうそうMCでホリエさんがテナーTシャツを着ているスピッツ・マサムネのエピソードを披露していた。
ARABAKIで『不便な便利屋』の鈴井監督がスピッツの楽屋を訪れたら、ボーカルが7年前のテナーTシャツを着ていた・・・とホリエ氏に報告があったとか。
「マサムネさんのタンスの引き出しにテナーのTシャツが7年間あったというのは・・・すごいことだよね」
と笑いを誘う。
このときのTシャツだな。
若いバンドマンにはさまれた40代バンドボーカルの「初々しさ?」が話題になった表紙だ(話題になってはいないか・・・)
http://ro69.jp/news/detail/5636
以前にどこかで、「そのTシャツはデザインがシンプルだけどカッコイイ。そういうTシャツって案外少ない」というようなことを、草野氏はどこかで話していたっけ。
ちなみに、この日のスピッツのMCで草野氏が言っていました。
「テナーのTシャツはタンスの肥やしじゃなくて、7年間ちゃんとローテに入っている。だから色が褪せてきて紺色がグレーっぽい色?になってきているよ」
物持ちのよいバンドマンだし・・・。
■Shiggy Jr.
http://www.shiggyjr.com/
甘いボーカルの声とポップなメロディーが印象的なバンド。
フロアには野太い声も行き交って、男性ファンの応援も多数。
ステージが見えなかったのでパフォーマンスの様子はわからないが、女性ボーカル智子さん、目いっぱい歌って、MCして。
メジャーデビュー間もない中でのイベント参加への自然な高揚がステキでした。
草野氏がMCで、「全曲ヒット曲!みたいなメロディー」と言い、しばらく作曲はしたくない?というようなことを言っていた。ちょっと記憶があいまいです。
■スピッツ
1.恋する凡人
2.メモリーズ・カスタム
3.涙がキラリ☆
4.ありふれた人生
5.インディゴ地平線
6.個人授業(フィンガー5のカバー)
7.8823
8.野生のポルカ
9.運命の人
10.けもの道
アンコール
1.雪風
2.ローテク・ロマンティカ
セットリストは、ココでの「チェリー」が抜けて、カバー曲がかわった、ということかな。
それでも、野外のでかいろころで聴く「恋する凡人」とライブハウスで聴く「恋する凡人」はある意味別ものだ。
狭いステージを照明の光が動くさまだけでも、ライブハウス!という感じがする。
照明の色の組み合わせが今回もとてもきれいだった。
衣装とかはまったく覚えていないので、すみません(-_-;)。
あ、ボーカルはハット無しだったと思います(前髪を気にしていたらしいです)。
スピッツのボーカルの声は、ロックバンドマンとしては特殊なのかもしれないなあと改めて思った。
倍音かかる声とよく言われ、最近はその意味もよく理解できるようになったけれど、それが彼の魅力でもあり、バンドサウンドの中で生かしていくことの難しさでもあるんだろうな。
絵音クン、ホリエさんのいわゆる抜けのいい声を聴いてくると、それがよくわかる。この日は私の位置の関係もあるのか、この二人の声がほんとうによく伝わってきたのだ。
そして改めて聴くスピッツのボーカル。この埋もれそうで、でもそこからちゃんと抜け出て届いてくれるまでのこっちの心の動きというか・・・それがいつもたまらんのです。
崎ちゃんがよく「切磋琢磨」という言葉を使うけれど、スピッツの声とバンドサウンドはいつも「切磋琢磨」して、次のステージに上っているような気がしてしまう。
「インディゴ地平線」を絵音くんはどんなふうに聴いたんだろうか。
低音の声の魅力が感じられる珍しい楽曲。広がるイメージが気持ちいい。
そして、「個人授業」。こういう曲を選ぶセンスに、また「座布団一枚!」だ。ポップなメロディーが草野の声をもっと魅力的にする。
フィンガー5では年少の二人がボーカルをとっていたが、ここではもちろんマサムネ1人で。
サビの「あこがれ~の あの人~は・・・♪」の部分の高音がかっこよかった!
MCでは、
「昭和の曲をカバーすると、若い人は新曲?と思ったりするらしいけど・・・カバーです。カバーのときはちょっとドヤ顔になっているんだよね。ドヤ顔のときはカバー曲!」
と。テツタくんの
「そういうこと言って、この次カバーするときやりにくくないの?」
という問いに、少し考えて、
「ないっ!」
と答えたボーカルでした。
カバーはボーカル本人が楽しそうだから、これからも夏のイベントでは楽しみにしていいみたいだな。
田村くんの動きも狭いステージを右に左に。ライトに浮き上がった「けもの道」の演奏姿。
テツヤくんがいつもと異なるアレンジでギターをかき鳴らしたのはどの曲だったか? 「けもの道」かアンコール?
ベーシストとギタリストの姿に見惚れた。
崎ちゃんがよく見えなかったのは残念。「崎ちゃ~ん!」の声はたくさん聴こえてきたけど。相変わらず、優しい笑顔だったのかな。
「涙がキラリ☆」では、たぶんハンドマイクでステージ前のほうに出てきたボーカルだったと思う・・・。
「8823」からの盛り上がりは、さすが!です。
そして、
「テナーが演奏したから・・・」ということで、アンコール1曲目は「雪風」。優しいボーカルの声とメロディーが心に沁みる。
そのあとのイントロで、「えっ、まさかまさか・・・」という動揺。涙・・・涙・・・の「ローテク・ロマンティカ」!
