どんな理屈よりも上位に「戦争はダメ」を置いて、今日も一日暮らす。
2022.02.27
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
もうすぐ3月、「そうか、2022年の6分の1が過ぎようとしているんですね」。
(うーん、怖い、恐ろしい。気づくのが怖くて避けている話題・・・)
「心に余裕がある方も、意外とぎりぎりの方も、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです」
(どっちかなあ・・・)
そして、今日の特集は、【グレッチ使いのギタリストで漫遊記】。
ギターの機種しばりは、レスポール、ストラトときて、第三弾!
草野氏も愛用。「ロカビリーのイメージが強いが、カントリーロック、ハードロック、パンクロックなど、幅広い分野で使われている」。
そんなグレッチ使いの洋楽ギタリストをご紹介!
オンエア曲
01 みなと(スピッツ)
02 Somethin' Else(Eddie Cochran)
03 Please Please Me(The Beatles)
04 Mr. Soul(Buffalo Springfield)
05 Bo Diddley(Bo Diddley)
06 Rock This Town(Stray Cats)
07 Dog Eat Dog(AC/DC)
08 One Said to the Other(The Living End)
09 I LOVE YOU(a flood of circle)
10 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツの「みなと」(2016年、41thシングル/2016年、15thアルバム『醒めない』/2017年、コンプリートアルバム『CYCLE HIT』)。
口笛は、スカートの澤部航さん。
草野くんが初めてグレッチでレコーディングした楽曲。
ライブでもテレビでも(!)、グレッチで演奏しています。(Mステ事件を思い出して微笑んでしまう人もいるかも)
(何度聴いても、優しく温かく、そして限りなく悲しい曲だ。)
最初の曲は、「フィフティーズの代表的シンガー」、Eddie Cochranの「Somethin' Else」(1959年、12thシングル)。
Eddie Cochran(エディ・コクラン)
草野くんにとっても、もともとはこのあたりのフィフティーズの人たちが使っていたギター、というイメージが強かった。
そのイメージが徐々に変わっていった流れをたどっていく内容になりそう。
グレッチのギターを弾いてみようかな、と思ったのは、20年以上前にBLANKEY JET CITYのライブを見たとき。
草野「浅井さんのプレイがカッコよくて、『オレもあんなふうに弾けたらいいな』と思った」
Blankey Jet City ガソリンの揺れかた
(これ、見に行った記憶あり。いつ見ても、限りなくステキだ)
けれどスピッツのサウンドとは合わないかな、ということで、当時は一旦保留。
そして時は過ぎ、7年くらい前にポール・マッカートニーの東京ドームでのライブで、ギタリストのブライアン・レイが使っていたミントグリーンのきれいな色のグレッチギターに遭遇。
音とかプレイとか、そういうことより「見た目に」一目惚れ、「すごいかわいいな」。
いろいろ調べて、グレッチのアニバーサリーだとわかった。
草野「オレの中では、ギターってルックス重視なんだな、とそのとき思いましたけど」
でもやはり音がいい、と。
ホロウボディーという中が空洞のギター特有の、アコギっぽい音からハードな音までだせる、「意外と万能タイプ」。
最初に買ったミントグリーンと、最近はサブでクリーム色のグレッチも所有しているそうです。
グレッチというメーカーは、19世紀末、ドイツからの移民であるフレデリック・グレッチさんが、ニューヨークのブルックリンで創業。
最初は、ドラムやバンジョーを制作。ドラムメーカーとしても有名で、﨑ちゃんもグレッチのドラムを使っている。
20世紀に入って、息子たちが会社を大きく発展させ、ギターメーカーとして50年代に最盛期を迎えた。
