2020.03.08 21:00~
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
at TOKYO FM
「最近TVを見ていたら,『嗚咽』を吐き気の意味で使っている人がいたんですよ」と、今回も唐突に始まる。
「それって、声を潜めて泣くことですよね」と。
吐くときの「おえ~」という音とごっちゃになったのでは?とちょっと調べてみたら、「勘違いしている人が案外多い」ので、「『嗚咽』の意味が変化している途中?」。
草野「10年くらいしたら、『二日酔いで嗚咽がとまんないよ』なんていう使い方が普通になってたりしてね」
例えば、草野くん自身は、「確信犯」(思想的あるいは宗教的な確信のもとに犯す犯罪)の正しい意味は知っていても、「わかってるけどやっちゃう」みたいな意味で使ってしまうと。
それでも、「めんどくさいおじさんですから、『号泣しました~』に対して、『号泣は大声上げて泣くことですから』というツッコミは続けていきたいなと思いますけどね」(笑)
(そういえば私も、「感動しました」=「号泣しました」で使っちゃうこと多いな。ここでも書いてしまう。さめざめと泣くことはあるけど、大声出して泣くことは、もう何年もないなあ・・・)
そして、今日のテーマは、「オルガンがいい感じのナンバーで漫遊記」。
ロックというと主要な楽器はエレキギター・・・。でもキーボード、とくにオルガンがイカした曲は結構ある、と。
オンエア曲
01 遠吠えシャッフル(スピッツ)
02 Light My Fire(The Doors)
03 A Whiter Shade of Pale(Procol Harum)
04 Looking Around / YES
05 (I Don't Want To Go To) Chelsea(Elvis Costello & The Attractions)
06 爆弾じかけ(ニューエスト・モデル)
07 Hush(Kula Shaker)
08 This Is How It Feels(Inspiral Carpets)
09 手にハンマーを(いずみたくシンガーズ)
10 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツで「遠吠えシャッフル」(2013年、14thアルバム『小さな生き物』)。
スピッツの楽曲の中で、オルガンの存在が大きい曲、と。
オルガンは、ソウル・フラワー・ユニオンの奥野さん。
(好きな曲だ! それにしても、『見っけ』より2作も前のアルバムの曲とは・・・。怖いくらいに時は飛んでいく。今日はもう「3月8日」だなんて・・・。おっと関係ないか)
次は、「1967年の大ヒット作!」、The Doorsの「Light My Fire ハートに火をつけて」(1967年、デビューアルバム『The Doors』)。
「オルガンの入ったロックナンバー、と言えば、この曲かな」と。
この年代のロックファンならだれでも知ってるメロディーかも。
草野「この曲のアルバムバージョンは7分以上あって、オルガンソロが延々と続きます。聴いてると、気持ちよ~くなってきます」
VOXというメーカーのオルガンだと思われるそうで、「雅楽で使われる笙のチャラ~という音に似ていますね」と。雅楽か・・・。
草野「パイプオルガンなんかもそうなんですけど、holyな気分を醸し出してくれる楽器かなと思います」
演奏しているのはメンバーのレイ・マンザレク。
こちらは、オルガンソロがたっぷり聴けるアルバムバージョン。パフォーマンスの様子がよくわかる。
The Doors - Light My Fire (Live In Europe 1968)
次は、Procol Harumの「A Whiter Shade of Pale 青い影」(1988年、1stシングル)。
この曲では、VOXと並んで有名なHammondというメーカーのオルガンが使われているそうだ。
草野「先ほどの『ハートに火をつけて』よりも、あったかい音。この曲は、ユーミンはじめ多くの人に影響を与えたロックの名曲」
(メジャー級で「誰でも聴いたことあるでしょ」という曲ですね~。このメロディーは、いつ聴いてもせつなくなる)
イントロのオルガンは、バッハの『G線上のアリア』へのオマージュ。演奏しているのは、メンバーのマシュー・フィッシャー。
草野「グリスダウン。グリスするハモンドオルガンの音が好きですね」
この曲の最初の部分ですね。
オルガンの原型は紀元前にすでにあったそうで、「水力で空気を送り込んで笛を吹く」という仕組み。
その後は手や足を使って空気を送り込んで笛を吹くという形で、教会のパイプオルガン、バグパイプなどにも発達していき、電子オルガンの名器にもつながっていったとか。
スピッツの「死神の岬」では、イタリアのファルフィッサオルガンを使ったそうだ。
(ファルフィッサオルガンって、ピンクフロイドや、初期のレッド・ツェッペリンがライブで使っていたとか、書いてありました)
草野「オレらの世代では、学校にあった足踏みオルガンのイメージが強いかも」
(そういえば、ピアノの前に、オルガンを弾いていた記憶あり・・・)
オルガンは「風琴」、アコーディオンは「手風琴」・・・。趣あるなあ。
そして次は、YESの「Looking Around」(1969年、デビューアルバム『YES』)。
ハードロック系、プログレ系でオルガン・・・は、今回はこの1曲だけだそうです。「長いしね~」って。
この曲はリック・ウェイクマンではなく、初代キーボード、トニー・ケイのプレイ。
(トニー・ケイは、バッドフィンガーやデヴィッド・ボウイそのセッションでも名前をきいたことがあるし、オルガン奏者としての評判も高いそうだ。個人的に、若いころはちょっとステキでした)
次は、Elvis Costello & The Attractionsで「(I Don't Want To Go To)Chelsea」(1978年、1stアルバム『This Year’s Model』 Elvis Costelloとしては2ndアルバム)。
おお、コステロだ!
