2024.05.05
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM
5月1週目!
先週から引き続いての収録なので、まだ声がかすれ気味。
(こういう状態での連続3本収録は、ちょっと大変だろうなあ)
「気になった方がいらっしゃったら、すみません」
そして、「運転中の方、お仕事中の方、暇こいてる方、いろんなシチュエーションの方がいらっしゃると思いますが、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです」。
そして今日は、【ハムバッカーストラトで漫遊記】。
「ちょっとマニアックなテーマになるかも」。
ストラトキャスターはエレキギター界を代表するギターだが、パワーがなくてノイズが多いという欠点がある。
それを解消するために「ハムバッカー」というマイクに付け替える改造を施したギターを使っているギタリストがロック界隈に多くいる。
「ワタクシもその一人なんですが、そんなハムバッカーストラトで漫遊いたします」と。
「何言ってるかよくわかんない」という方には、「そんなときは適当に聞き流してください。大丈夫です」。
セットリスト
01 若葉(スピッツ)
02 Rock and Roll Love Letter(Bay City Rollers)
03 Beelzebub(Bruford)
04 Runnin' with the Devil(Van Halen)
05 Prowler(Iron Maiden)
06 Lithium(Nirvana)
07 DANCE WITH ME(blink-182)
08 酸っぱい経験(多岐川裕美)
漫遊前の1曲は、スピッツで「若葉」(2008年、34thシングル/映画『桜の園』主題歌/2010年、13thアルバム『とげまる』)。
「東京では、桜も散って若葉が生い茂っている頃かな」ということで、この楽曲を。
「前半は花が咲いてて、間奏後の後半は花が散って若葉が生い茂っている、という時間の経過も味わって聴いてください」
(どひゃっ! 大好きな大好きな曲だけど、そんなふうに聴いたことはなかったファンです・・・。ああ、いつ聴いても、どんなふうに聴いても、どんなシチュエーションで聴いても、何度聴いても、心の優しい部分にしみいる。今まさに、若葉の季節です。今日も外に出よう)
最初の曲は、「スコットランド出身、70年代のアイドル的バンドだった」、Bay City Rollersの「Rock and Roll Love Letter」(1976年、4thアルバム『Dedication 青春に捧げるメロディー』)。
(すごい人気だったなあ。友人にもファンがいました!)
ネット情報によると、最初にハムバッカーストラトを使ったギタリストについては、MC5のギタリスト説、ファンカデリックのマイケル・ハンプトン説など諸説あるが、「Bay City Rollersのエリック・フォークナーさんも早い時期からBay City Rollersを使ってらっしゃいました」。
画像で検索すると、「1974年くらいかな?」ということで、まずはこの曲をセレクト。
(以下は、こんなバンドでした、ということで)
Bay City Rollers - Bye Bye Baby (1975)• TopPop
(ハムバッカーストラトかどうかは不明)
「ハムバッカーストラト」とはなんぞや?
ストラトキャスターは、「弾きやすいシェイプ、豊富な音のバリエーションで人気を得ていて、エレキギターの代表的な機種」。
ところが次のような欠点がある。
ピックアップと呼ばれるエレキギターのマイクの部分。これがストラトに乗っているシングルコイルというマイクだとパワーがなく、「ジーッという」ノイズが多い。
「そこが魅力」と言う人もいるが、「ハードでラウドな音が大きめの演奏をしたいギタリストは、レスポールなどのギブソンのギターを選びがち」。レスポールに使われているマイクは、パワーがあってノイズが少ないので。
でもストラトの弾きやすさが捨てがたいというギタリストも多く、「だったらレスポールのマイクをストラトに付ければいいじゃね?」ということで、ハムバッカーストラトの誕生。
次は、Brufordの「Beelzebub」 /(1978年、bill Brufordのソロデビューアルバム『 Feels Good to Me』)。
アラン・ホールズワースさんは、エリック・フォークナーさんと同じく、初期のハムバッカーストラトの使い手。
この曲は、イエス、キング・クリムゾンなどで活躍したドラマー、ビル・ブルフォードさんのプロジェクトでのプレイ。