次の曲は、The Beatlesの「Pease Please Me」(1963年、2ndシングル/1963年、デビューアルバム『Pease Please Me』)。
ジョージ・ハリソンはリッケンバッカー、ギブソンなどいろいろなギターを使っていたが、ライブ映像ではこの曲でグレッチを弾いていた。レコーディングもそうだったかは不明。
The Beatles - Please Please Me
次の曲は、Buffalo Springfieldの「Mr. Soul」(1967年、4thシングルのカップリング/1967年、2ndアルバム『Buffalo Springfield Again』/今回は、2018年『What's That Sound? Complete Albums Collection』より)。
Buffalo Springfieldは「ワタクシが敬愛するニール・ヤングさんが若いころに在籍していたバンド」。
ニール・ヤングのとくに60年代の画像では、グレッチを弾いていることが多いそうだ。
メンバーのスティーヴン・スティルスも写真ではグレッチを弾いていることが多いので、「このバンドのエレキギターのサウンドはグレッチ率は高かったのでは」と。
このバンドは、フォーク、カントリー、ブルースの要素が強いが、「サイケデリック・ロックのアプローチが大きな魅力」。「グレッチはサイケにも合うじゃん的な・・・ね」
この曲は、ローリング・ストーンズの「サティスファクション」にリフがちょっと似ている「印象的なナンバー」。(たしかに)
次は、Bo Diddleyの「Bo Diddley」(1955年、デビューシングル/今回は、1973年、『The London Bo Diddley Sessions』より)。
Bo Diddleyは、チャック・ベリーらと並んで、「ロックンロールの元祖的なギタリスト」。
バンドBO GUMBOSの「BO」は、Bo Diddleyの名前からきているんだそうです。
彼の名前からくる「Bo Beat」というリズムをZO-3で演奏。スピッツの「船乗り」で使われているリズム。
(リズムに名前がついてるってすごいですね。「船乗り」なイントロを聴いただけでワクワクする楽曲)
Bo Diddley - Bo Diddley (Live at the 1999 Annual Music Masters)
(Bo Beatがよくわかる)
彼は、まな板のような四角いボディーのギターを使っていて、これもグレッチだそうです。
次の曲は、Stray Catsの「Rock This Town」(1981年、2ndシングル)。
草野くんが最初に、グレッチのギタリストとして意識したのが、このバンドのブライアン・セッツァー。
草野「今でも、グレッチのギタリストといえばブライアン・セッツァーさんでしょ、と言う人が多いんじゃないかな」
80年代のネオロカビリー、ロカビリーリバイバルの第一人者。
当時流行っていて、「横浜銀蝿の流れで聴いているヤンキーな人も多かったのでは」。
草野「でも、きちんとロカビリーのルールに従ってやっていたバンドなので、横浜銀蝿というよりザ・ヴィーナスに近かったのかな」
ザ・ヴィーナス キッスは目にして!
ZO-3で、「わな わな♪」と歌ってくれました。
「そう考えると、フィフティーズ・リバイバルは世界的な潮流だったのかも」と。
ブライアン・セッツァーは、「若いころはかわいかったので、音楽雑誌上ではアイドル的扱いをされていた」。
でも、歌もプレイもうまくて、「グレッチの売り上げを伸ばした功労者。ギブソンのガンズのスラッシュさん的な存在だったのかも」と。
曲終わりに、「ドラムのスリム・ジム・ファントムさんのドラムセットがシンプルだったのがインパクトあった。座らないで演奏するドラマーを、当時初めて見た」と。
Stray Cats - Rock This Town • TopPop
メッセージコーナー。
音が大きくて、そろそろ買い替え時?と思われる冷蔵庫。その音が、「渚」のイントロのシーケンサーにそっくりなんだそうです(おもしろい)。
その音を聴くたびに「渚」を思い出すんだけれど、いつまでたってもギターが入ってこないので「若干イラっとします」(笑)。
日常生活でのちょっとしたおもしろい音って?