今年の夏のイベントのアンコールで、これ、演奏されていたんですか?
ゴースカの「ライブで聴きたい3曲」で、「甘ったれクリーチャー」にするか、「ローテク・ロマンティカ」にするか、寸前まで迷っていた私です。結局、前者を書いて、「存在を忘れていた」というボーカルの言葉にひっくりかえってしまったんだけれど。
まさか、夏のイベントで、こちらも聴くことができるなんて・・・。
会報の順位を見たら、思いがけずに低くて、もう機会はないかなあと諦めていたのです。
よかった~。この1曲だけでも満足です!
歌詞の妖しさとアレンジのカッコ良さが迫ってくる大好きな曲の1つ。
そうそう、携帯の着メロに使っていたこともあったなあ。
ありがとう、スピッツ!
最後に覚えているMC(あやふやなんでニュアンスだけ伝わったら)。
「ちょっとどうでもいい話、してもいい?」(夏はこれがテーマか??)
ボーカル、肩甲骨にはえている「ふく毛」に気づいたらしい。
「家でタンクトップでいると、風にそよいで揺れてる」とか。
すかさず、いたずらっ子のギターリストが、
「それって乳輪の毛とか?」
「・・・、違うっ! 今、生々しくイメージしちゃいましたね」
それを抜くと悪いこと起きるかもしれないということで、そのままにしているらしい。
テ「悪いことが起きる?」
マ「スピッツも夢だったとか・・・」
テ「夢落ち?」
マ「それは、や~よ(笑)。『涙がキラリ☆』じゃないけど、オレが天使だった頃の名残りかな・・・と」
う~ん、47歳で「天使だった頃」って言うか?とツッコんでしまった私です。
マ「最近、GENKINGに似てるって言われない?」
テ「ライブ活動をする假屋崎省吾?って言われる」(笑)
マ「じゃ、ここらへんを花で飾ってもらえばよかったね」
テ「・・・今はライブ活動に力入れてるから・・・」
このときだったか、別のときだったか、テツヤの発言を受けて、ちょっと戸惑いつつ、
「・・・、オレの許容範囲を越えてるね(苦笑)」
と。
絵音くんからの「愛のことば」を受けて。
マ「あんなに愛を語られると・・・青春ドラマで告られて『え、オレでいいの?』っていう感じだね。『こんなオレたちでいいの? 会わないほうがよかった?』って。これ以上近づくと『加齢がね・・・加齢臭が』」
ストレイテナーについて。
マ「久しぶりだよね。ますますかっこよくなって、緊張させられるぜ!」
最初のMCのとき、暗転の間、「マサムネ~!」「リーダー!」「てっちゃ~ん!」「崎ちゃ~ん!」という怒涛の声を聞いたのか、
「はいはいはい、スピッツで~す」
と始めたボーカルの「はいはいはい、お待たせしました~!」的な登場に笑ってしまった。
アンコールのあとは、「さぞかし手も疲れたやろ?」って(笑)。これはなんだ??
コール & レスポンス(笑)は、
マ「スピッツに、ついてきてくれるかーい?」
客「イェーイ!」
マ「1、2、3!」
客「ダァーッ!」
マ「梨汁?」
客「ブシャーーッ!」
マ「いつやるか?」
客「今でしょーっ!」
ボーカルは「おお、いいねぇ」と満足気でしたが。
短い簡単なメンバー紹介のとき、田村くんが、フラカンの武道館の話題を!
田「グレートが外で手売りしに来るって」
マ「来てるの?」
田「いや、今日は来てない。でも明日は来るから」
マ「来るんだ・・・」
・・・って、ライブに出るからね、フラカン。手売りのために来るんじゃないから。
最後に。
「最近は出演者がスピッツに気をつかってくれたりするけど、でも、オレたちが、どうなの? 聴いてみたい!というバンドに出てもらうイベントだから。これからもずっと続けていきたいと思っています」
というようなことを、とても力強く語っていました。
続けることが大事なこと・・・それを実践して、大阪、東北、新木場で続けてくれるイベントだから、私たちもいろんな音楽に柔軟でいたいよなあ。
そんなことを思いながら、帰りの電車に揺られていました。
夏も終わりか?
また、次に向けて、歩きださないと。
こんなダラダラなレポ、読んでくださってありがとうございました。
こんなニュースも飛び込んできました。
http://www.radwimps.jp/10th/taiban/
RADWIMPSと胎盤? いやいや「対バン」。
どのゲストも魅力的。そのなかにスピッツもいますね。
RADは全員でスピッツの広島のライブに行ったとか、どの曲も好きとか、ドラムのかたは崎ちゃんを崇拝しているとか・・・よく耳にしますね。
作家の田丸雅智さんの記事。
こんなところにスピッツ・・・。
http://masatomotamaru.com/works/298.html