2024.10.20
ロック大陸漫遊記
TOKYO FM
「10月4週目、早いですね。運転中の方、お仕事中の方、暇こいてる方、いろんなシチュエーションの方がいらっしゃると思いますが、ちょっとした息抜きにしていただけたら幸いです」
そして今日は、【シューゲイザーで漫遊記】。
1990年ごろ、ブリットポップブームより少し前くらいに、ささやくような声を轟音ギターにのせるスタイルのバンドたちのムーブメントがあった。その特集。
うつむいて演奏するようすが「自分の靴を見つめている」ようだったことから、「shoe+gazer→Shoegazer」と呼ばれるようになった。
初期のスピッツも影響を受けたシューゲイザーです。
オンエア
01 プール(スピッツ)
02 Like a Daydream(Ride)
03 Soon(My Bloody Valentine)
04 For Love(Lush)
05 Way the World Is(Pale Saints)
06 Son of Mustang Ford(Swervedriver)
07 Machine Gun(Slowdive)
08 MARE(paint in watercolour)
漫遊前の1曲は、スピッツで「プール」(1991年、2ndアルバム『名前をつけてやる』)。
スピッツも「初期の頃はシューゲイザーの影響をかなり受けてまして、シューゲイザーと歌謡曲のミクスチャー、ということで、『Ride歌謡』なんて自ら言っておりました」。
「そんな『Ride歌謡』な一曲」が「プール」。
(初期の頃の名曲のひとつ。いつ聴いてもいい。これを聴いたとき、ファンになってよかった~と思ったうれしい記憶がある)
最初の曲は、「シューゲイザーを代表するイギリスのバンド」、Rideの「Like a Daydream」(1990年、2ndEP『Play』)。
当時、1st、2ndのEPの人気が凄まじくて売り切れ続出、入手困難となり、レーベルがそれを1枚にしたコンピレーションアルバム『Smile』をリリース。
この人気は、「見た目もあるかもね。Rideはかわいかったよね。ロックっぽくない白いセーターとかをちょっとオシャレに着てて」。
「異論はあると思いますが、オレの中で、シューゲイザーといえば、まずはこのRideかな」と。
90年当時、シューゲイザーという言葉も普及していなかった頃、渋谷の「ゼスト」というレコード店の店内でこの「Like a Daydream」がかかっていた。カッコいいなあ!と思い、店員さんにさっそく尋ねて、即購入したそうだ。
「ゼスト」はイギリスのインディーズのレコードが充実していたので、草野くんはたまにチェックしていた。
カジヒデキさんがバイトしていたこともあったそうで、「そのとききいた店員さんがカジくんだったかもね~」という話をご本人としたこともあったそうです。
Ride以前にも、轟音ギターのポップな歌メロがのっているバンドはいた。直接のルーツはThe Jesus & Merry Chainだと思うが、Rideには「ハーモニーとかカラフルな感じもあって、オレは結構はまって聴いてました」。
レコードジャケットも、水仙の花やペンギンとか、「シンプルですてきだった」。
シューゲイザーとは?
60年代までさかのぼると、源流はThe Velvet Underground、シドが在籍中のPink Fluid、あるいはDoorsやBirdsの影響もあるのかもしれない。
その流れもあり、80年代になって、ガレージロックの要素も取り込んだThe Jesus & Merry Chainが出てきて、この「ジザメリ」の轟音ギターにか細いボーカルをのせるタイプのインディーバンドが次々出てきたのが90年ごろ。
それらのバンドのフロントマンたちがうつむいて、ちょっと暗めな要素を醸し出して演奏していた。そのようすが、足元、つまり「靴を見ながら演奏しているようだ」ということで、「shoe+gazer→Shoegazer」と言われるようになった。
次の曲は、My Bloody Valentineの「Soon」(1991年、2ndアルバム『Loveless 愛なき世界』)。
「Rideとマイブラがシューゲイザーのツートップ」というのが草野くんの見解。
この「Soon」は、シューゲイザーにマンチェスターのダンスロックの要素もちょっと取り入れた感じ。「マイブラと言えばこの曲でしょ」と草野くんは思っている。
My Bloody Valentineフジロック08
次は、Lushの「For Love」(1992年、1stアルバム『Spooky』/プロデューサーはコクトー・ツインズのロビン・ガスリー)。
シューゲイザーの音楽はその後、ドリームポップというジャンルにも連なっていく。Lushはそのドリームポップの元祖のようなバンド。
ギターはシューゲイザーほどは轟音ではなく、サイケなサウンドに甘くてキャッチャー歌メロがのっかっている感じ。前に特集したコクトー・ツインズ(ココ)の影響が強いのか。
Rideやマイブラとの共通点は、「歌がウィスパーボイス」というところ。
実はチャート的には、シューゲイザーのバンドの中では成功している。「ボーカルのミキ(・ベレーニ)さんがかっこいいなあと思って聴いていたそうだ。
アクセントのお話
「くつ(靴)」のアクセントが西と東で異なる。なので、「ずっとモヤモヤしていた」
「く」と「つ」、どちらにアクセントを置く?
