画作りがとっても好きです。そして細々とした描写も……
見てる人向けの感想なので不親切に箇条書きします!
先に言っておくと総合してとっても好きな映画でした。
スワロウの後に見たので余計にすっきりしてるかもしれません。
(こっちも感想を書きたいけど、整理できてない…!)
☆立派なおうち、レトロ~なファッションと家電が見ごたえあり!
あ…邸宅だ…って声出ました。
住宅のカタログ見るの好きなので、家の中のシーンが多くて嬉しかったです。
インテリアもいい……こういう家に住みたい……
☆現代女性が見て引っかかる描写が、あえてされている
世界観的に「仕事に出る夫」と「家を守る妻」が強調されている。というかメインテーマ。
自分はコミュ障なので、ご近所付き合いのシーンの時点でかなりウッとなったんですが、それ以上にウウッってなるシーンが結構ありましたね……
・行われているプロジェクト=仕事、の内容を知ることができない
入ってくる情報を絞られている感じ…?
・出てくる人たちがみんな夫婦!!!!
独身者や同性カップルなし。
ビクトリー計画の内容的に独身者なしというのはそうなんですが、まだそこまで描かれてないときにウウッとなりました。
・食卓での情事
せっかく用意したご飯が!! 許さん!!!!
人の時間をなんだと思ってるんだ?と腹を立ててたんですけど、用意したアリス自身もあえて料理を落としていくのは、何かのメタファーなのかな?
自身で自身の仕事(家事)にさほど価値を見出していないということなのか、彼女が作り上げたもの=キャリア等がめちゃくちゃになっているということなのか。後者かもしれません。
・主人公が掃除中に、壁に押しつぶされるシーン
「この町息苦しいな!! 家で家事だけとか無理だな……」と考えていたときにこのシーンが流れました。
あれは押し付けとか、無意識下の息苦しさを表現してますよね~……
押し付けられた幸せなので、彼女からしたら当たり前の苦しさなんですけどね。
・ジャックの昇進パーティー
町の長みたいな人が開いたやつのほうです。
余興にストリップと、ジャックが踊らされているシーンと、「我々の世界だ!」が無理でした。
「我々の世界だ!」って言ってるのって夫達でしたよね。
主人公が泣いてるのってパラノイア扱いのストレスも強くあると思うんですが、現代社会の倫理観に照らし合わせたときに、人ひとりひとりが軽視されてるように感じられる(現実のアリスの意識が戻ってきている)からじゃないかなー…
無意識下が「ある」と明確に描いている作品なので、そういう描写の可能性が高いと思ってます。
多分私も帰りたくなる。
・現実世界と町の中の差
これ、この夫婦全部そうなの????
ジャックのようにうまくいってなくて、ひょっとしたら、アリスに引け目を感じるようにコンプレックスをおぼえて?
それで現実では得られなかった、彼女・妻、気になる女性からの尊敬だったり、愛の言葉だったりを欲しがってたんですか?
人の人生を奪ってまで…?
奪ってもいい人生だと思われた人があの町の妻の数だけいるのか……
人を軽視した設定のフィクションっていっぱいありますけど、こんなにショックを受けるのは世相と重なっていて、より身近な息苦しさに思えたからでしょうね。
計画のために、他人を拉致してOKなのが余計にグロテスクでした。
自分の承認欲求のためにそこまでするか! したか……
主人公の演技が良すぎて感情移入しまくって、なが~~く書いてしまいました。
書いてる最中にシーンがよみがえってくるのもすごい。
ストーリー自体は(結構言われているように)王道的なものだったと思います!
が、各シーンの描写や、解像度の高い不快さ・不安がすばらしかった……
感想を吐き出した今は、この映画って男性が見たらどう思うんだろう?が気になっているところです。