「ただし、今日かける曲がすべてハムバッカーストラトでプレイしたレコーディングとは限らないので」と、お断り。
「この曲、ほとんどジャズなんですけど、聴いてください」
次は、Van Halenの「Runnin' with the Devil 悪魔のハイウェイ」 /(1978、デビューアルバム『Van Halen 炎の導火線 』)。
ハムバッカーストラト、「当時は画期的な発明だったと思うが、爆発的に普及するのはEdward Van Halenさんの登場からと思われます」。
デビュー当時の彼のギターは、ストラトのボディーとネックとハムバッカーのピックアップなどの部品をバラバラに購入して、自分で組み立てて塗装もして・・・というハンドメイドなものだった。この成り立ちから「フランケンギター」などと呼ばれている。
彼は、先ほどのアラン・ホールズワースさんへのリスペクトを表明しているので、「ハムバッカーをストラトに搭載するのはひょっとしたらアラン・ホールズワースさんからの影響もあったかもしれない」。
フランケンギターによる彼のギターのサウンドが「ストラトとレスポールのいいとこ取りみたいで、これが世界中のギタリストの憧れとなった」。
のちのちメタルのギタリストの間で普及するスーパーストラトというタイプのギターの走りとも言われている。
草野くんとハムバッカーストラト
最初に購入したエレキギターは、「当時あった日本のメーカー、トーカイの普通のストラトタイプのコピーモデル」。
「見た目がカッコいいから、という理由だけで選びました」。ジミヘン、リッチー・ブラックモアが使っているということで。
やりたい音楽にはレスポールのほうが向いている、ということをあとで知って、「すごいショックで」。
でもそういう人は多いみたいで、「そういう人はピックアップをハムバッカーに変えるといろいろ解決するということがわかった」。
電気配線とか抵抗とか、理系の知識が乏しかったので、「改造は断念しちゃったんですよね」。今は「ストラトタイプのギターには迷わずハムバッカーをつけちゃいます」。
「邪道だ」と言う人もいるが、「ああ、そうですか、という感じでね」。
Edward Van Halenさん登場後、ハムバッカーストラトを使い始めたギタリストは結構たくさんいる。
モーターヘッドのエディー・クラーク、ジューダス・プリーストのグレン・ティプトン、そして、次に紹介するIron Maidenのデイヴ・マーレンら。
次は、Iron Maidenの「Prowler」(1980年、デビューアルバム『Iron Maiden 鋼鉄の処女』)。
草野くんがハムバッカーストラトのギタリストとして最初に思い浮かぶのは、このIron Maidenのデイヴ・マーレンさんだそうです。
草野くんが使っている黒いストラトタイプのギターは「デイヴ・マーレンさんをちょっと意識して作りました」。
Iron Maiden - The Trooper (Official Video)
メッセージコーナー。
以前に「受験がんばって!」の一言をお願いしたリスナーさんから。
「覚えていないと思いますが」に対しては、「ちゃんと覚えていますよ」と。
睡眠時間はちゃんととったほうがいいというアドバイスを受け、「深夜3時までの勉強はやめて」受験に臨んだ結果、「無事、合格できました!」。
「おめでとうございますっ!!」
そして再び・・・、「部活に入って大好きなテニスをする?」、「大好きなドーナツつながりでミスドでバイトする?」と迷っているとか。「マサムネさんなら??」
合格して楽しそうだし、「どっちでもいいんじゃない?」
バイトOKな高校は「ちょっと羨ましい。学校と家以外の人と知り合えるのに憧れていたので」。でも草野くんの高校はバイトNGだったそうで。
「どちらを選ぶにしても、ステキな高校生活になるように、祈っています!」
緩めのランニングが好きなリスナーさんは、週一で『ロック大陸漫遊記』を聴きながら走っているそうです。50分で8キロ!
走っているときには音に集中でき、「走っているときしかロク漫聴けない人間になってしまいました」と。
草野くんも以前に走っていたときは、大沢悠里さんの『ゆうゆうワイド』や荒川強啓さんの『デイ・キャッチ!』などを聴きながら、だった。
曲を聴きながらだと、つらいときに聴いてその曲が嫌いになったりしそうで(アラーム設定も同様で)、「好きな曲とかはランニングのときは聴かなかったですね」。
イヤホンをしないときもあったとか。
30分目安で走っていたけど、「夏になると暑すぎて、走らなくなっちゃうんだよね。でも緩めのランニングっていいね、気持ちよさそう」。涼しくなる、秋のタイミングで走ってもいいかな、と。
なぜハムバッカーはノイズが少ないの?
