2012.3.29 (木)
昨日の午後の妙な突風の中に頭を突っ込んだとたんに、久々に花粉にやられたようです。
長年の花粉症歴ゆえに昨今は「あなたはもういいよ、お疲れさん」的に、スギの花粉からは解放されていたはずなんですけど。
ちょっとまぶたがあったかくなって、体がヘンに熱くなって、しばらくぼ~っとしたり、鼻をグズグズいわせたり。
しばらくしておさまったけれど、今日の午前中に外を歩いているときも、ちょこっと花粉に襲われました。
梅がきれい。
桜はそろそろ開花とか。
どんな春になるんだろう。
★巨星
吉本隆明が亡くなって、新聞などでいろいろな紹介文や追悼文を読んだけれど、27日『朝日新聞』夕刊の姜尚中氏の文章がいちばんストンと落ちてきたかな。著書をちゃんと読まずに、その周辺でウロウロしただけの私には。
1950年生まれ、70年前後の全共闘時代に大学生であった彼が最初は教祖とあがめ、対極にいた丸山真男との対照を明確に把握し、やがて教祖からの「脱魔術化」の段階を経て、大衆へに寄り添うがゆえに辿らざるをえなかったかつての教祖の必然を、簡潔な文章で示してくれた。
かつてあがめた存在であるがゆえに、そしてその後の吉本の軌跡をなかば突き放すかのように見ていた筆者は、最後に、震災後「否・原発」を唱えなかった元教祖と、生きていたなら「断腸の思いで原発廃止を唱えたはず」の丸山真男を並べて、どちらが「科学の万能」を信じて疑わない「近代主義者」だったか・・・と示す。
そして,「この意味でも、教祖の思想的な命脈は尽きていたのである」と、乾いた文章で閉める。
直後の「ご冥福を心から祈りたい」の中には、姜尚中氏自身の若き日の教祖への一筋縄ではいかない思いと、同時にすでに越えてしまった過去の山に過ぎない存在への、冷静な哀悼の意が伝わってくる。
かつて,その本棚に吉本隆明の著書を並べていた、あの若き戦士たちは、今どうしているだろう。
どんな思いでいるだろうか。