草野くんは、昔住んでいたアパートで、住人のドアの開け閉めの音が猫の鳴き声に聴こえたそうだ。
「にゃ~おん ニャ~オン」
その音のおかげで、ネコと暮らしているとイメージできたそうです。
(こういう受け止め方はいいなあ。イライラして暮らしていると、ちょっとした軋みの音にも文句言いたくなるし。この人みたいに暮らせたらいい)
草野くん自身は絶対音感はないけれど、そのエピソードはいろいろおもしろそう、と。「〇〇線のモーターの音は、あの曲のキーと同じBフラットだったんだよね」とか。
最初は息子のためだったのに自分がはまってしまって、プロ野球チップスが300枚もたまってしまったリスナーさん。(推し球団はカープだそうです)
草野くんも、あえて買うことはないけれど、「コンビニで小さいポテチを買おうと思って、プロ野球チップスがあったら、そちらを買いますね」。
自身はパリーグファンだけど、「セリーグの選手が出ることが多いですね」。
でもしばらくはその選手が気になって「応援したりしてたら、のちのちホークスに移籍してきたり」なんてこともあったとか。
何が出てくるかわからないものには、「むきになることが多い」人らしい。
がちゃがちゃのカプセルトイをむきになって買ってしまう男子。「コンプリートしたものを売っていることもあるけど、なんかガチャガチャしたい。わかりますかね、この感覚」
(ポムポムプリンを6回連続で引いた人です。想像すると・・・)
次は、「ライブの定番曲」、AC/DCの「Dog Eat Dog」(1977年、4thアルバム『Let There Be Rock』)。
草野くんの中で、ロカビリーの人が軽やかに弾くというグレッチのイメージを最初に打ち破ってくれたのが、「AC/DCのマルコム・ヤングさんです」。
草野「グレッチって、いわゆるメタルの音ではないけど、ひずませて弾いてもいいんだ~と思いましたね」
AC/DCはヤング兄弟の兄マルコム、弟アンガスがギターを弾いているが、「左チャンネルから聴こえてくるのがマルコムさんのグレッチ」。(こういうコメントは貴重です)
草野「70年代のAC/DCはマルコムさんもアンガスさんもギターがジャキジャキして攻撃的で、クセになります」
(ガシガシした音が耳にグサッときて気持ちいい。)
最後は、The Living Endの「Said to the Other」(2003年、11thシングル/3rdアルバム『Modern ARTillery』)。
以前に、この番組のリクエストで知ったバンドだそうだ(ココ)。
オーストラリアのメロコア系のバンド。見た目にもロカビリーテイストがあり、「それゆえか、ボーカル & ギターのクリスさんはグレッチ使い。グレッチをひずませて弾くならこうだよ、というお手本のような音です」。
グレッチは基本、ハンバッカーが多いので、「パワーコードの響きはきれいなんだけど、レスポールなどに比べるとギラギラした成分も多くて、派手なサウンドを作りやすいのではないか」。
(「ギラギラした成分が多い」って、ちょっとわかる気がします。)
草野「最近のハイスタ(Hi-STANDARD)の横山くんの音に近いのかな。彼もグレッチ使っています」
特集の最後に一言。
5年ほど前に、ユニクロでグレッチのTシャツが次々販売されたことがあって、草野くんは「片っ端から買いました」。
草野「グレッチは、ギブソンやフェンダーよりオシャレなイメージ、ありますよね。微妙な格好していても、コンバースのオールスター履けば、なんとなくまとまる、みたいな。ヘンな音楽やっててもグレッチ持ってたら、なんとなくオシャレで許される、的な・・・」
「持つだけで、いい気分にさせてくれるグレッチを、これからも使っていく」というグレッチ愛たっぷりの言葉で締め、でした。
(愛も感じられたし、解説がイチイチおもしろくて、曲もいろいろで、すごく楽しい1時間でした! そういえば、「チェリー」のMVで、テツヤくんはグレッチを弾いてる?)
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
(イントロは、「夏の魔物」ですか?)
曲は、a flood of circleの「I LOVE YOU」(2011年、3rdシングル)。
昔の曲ではないけれど、「日本のグレッチ使い」の観点から。
草野「a flood of circleの佐々木くんは、こんな激しい曲をやってたのに、すごくスピッツに詳しいんですよ。よく聴いててくれたみたいで。ギャップがとてもうれしかった」
(ココでスピッツ愛がわかります)
シャウトしてラジカルなサウンドを奏でている人がスピッツを聴いててくれた・・・、それがとてもうれしかった、と。
ベースがHISAYOさんにかわった頃からグレッチを使い始めたということで、「この曲あたりかな?」と。
佐々木くん、ラジオ聴いたかな?
https://twitter.com/ryosukeafoc/status/1497918448541704199
そして、来週は【元気出そうなツンタンビートで漫遊記】。
最近洋楽が続いたので、久々に邦楽です。
ツンタンしばりは、ココでもやりました。
「草野さん、雪でこんなもの作りましたー!」
「え、こんなん、作ったんか。マジで?」
(とうとう掛け合いに発展??)