2020.11.01
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
雨が多かったせいか、今年はマツタケが大豊作とか・・・。
ただし、スーパーなどで自らマツタケを買った記憶がない草野くん。
スタッフの実家の近くで採れたマツタケをいただいたことはあるんだとか。
ふだんは、永谷園のお吸い物やエリンギで満足できちゃう人だそうで、
草野「でもせっかく大豊作なら、ちょっと買ってみようかな、と思っている今日この頃です」(笑)
(デビュー間もないころ、「丸ごとのマツタケを食べたことあったね。あれが初めてだった!」と、メンバーで興奮気味に話しているのを見たこと?聞いたこと?あったような)
ちなみに私の父は京都の丹波出身で、小さいころは親せきから、秋にはマツタケを、暮れには立派な丹波の黒豆をたくさん送ってもらっていました。幼い私には、どちらの価値もわかんなかったなあ。とくに美味しいとも思わなかったし・・・。豚になんとか・・・ってやつ?
今日のテーマは「私の好きな歌詞のワンフレーズリクエストで漫遊記(パートII)」。
今までで最もリクエストが多かったテーマです。
オンエア曲
01 木綿のハンカチーフ(草野マサムネ)
02 DAY TO DAY(ストレイテナー)
03 Chi non lavora non fa l'amore(Tonino)
04 ユースレスマシン(ハンブレッダーズ)
05 Skin(Helsinki Lambda Club)
06 Why Does It Always Rain On Me?(Travis)
07 HAPPY BIRTHDAY(back number)
08 オリビアを聴きながら(尾崎亜美)
漫遊前の一曲は、草野マサムネがカバーした「木綿のハンカチーフ」(2007年、『筒美京平トリビュートアルバム the popular music』)。
草野「先日お亡くなりになった、私が尊敬する筒美京平さんの作品」
作:松本隆、作曲:筒美京平、編曲:常田真太郎(スキマスイッチ)
太田裕美さんのオリジナルは、1975年、4thシングルです。
「自分のことを作曲家と名乗っていいのかわからないけれど、オレも筒美京平さんに育てていただいた作曲家の一人と言わせてください。このトリビュートアルバムに関わらせていただいたことは一生の宝物です。ありがとうございました」と、筒美さんへの思いを。
最初の曲は、ストレイテナーの「DAY TO DAY」(2015年、20thシングル/2016年、9thアルバム『GOLD DISC』)。
「歌われることのない想いを音にして鳴らすんだよ♪」、このフレーズが好きだと言うリスナーさん。
言葉にできなかった思いを、あとになって音楽の歌詞で知って、救われることがある、と。
「ストレイテナー、かっこいい曲がたくさんあるけど、オレ、この曲がいちばん好きかもしれない」と草野くん。
スピッツのイベントに出演したときも、「ホリエくんにリクエストして演奏してもらいました」と。
このフレーズは、「すべてのバンドマンの思いを表明しているフレーズ」。
取材のときに、「この曲でどんなことを言いたいのか」と「めちゃめちゃざっくりした質問をかましてくるライターさんがいますけど」(笑)、そういうときに使えるかも、と。
(ストレイテナーのベスト盤でも、光っている楽曲。個人的には、彼の歌詞は、メロディーを伴わなくても、文字として、つまり詩集として読んでも、私にはとてもおもしろい。フェスやスピッツのイベントでしかライブを見たことはないけれど、いつも酔えます!)
続いて、イタリアのアーティスト、Toninoの「Chi non lavora non fa l'amore」(2013年)。
イタリアで料理修行中の方からのリクエスト。「言葉は耳から覚えるといいよ」と修行先のチェフが貸してくれたCDの中に入っていた古い曲だそうです。
仕事をしながらこの曲を歌っていたら、シェフがとんできて、歌詞の意味を教えてくれたそうです、「働かざる者はHすべからず♪」。そんなエピソードのおかげで、すんなりと職場に溶け込めたそうだ。
海外で料理修行って、「すごいね。オレの中では木村拓哉さん主演のあのドラマの絵が浮かぶね」と、突然、「しあわ~せのレシピが にゃにゃにゃ~にゃ・・・♪」と山下達郎ばりに歌い始めて笑ってしまう・・・。
そういうことは多々あると草野くん。
「爽やかな曲かと思って歌詞を読んだら結構エロかった、というブライアン・アダムスの『One Night Love Affair』とかね」
ココで詳しく語っている・・・。
この楽曲は知らなかったそうだけど、「聴いていると楽しくなって、イタリアのワインでもあけたくなる」と。
Adriano Celentano - Chi Non Lavora Non Fa L'amore (San.Remo1970)
これは1968年の映像。古い曲なんですね~。いろんなアーティストがカバーしている。
次は、ハンブレッダーズの「ユースレスマシン」(2020年、2ndアルバム『ユースレスマシン』)。
好きなフレーズは、「ベスト盤には入ってないあの曲が好きなんだ♪」。
ラジオから流れてくるこの曲の「すべての歌詞がわかりすぎて心に刺されまくった」と。「こんなに心をわしづかみされたのは、スピッツ以来でした」
ハンブレッダーズはスピッツのイベントにも登場して「お世話になっている」と。
この歌詞は、「バンプオブチキンの『才能人応援歌』の『ファンだったミュージシャン 新譜 暇潰し 売れてからは もうどうでもいい』の一節にも通じる、バンドマンとして個人的に身につまされる歌詞なんですけど」。
草野「若い日の青さ満載で、それがうまく表現されているステキな曲だと思います」
レポではないけれど、昨年の新木場サンセットでのこと、ココで彼らについて少しだけ。
次は、Helsinki Lambda Clubの「Skin」(2016年、アルバム『ME to ME』)。
好きなフレーズは「マズい粉のかかったドーナツ ボロい靴で踏みつぶして♪」。
わかるようなわからない歌詞が、メロディーに乗ったとたんに心にスッと入ってきたそうだ。
草野「このバンド、存じ上げなかったんですけど、いいですね」
文字だけで読むより、メロディーと合わさったときに本領を発揮する歌詞がある、と言って、この部分を歌唱。
(「スキンして? あとは好きにして?」も、なかなか意味深い? ギターサウンドも疾走感も気持ちいい)
あ、こんな歌もありました。いいですね~。
Helsinki Lambda Club – 引っ越し(Official Video)
ヘルシンキ 橋本薫さんが連続ツイートしていますよ。
https://twitter.com/cowperchild/status/1322892066414710785
https://twitter.com/cowperchild/status/1322932155257815041
そして次は、Travisの「Why Does It Always Rain On Me?」(1999年、2ndアルバム『The Man Who』)。
好きなフレーズは、「Why does it always rain on me? Is it because I lied when I was seventeen?」(なぜいつも僕には雨がふるのだろう? 僕が17歳のときに嘘をついたから?)
