ハバクク書 解説 2018.5.9
口語訳聖書引用
「義人は信仰によって生きます」
と神の言葉を語ります。
ハバククの預言活動は,
エレミヤと同じく,カルデア人
(バビロニア人)が
南ユダ王国をおびやかしていた
国家存亡の危機の時代と
思われます。
(紀元前627~586年)
ハバククは,
ユダの暴行などの罪を
なぜ赦しているのかと問います。
(ハバクク1:1-4)
神は,カルデヤ人(バビロンの王)
を遣わして
ユダを裁くと答えます。
(ハバクク1:5-11)
裁きに用いたバビロンをも
裁くと啓示します。
(ハバクク2:5-20)
○
南王国ユダの罪
(ハバクク1:2-4口語訳)
「主よ,わたしが呼んでいるのに,
いつまであなたは
聞きいれて下さらないのか。
わたしはあなたに
『暴虐がある』と訴えたが,
あなたは助けて下さらないのか。
あなたは何ゆえ,
わたしによこしまを見せ,
何ゆえ,
わたしに災を見せられるのか。
略奪と暴虐がわたしの前にあり,
また論争があり,
闘争も起っている。
それゆえ,
律法はゆるみ,公義は行われず,
悪人は義人を囲み,
公義は曲げて行われている。」
何故,悪が義に勝のか,
どうして神は黙っているのか,
と神に問います。
それに対し神は,
バビロンを遣わして
南ユダを裁くと言います。
(ハバクク1:5-11)
○
カルデヤ(バビロン)人が
ユダを裁く
(ハバクク1:6)
「見よ。
わたしはカルデヤ人を起こす。
強暴で激しい国民だ。
これは,
自分のものでない住まいを
占領しようと,
地を広く行き巡る。」
神に,正しい者が苦しみ,
悪しきものが栄えるのは
何かを問いました。
(1:1-4)
カルデヤ人(バビロン)によって
ユダを裁くと答えました。
○
義人は信仰によって生きる
(ハバクク2:4 口語)
「見よ,
その魂の正しくない者は衰える。
しかし義人は
その信仰によって生きる。」
主とその民との生きた関係は
信仰にあることを示しています。
この言葉は
ローマ1:17に
引用されています。
(ローマ1:17)
「なぜなら,
福音のうちには
神の義が啓示されていて,
その義は,
信仰に始まり
信仰に進ませるからです。
『義人は信仰によって生きる。』
と書いてあるとおりです。」
パウロは,
信仰はキリストの贖罪の福音を
信じる「信仰」と説明します。
(ガラテヤ3:1)
(へブル10:38)では,
神の約束への
信仰となっています。
○
カルデヤ人(バビロン)は
ペルシャによって滅ぼされる
(ハバクク2:5-6)
「また,酒は欺くものだ。
高ぶる者は定まりがない。
彼の欲は陰府のように広い。
彼は死のようであって,
飽くことなく,
万国をおのれに集め,
万民をおのれのものとして
つどわせる」。
これらは皆ことわざをもって
彼をあざけり,
あざけりのなぞをもって
彼をあざ笑わないだろうか。
すなわち言う,
『わざわいなるかな,
おのれに属さないものを
増し加える者よ。
いつまでこのようであろうか。
質物でおのれを重くする者よ』」。
神に対して逆らい,高ぶり,
他人の財産を奪って
私腹を肥やす者,
暴力を振う者,不正な者,
あわれみのない者,
偶像礼拝者である
カルデヤの王に対する
さばきの宣告がなされます。
裁きのために用いた
カルデヤ(バビロン)
をも滅ぼす預言をします。
○
神のみわざ
(ハバクク3:2)
「主よ,
わたしはあなたのことを
聞きました。
主よ,
わたしはあなたのみわざを
見て恐れます。
この年のうちにこれを新たにし、
この年のうちに
これを知らせてください。
怒る時にも
あわれみを
思いおこしてください。」
「みわざ」とは,
エルサレムもバビロンも
滅ばされるというものです。
○
讃美と祈り
(ハバクク3:18,19口語訳)
「わたしは主によって楽しみ,
わが救の神によって喜ぶ。
主なる神はわたしの力であって,
わたしの足を
雌じかの足のようにし,
わたしに高い所を
歩ませられる。
これを琴に合わせ,
聖歌隊の指揮者によって
歌わせる。」
神は私たちを
この世から取り分けて,
高い所に導いてくださいます。
再びハバククに,
神は救い主だという信仰が
与えられます。
2018-05-09