若いころの彼の曲は、「ひねくれたロックで、あえてチープなビンテージなテイストのオルガンを加えることで、懐メロ感というか独特の雰囲気を出していると思います」と。
草野「VOXのオルガンだと思うんですが、かっこいいというより、チュルチュルというヘンな不思議な感じがたまらなく好きですね」
(へ~、「チュルチュル」ね(笑)。コステロ独特なメロディーラインというか・・・、久々に聴きたくなったな)
演奏は、The Attractionsのメンバーだったスティーヴ・ニーヴ。彼はその後Madnessにも参加し、現在はトップセッションミュージシャンとして活躍しているそうです。
Elvis Costello & The Attractionsについては、ココでもクージーと話しています。オルガンにも言及してる。このときは、「Pomp It Up」をかけてたんですね。
(私事ですが、コステロは、ポール・マッカートニーとの共作「Veronica」の入っているアルバム『Spike』を聴いてからファンになり、遡ってアルバムを聴き始めました)
メッセージコーナー。
「夢」についての質問。
「夢占いは信じていないけど、夢って体調や心の状態の影響を受けているなとは思う」と。
風邪をひく前に必ず見るのは、「床が濡れているトイレに裸足で入らなきゃいけない」という夢、と。この夢を見ると、「あ、風邪ひくかも」と思うそうだ。
(予防にはならないんでしょうね)
また、「きれいな海や川でたくさんの魚が泳いでいる夢」は、だいたい疲れたときに見るんだとか。
次は、ニューエスト・モデルで「爆弾じかけ」(1986年、初の3曲入りカセット)。
「遠吠えシャッフル」でオルガンを演奏した奥野真哉さんが在籍したバンド。ソウル・フラワー・ユニオンの前身。
草野くんは10代のころ、「一ファンとしてライブハウスに行ってました」。
この曲は、2016年、スピッツがトリビュートアルバム『ソウル・フラワー・ユニオン&ニューエスト・モデル 2016 トリビュート』(コレ)の企画に参加したときにカバーしている。
(試聴できるところあります。このアルバム、いろんなアーティストが参加していておもしろい。スピッツの「爆弾じかけ」はアレンジが小気味よくポップでパンキッシュな感じ。オリジナルアルバムでは味わえない)
草野「これも、オルガンがかっこいい曲です」
曲終わりに、「当時パンク系のバンドの曲でオルガンがしっかり入ってるのってそんなになかったから、その独自性というか、かっこいいなあと思って、夢中で聴いていました」と。
どんなオルガンを演奏していたのかは奥野さんにきかないとわからないけれど、当時はシンセを使っていた人が多いからYAMAHAのDX7やRolandあたりかな? それともVOXあたりをちゃんと弾いてたのかな?と。
次は、Kula Shakerで「Hush」(1997年、4thシングル)。
この曲はディープ・パープルのバージョンが有名だけれど、原曲はカントリー寄りのシンガーソングライター、ジョー・サウスさんの作品、だそうです。
(「ローズ・ガーデン」もこの人の作品なんですね、今知りました)
「たまに食べたくなるイカの塩辛みたいな曲」と??
