子どもに感想をたずねるかどうか(追記あり)

おはなし会のあと、子どもの感想を尋ねる場合があります。
読み手である私たちではなく、進行の先生が、そうされる場合があります。

おはなし会のノウハウでは、「感想を尋ねない」というのがセオリーになっていて、本の余韻を楽しむというのがだいたいの理由なのですが、私たちも尋ねることはないです。先生ではないので、読書指導をする気持ちもあんまりない。指導の数歩前の「状況を揃える」というような気持ちです。

そして数年前から、読書へのアニマシオンという考えが広まってきて、聞き手も聞いているばかりでなく、話にかかわっていくというスタイルが見られるようになりました。数年前に 当時の絵本学会の会長だった佐々木宏子氏の講演を聞いたときも「あえて感想を尋ねる」という方法が提案されました。

 私みたいにぼんやりした性格の人間は、聞いた直後に すぐ意見を言葉に出して言うということはなかなか難しいのです。それどころか、おはなし会に行って帰ってきて、さてどんな話だったかと、思い出せないことが多かったですね。子どももそうなんじゃないかな。感想を聞かれると事前に分かっていればそのように構えて聞くこともできるけど。どの本が良かった?と聞かれて、とりあえずどれか言っておくという その場しのぎ的なお返事でしょうか。
 でも、その場しのぎでも自分で主体的にかかわると、脳のどこかにプリントされるような気がするのです。受け身になって聞くのと違う部分の脳が活性化するというか。読み聞かせは、聞くより読む側の方が脳が活性化するっていう研究結果もあったはずだよ。
だから、授業なんかでは、意見を聞いたり書いたりすることはとても効果的なのかもしれない。
もちろん、子どもに読んでもらうということも、取り入れる努力をした方がいいと思う。学校では、主体になるのは子どもですから。

 そしてね、感想を言ってもらうとうれしいし、助かる。こんなふうに思って聞いたのか、とかね、以外な発見がある。あとで感想文(コメント)が寄せ書きになってくることもあるし、お愛想かなと思うコメントも多いけど、時々ハッとする。第一、みんな鉛筆の手書きでしょ、その鉛筆の跡を見るのが、とても好きですね。

(11月20日 追記)
だから図書館でも、読み聞かせ講座で、「感想を尋ねない」と特定のやり方だけを説明せず、「時と場合によって選択する」と説明しておいた方がいいと思いますよ。

 

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