草野くんがぐぐったら、東京でも両方あり、だそうで、「今日、オレ、両方言っちゃうと思うんですけど。このへん、気にしないでいただけるとうれしいですけども」って。
そして次は、Pale Saintsの「Way the World Is 世界の始まるとき」(1990年、1stアルバム『The Comforts of Madness 狂気のやすらぎ』)。
Ride、マイブラ以降、シューゲイザーの雰囲気のバンドが「ドバーッと出てきた」中で、そのブームを担ったバンドの1つがPale Saints。
リズムの感じがドタバタしていて、ポストパンクの雰囲気もあり、それでも「いかにもイギリスのバンド!」ってサウンド。
草野くんはこの1stアルバムをよく聴いていて、「たしかライブも見に行った」。渋谷クワトロ?
「あんまり印象に残っていないんだよね、すみません」
メッセージコーナー。
「ネイル」のお話。
草野くんは、「基本、オレ、ネイルはしないんですけど、指の爪はギターですり減るんで,つけ爪をしています。右手の人差し指にね」。
夏にサンダルを履くときは、「セルフネイルのやつを塗ったりしますね。年齢的に足の爪がきれいじゃなくなってきたので」。
最近若い男性のバンドマンと話していたら、ネイルサロンに予約して行っているときいて、「オレも一回行ってみようかな。どこかお勧めのサロンとか、ありますか?」。
次の曲は、Swervedriverの「Son of Mustang Ford」(1990年、デビューEP『Son of Mustang Ford』/1991年、1stアルバム『Raise』)。
このバンドは、シューゲイザーのバンドに入れていいのかな?と少し迷うのは・・・。
シューゲイザーのバンドって、見た目がケンカ弱そうなインドアの見た目の人が多いが、このバンドのボーカルはドレッドヘアでしっかりロックバンドの雰囲気だし、サウンド的にもハードロックな要素が感じられるから。
ウィキペディアでは、シューゲイザーのバンドに括られていたし、好きなバンドなので、今日のオンエア曲に選んだそうだ。
草野くんはSwervedriverの来日公演を見たとき、ストレートでグランジ寄りのバンドだなという印象だった。そのときの前座をつとめた日本のバンドのほうがシューゲイザーっぽかった、と。
Swervedriverは1st、2ndともに捨て曲がなくて、すごくいいし、現在もバリバリ活動中。今年リリースされたアルバムは、初期よりももっとシューゲイザーサウンドになっていて、「びっくりした」そうです。
漫遊最後は、Slowdiveの「Machine Gun」(1993年、2ndアルバム『Souvlaki』)。
このバンドは、「これぞ、シューゲイザーというゆったりしたリズムにウィスパーボイス」。
「指ではなくあったか~い掌全体でマッサージしてくれるような、リズムをあえて立たせないでほわほわしたサウンド・・・なのかな?」と。
もっとあとに出てくるアイスランドのシガー・ロスあたりにつながるサウンド。
「最近では、このSlowdiveのサウンドがシューゲイザーのパブリックイメージにいちばん近いのかもしれない」と。
ジャケットもドリーミーな感じで、「ジャケ買いした記憶がありますね」。
特集の終わりに。
シューゲイザーは、UKのダンスロックやその後のブリットポップに比べるとリアルタイムでの盛り上がりはちょっと劣るのかもしれない。
しかし、その後、フォロアーのバンドがたくさん出てきた。ドリームポップと呼ばれるカテゴリーのバンドとか、日本でもルミナスオレンジとか。
またメタルのバンドでもシューゲイザー要素を取り入れた人たちが出てきたり、また最近ではリバイバル的にシューゲイザーなサウンドを鳴らしているバンドもいるし、結構影響は大きかったんだなと思う。
「スピッツも実は、Ride歌謡の夢、捨ててないんですけどね」
そして今日の「ちょっぴりタイムマシン」は、paint in watercolourの「MARE」(1993年、2ndアルバム『VELOCITY』)。
(イントロは、「リコリス」。なんだか懐かしいのは、なぜ?)
このコーナーも「シューゲイザーな雰囲気で」。
ただし、この曲、「メア」と読むのか「マーレ」なのか、ちょっと不明みたいです。
90年当時、シューゲイザーと同じ時期に、マンチャスターを中心としたダンスロックのブームがあり、「マッドチェスター」などと呼ばれていた。
日本では、シューゲイザーよりも、このダンスロックに影響を受けていたバンドのほうが多かった気がするそうだ。
両方を取り入れているバンドもいて、「このpaint in watercolourはそれ系かな?と記憶している」。
最先端のUKロックを反映しているサウンドだった。
新潟を中心に活動しているバンドで、「地方都市に軸足を置いているスタイルも、当時新しいなと思っていた」。
もっともっと話題になってもよかったのでは?というクォリティーで、「名前もステキだよね」と。
そして来週は、「ギターリフのスピッツ曲で漫遊記」。
これまでも「ギターリフ」の特集はやっている(ココとコチラ)が、「イントロからAメロまで同じリフが続いている」ことが条件。
スピッツにもそういう曲があるので、どんなきっかけでそのリフが生み出されたのか、など語りつつの漫遊だそうです。
(お楽しみに・・・ですね)
「草野さん、最近車をポルシェからフェラーリに買い換えました」
(おおっ!)
異常な暑さ・・・。
昨日も今日も、外を歩いて、汗が噴き出していた。
どうなってるんだろう??
久しぶりに東京にやってきた友人が帰るというので、4人の友人たちと短い時間を過ごした。
慌ただしい別れで、気疲れだけが残ってしまって、少し後悔。
またいつ会えるか・・・。