生まれて初めて見た朝焼け

それは朝の4時半。
いつもの熱帯夜ではないとても涼しい明け方だった。
旅館の2階の窓から何気なく外を見た・・・

え、一体何時間寝てしまったんだ？
もう夕方か？
思わず時計を見た。
あれ・・4時半だ・・・
自分の目を疑った私は、思わずかみさんをたたき起こした。

おい、起きろ、夕方まで寝ちまったぞ

とんでもない言葉に、かみさんは寝ぼけ眼で起き上がった。

ちょっと見てみろよ、外・・・
「げっ、もう夕方か？」
いや、朝の4時半だ。しかし綺麗だなぁ～
そういいながら私は自分のデジカメでパチリ
かみさんも半分寝ぼけて自分のデジカメで、なにやらパチパチやっていた。

そう、ここは草津温泉のとある旅館の2階だ。
朝食後部屋に帰り、先程撮っていたデジカメの画像を確認していたかみさんが、
いきなり悲鳴を上げた・・・
「ぎぇ～、誰だ！　わたしの寝顔を撮った奴は・・・」

へ？　知らんし・・・
だいごも寝とったし、おれは自分のカメラだし・・・
まさか、幽霊か？・・・

ちょっと見せてみん

見てびっくり。かみさんの腫れぼったいいつもの顔だ。
すると、それは動画モードになっていた。
かみさんの恐ろしい顔の跡に、綺麗な朝焼けが・・・

あのなぁ～、お前。
これ撮る時、動画モードになっててさぁ、おまけにレンズを自分のほうに向けてたんだろぉ・・・
普通、やらんぞ、こんなボケ・・・

「なんだぁ、そぉ～かぁ～。あんたが私の写真を欲しいのかと思ったぢゃんか」
だってさ。
やめてくれぇ