彼女は私の大好きな友人の一人だった。
姉のように私を愛してくれた。
私もまた彼女を慕っていた。
本当に本当に大好きだった。
でも、私は彼女の心の苦しみを知らなかった。
彼女は自分の母親を愛せなかった。
顔も見たくないと思うほど、母親を愛せずにいた。
詳しい理由は今も分からない・・。
彼女の口から私に語られることは無かったから。
思い出してみると、彼女はいつも母親を遠ざけていた。
母親のいる実家に帰ることはほとんど無かった。
母親に対する自分の気持ちが苦しかったのだろう。
母親を愛せない心とそんな自分を責める心。
彼女の優しい笑顔のその奥に、そんな葛藤があったことなど私は何も知らなかった・・。
彼女の胸にはしこりがあった。
肉体は心の影。
彼女の心の葛藤が、体のしこりとなって現れていた。
その事だけは、私も知っていた・・。
本来、親子は愛さずにはいられないように出来ている。
表面的にはどうであれ、そんな風にプログラムされている。
だから絶対に、親を愛さない子供はいないし、子供を愛していない親もない。
親を愛せない子供や、子供に愛を現せない親、そういったプログラム通りにいかない親子の間には歪みが生まれる。
だけど、その歪みもまたお互いの愛を知るためのものであったりする・・。
彼女の場合、心の葛藤からしこりを創り病気になり、逝ってしまうことにより母親の愛を引き出した。
病気の娘の看病をするうち、子供に対する深い愛を現すことの出来るようになった、彼女の母親がそこにいた。
彼女の死後、母親はこう言った。
「あの子は、私が愛深い人間になるために、命懸けで導いてくれた神様でした」と。
母親を導くために、彼女の魂はあった。
表面的な彼女とは裏腹に、奥底の彼女の魂は母親を愛して止まなかったのだ。
彼女に会いたいという長年の私の思いは、残念ながら叶わなくなってしまった。
おしゃれな彼女の髪がどんどん抜け落ちていく様を、私は想像して泣いた。
・・でも、きっと、若くしてこの世を去った彼女の魂は、向こうの世界で微笑んでいるのだろう。
自分の母親を深い愛に導くという目的を果たせた清らかな魂は、間違いなく安らかに違いない。
>>>②ヘ続く
姉のように私を愛してくれた。
私もまた彼女を慕っていた。
本当に本当に大好きだった。
でも、私は彼女の心の苦しみを知らなかった。
彼女は自分の母親を愛せなかった。
顔も見たくないと思うほど、母親を愛せずにいた。
詳しい理由は今も分からない・・。
彼女の口から私に語られることは無かったから。
思い出してみると、彼女はいつも母親を遠ざけていた。
母親のいる実家に帰ることはほとんど無かった。
母親に対する自分の気持ちが苦しかったのだろう。
母親を愛せない心とそんな自分を責める心。
彼女の優しい笑顔のその奥に、そんな葛藤があったことなど私は何も知らなかった・・。
彼女の胸にはしこりがあった。
肉体は心の影。
彼女の心の葛藤が、体のしこりとなって現れていた。
その事だけは、私も知っていた・・。
本来、親子は愛さずにはいられないように出来ている。
表面的にはどうであれ、そんな風にプログラムされている。
だから絶対に、親を愛さない子供はいないし、子供を愛していない親もない。
親を愛せない子供や、子供に愛を現せない親、そういったプログラム通りにいかない親子の間には歪みが生まれる。
だけど、その歪みもまたお互いの愛を知るためのものであったりする・・。
彼女の場合、心の葛藤からしこりを創り病気になり、逝ってしまうことにより母親の愛を引き出した。
病気の娘の看病をするうち、子供に対する深い愛を現すことの出来るようになった、彼女の母親がそこにいた。
彼女の死後、母親はこう言った。
「あの子は、私が愛深い人間になるために、命懸けで導いてくれた神様でした」と。
母親を導くために、彼女の魂はあった。
表面的な彼女とは裏腹に、奥底の彼女の魂は母親を愛して止まなかったのだ。
彼女に会いたいという長年の私の思いは、残念ながら叶わなくなってしまった。
おしゃれな彼女の髪がどんどん抜け落ちていく様を、私は想像して泣いた。
・・でも、きっと、若くしてこの世を去った彼女の魂は、向こうの世界で微笑んでいるのだろう。
自分の母親を深い愛に導くという目的を果たせた清らかな魂は、間違いなく安らかに違いない。
>>>②ヘ続く