リクエストした男性は、「誰しも若いときに嘘をついたことがあるだろうから、誰もが共感できる歌詞では? 僕は「雨が降るたびに、この雨はあの嘘のせい?と思ってしまいます」。
(なんて素敵な人)
草野「たしかにイメージが広がる歌詞。聴いている人それぞれに17歳のころのエピソードがあるはず」
草野くんは雨に関する曲で、三善英史さんの「雨」の一節を歌ってくれました、「全然ロックなないんですけど」と。
(私の弟はクラシックとロックが好きな子だったけど、この歌と「サルビアの花」はよく口ずさんでいたなあ)
Travisは、「スピッツっぽくない?」と言われて満更でもなかった洋楽バンド、として、「好きなバンドです」とココで言ってますね。
(いい曲だなあ・・・と余韻にひたってしまう。どのアルバムも好きだけど、『The Man Who』はとくにときどき聴きたくなる。『The Man Who』とともに、この曲が収録されている『Where You Stand』もよく聴きます)
【日本語字幕Ver】 トラヴィス 「Moving」
最後は、back numberの「HAPPY BIRTHDAY」(2019年、20thシングル)。
好きなフレーズは、「何かの手違いで 好きになってくれないかな♪」。
草野「buck numberは青春のグリグリするところを滑らかに歌うところが憎いなと思っています」
さだまさし~槇原敬之~back numberの流れで、彼らは「ストーリーのある歌詞を作らせたらマエストロだな」と。
「オレはストーリーが見えそうになると、照れもあって、けむに巻くような歌詞をちりばめてしまうのですが。ま、単純にそういう歌詞を書く力量が不足しているのかもしれませんが」と。
(いやいや、そうかもしれないけど、そこがよくて、ついついン十年も追いかけてしまったわけで)
(でも、back numberが若い人だけではなく広く受け入れられている理由がわかるような楽曲ですね。私はこういう歌詞は、ぜひぜひ「読んでみたい」です。いいだろうなあ)
そして、特集の最後に。
このテーマは、これからもいろいろできそう、「私が怖いと思ったワンフレーズ」とか「笑っちゃったワンフレーズ」とか。
最後は「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
曲は、尾崎亜美さんの「オリビアを聴きながら」(1980年、6thアルバム『MERIDIAN-MELON』)。
先週に続いて、今回も「ワタクシ草野が感銘を受けた歌詞」を紹介してくれます。
杏里さんのバージョンが大ヒットして有名になったけれど、ここでは作者の尾崎亜美のバージョンで。
尾崎亜美さんはロックのフィールドではないけれど、「すごいソングライターとしてリスペクトしている方です」。
この曲のサビの「疲れ果てたあなた 幻の私を愛したの♪」は、「恋愛のリアルで残酷な側面をわかりやすく歌ってらして、マジですごいな」と。
「素の俺が好きなんじゃなかったのかよ~」とか、実際にありそうじゃないですか? と。「逆に、オレが幻想を押し付けて、関係がおかしくなっちゃったとか」。ふむふむ。
草野「子どものころはサラッと聴き流していたけれど、大人になって聴いたら、聴き流せなくなっちゃった・・・、そんな歌詞です」
(久しぶりに聴いて、深いところに刺さりました)
さてさて、来週は、「TYK イギリス編で漫遊記 第二弾」。
TYKは「当初 やりたかった 感じ」の頭文字。
この番組、当初は「古いロックを淡々と流す番組にしたいな」と思っていた、「なんか今ね、ロックを流してくれるFMの番組って少ないので」。
草野「だけど、オレの雑食なところが出ちゃって、古いのから新しいのから、邦楽洋楽、ときにはエスニックなのも、果ては『オリビアを聴きながら』まで流しちゃって。でもたまには初心に帰ってみようと思います」
60~70年代の「ややマニアックなロック」を聴けますよ!
ちなみに、「TYK イギリス編で漫遊記」はココで、「アメリカ編」はコチラで。