資料を見ながら、「でも理系の素養がないので、フワッとしか説明できないんですけど」。
従来のストラトキャスターに搭載されているシングルコイルというマイクは「名前のとおり1列に並んだコイルを使ったピックアップ」。
ハムバッカーはこれを2列配置することで、両方のコイルのノイズが合わさるときに「逆位相」という状態になり、ノイズ自体が打ち消される。
「もう何言ってるかわからないかもしれないですけど。これはノイズキャンルイヤホンの原理に近いそうです」
そして、「拾ったギターの音に関しては、同じ位相の信号が合わさることでパワーアップする」ということ。
ハムバッカーに変えると、「ホントに音はパワフルになって、ノイズは減るんだよね」。
そして次は、Nirvanaの「Lithium」(1991年、メジャーデビューアルバム『Nevermind』)。
ギターは、カート・コバーン。
彼も「音はフェンダー系がいいんだけど、パワーがないからハムバッカーに付け替えました」というわかりやすい動機からの改造だと思われる。
彼のギターで有名なのは、フェンダー・ジャガーとか、ムスタングを改造したものだが、ストラトタイプのギターも弾いている。
最後はblink-182の「DANCE WITH ME」(2023年、9thアルバム『One More Time …』)。
(この番組でも何回は曲を流していますね)
パンクロックのギターは、初期はSex Pistolsのスティーヴ・ジョーンズが使っていたレスポール、The Clashのジョー・ストラマーが使っていたテレキャスターのイメージが強いが、しかし90年代以降は、普通にハムバッカーストラトを使っている。
Green Dayのビリー・ジョー・アームストロングも最初のギターはフェンダー・ジャパンのハムバッカーストラトだったらしい。
このblink-182のトム・デロングのハムバッカーストラトのシグネチャーモデルも出ている。「気持ちいい歪みギターの音ですよね」
このアルバム、全米1位、全英2位だそうで、曲終わりに「最近のチャートにはロックバンドって全然入らないから、これ、快挙ですよね」と。
特集の終わりに。
ハムバッカーに改造するメリットばかりを紹介したが、デメリットもある。
「音のキレが損なわれる」、シングルコイルは「シャキッとした、パッキリした音」だが、ハムバッカーは「太くて丸い音」なので、「はっきりジャキジャキした音を出したい人には向いていない」。
ハムバッカーは物理的に大きめのマイクなので、「搭載する際、ギターのボディーをかなり削るため、ギター自体の価値が下がることがある」。なので、「ヴィンテージギターを改造するときには向いていない」。
一部保守的なロックファンの中には、「ハムバッカーストラトはイケてない、邪道だ」と言う人もいるが、「ま、これは気にしなけりゃいいだけのこと」。
そして今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、多岐川裕美さんの「酸っぱい経験」(1980年、カゴメのCMソング/作詞:三浦徳子、作曲・編曲:小笠原寛)。
(イントロは、「メモリーズ・カスタムじゃなく、「メモリーズ」ですね)
今日は激しめな曲が多かったので、「一気に雰囲気を変えて」、この曲。
草野くんが中学1年のころに流行っていて、「教室でよくみんなで歌ってたんですよね」と、ZO-3で「シャツのボタン 2つ外しただけで~♪」を歌う(笑)。
松坂慶子さんの「愛の水中花」などもそうだが、「アダルトな、ちょっとエッチな雰囲気のある歌詞をみんなで歌っておもしろがる・・・といういかにも中学生な行動」。
(わかるわかる、とくに男子がね~。女子はサガンの『悲しみよ、こんにちは』のそういうページを折って回し読みしたりしてたなあ)
サブスクで今聴くと、「すごい良質な昭和ポップスで、いい曲だなあ、と思いました」。
曲終わりで、「なにげに12弦ギターのアルペジオがめっちゃ気持ちいいですね」
そして来週は、ワンアーティスト特集、「スレイド Slade で漫遊記」。
日本での知名度はあまり高くなく、「グラムロックのバンドですよね~」くらいの認識の人も・・・。
イギリスの国民的ロックバンド。彼らの70年代リリースのクリスマスソングがいまだに12月になるとチャートを上がってくるという。「イギリスの山下達郎さん的なバンドかもしれない」
そんなSladeの世界を漫遊します。
Slade - Merry Xmas Everybody - Official Video
「草野さん、ステキな傘を買った日から全然雨が降りません」
久しぶりにワイドショー見たら、「GWで観光地がすごいことになってる!」映像が繰り返し流れていた。
富士山周辺、川越、箱根、原宿の行列・・・。
オーバーツーリズムの問題もあるし、現実の一側面ではあるんだろうけど、どういう意図でああいうの「繰り返し」流しているんだろう。
遊びに行けない人を不安にさせる? 行きたい気持ちを煽る?
自分たちのペースで工夫して、調べて、GWを賢く自分色で楽しんでいる人も大勢いるはずなのにね。
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