ZO-3で歌ってくれたサビのメロディーが耳について離れないそうです。
オルガン演奏は、のちにオアシスのサポートメンバーになったジェイ・ダーリントン。
(こんなところで、「Hush」の名前が・・・(ココ)。﨑ちゃんが出演したライブにて)
そしてこちらは、ディープ・パープル バージョン
ディープ・パープル / ハッシュ
最後は、Inspiral Carpetsの「This Is How It Feels」(1990年、7thシングル/1990年、デビューアルバム『Life』)。
「Inspiral Carpetsは90年代前半に人気のあったイギリスのバンド」と。
この曲のオルガンも「チープではあるんだけど、雅楽の笙のような、雲間から差し込む陽の光のような音が気持ちいいですね。疲れたときに聴きたくなる曲」と。
(気持ちがまっすぐになるような曲調だな。オルガンの音、雅楽の笙っていうのはわからないけど、いい音です)
演奏は、当時のメンバー、クリント・ブーン。現在は地元マンチェスターの人気DJだそうです。
特集の最後に。
ロックのオルガンというと、ハモンドオルガンにレスリースピーカー(回転するスピーカー)を組み合わせた音もいいんだそうです(ココ)。
ディープ・パープルのジョン・ロードのプレイなどで有名だそうで、「そのあたりだけで、いつか特集してみたい」と。
そして最後は「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。「たまご」の印象的なフレーズから・・・。
曲は、いずみたくシンガーズの「手にハンマーを」(1973年、1stアルバム)。
紹介の中にちょこっと挟んだ博多弁・・・。再現はできませぬ。
いずみたくさんは「日本の作曲家の中で巨人のような方」
坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」、ピンキーとキラーズの「恋の季節」、みんな知ってる「手のひらを太陽に」、そして、「チョコレートは明治!♪」とか、バーモントカレーなどのCM曲とか・・・、「徹子の部屋」のテーマソングも。
この曲は、1970年、土木会社「藤田組」の創業60周年を記念して作られたもの、とか(っていうか、この曲をセレクトするところが、なんというか、ユニーク??)。
「異臭を放つというと失礼ですが、ちょっと変わった曲。インパクトがあります。埋もれさせるのは惜しい」と。
短いけどオルガンのソロもある楽曲。
来週は?
ワンアーティスト特集で、アメリカのバンド、「ストーン・テンプル・パイロッツ」を取り上げてくれるそうです。
相次ぐ不幸(メンバーが続いて亡くなっている)を乗り越えてアルバムもリリースされたそうで、「かっこいい曲がたくさんあるんですよ」と。
楽しみです!
外を歩いてきた。
月がきれいで明るい夜。星も数は少ないけれどキラキラ見える。
いろいろ話しながら、ふっと見上げたら、陽光桜のつぼみが開きかけてピンク色がのぞいていた。
いつもソメイヨシノよりも早く咲いて、その濃いめのピンクが真っ先に春を教えてくれる。
そんな季節なんだな。
大好きなはずの季節を、あまりわくわくせずに過ごしてしまうところだった。
今年も新聞やネットで、震災をくぐりぬけて生きている多くの方たちの物語を読む。
終わりも解決もなく、ずっと続くドラマだ。
その声に耳を傾けながら、私も、たとえ変化のない平坦な物語でも、積み重ねた日々を忘れないでいようと思った。
そういう一日でした。
母からはハガキが届く。
ボックスティッシュ、色鉛筆、ストロー、ハガキ(鳩居堂のもの、と措定あり)・・・。
送ってほしいもののリスト。
「毎度恐れ入りますが、お願いします」と。
まだ面会はできないけれど、大丈夫、母は元気そうだ、相変わらず・・・。
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2006年、やっぱり少し「懐かしい」。 2ヶ月前
娘が高校を卒業しました。
高校では、体調面のハンデを抱えながら、部活も勉強も、結局最後まで頑張りました(部活は2年生いっぱいまで)。
本当なら鈍行に乗り換えてもいいところを、親の制止も振り切って、特急で走り続けた3年間でした。
ここでも、試験のたびに成績表を見せ合う友達がいたのですが、「高校であの子に会えたのはラッキーだったと思う」と、彼が自分よりも高いところに届いたことを素直に祝福している様子でした。
悔しさがないはずはないだろうのに、世の中にはこんな友情もあるのですね。
4月からは、平山雄一さんのずーっと後輩になる娘です。
これから、私のところからはだんだん離れていくのだろうけど、どこかで特急からも快速からも、もしかしたら鈍行からも降りなければならなくなったら、そのときはそこで待っていてやりたいと思います。
スピッツの曲じゃないけど、「車輪の唄」には結構励まされてきました。
草野さんには、いろいろと感謝の気持ちです。
世の中が落ち着いたら、娘も立川あたりでバイトするかな(笑)。
こんにちは!
お嬢さん、おめでとうございます。
以前に、お嬢さんのことも少し書いてくださったり、またよき友人でありライバル?でもある彼のことも教えてくださったことがあるので、とても不思議な気持ち。
国立も立川も、私には今も昔もなじみの大事な場所なので、そこで新しい一歩を歩むあなたの娘さんに、心からのエールを!
頑張りましたね。
そうですね、きっと少しずつ大人になっていき、特急では見えなかった景色を苦しんだり楽しんだりしてみるようになるのでしょうね。
あなたは、これまでとは異なっても、それでもやはりどこか変わらぬ目で、娘さんのことをゆっくり見たりハラハラ感じたりするのでしょうね。
ハチの針さんも、おめでとう!
(立川はかなり変わってしまったけれど、国立には昔(笑)の面影を残した場所がありますね)
雪の一日です。
雪が隠してしまえるような事態ではないけれど、少しでも前を見つつ・・・。
ハチの針さんも、お体、気をつけて!
いつもありがとうございます。
うれしいメッセージ、いただきました!