CM天気図と民主化

故天野祐吉さんの有名なコラム「CM天気図」

11月17日は朝日新聞で特集されていました。
このコラムの第1回目は「良い・悪いでなく 好き・嫌いという物差し」の話だったことを知りました。ずいぶん前ですが、赤瀬川源平さんも、これと同じような文章を書いています。「良い・悪い」という物差しのほかに「好き・嫌い」という物差しがあることの重要性というようなことです。 だからね、「あれは悪い、これは良い」とやっていくと、どんどんドツボにはまるんだよね。

それから、特集にはありませんでしたが、「民主化っていうのは、最初は下品な感じがするんだよ」というような このコラムの話も心に残っています。
 これを読んで、私はなんだか憑き物がおちた感じがして、これでいいんだなと励まされたのです。
紙芝居全般を評して、おまけに紙芝居をする人を評して、「あんな(下品な)もの」的な批判をする人が多いので、やっぱりこの大衆的な感じでいいんだな、と思いました。
「あんなもの」的評価をする人は、ほんとうに心の底から不愉快そうで、見ているこっちもなんだか申し訳ない気持ちになっちゃったりしました。図書館に低レベルの本(マンガっぽい本)を入れることを、目を吊り上げて怒る人の姿も見ました。
 でも、天野祐吉コラムを読んでから、下世話な人たちの言葉って、すごく面白いことだと分かったような気がしたのです。でも時々カチンと来るけどね。自分も同じレベルだからカチンとくるんだと開き直ることにしました。自分でまだ壁を作っているところもあるけど、この程度はいいんじゃないかと思うし。

 どこかの幼稚園の園長が「大切な子どもたちにあんなもの見せるわけにいきませんよ」と発言したのを読んだことがあるのですが、この園長先生もそういう心の底から不愉快な気持ちなのでしょう。幼保一体化を反対する園や保護者の「ウチの子を、あんな子どもと一緒にするのはイヤヨ」的な思いもこれと同じでしょう。分厚い保守層、と言ってしまえば簡単ですが、そういう人たちと一緒にうまくやる道を探るのはとてもむずかしい。「図書館は民主主義に向かうためにあるんだよ」と誰か力のある人が言って欲しい。下品な感じを受け入れると、民主化ってどういうことかわかっていくと思うんだけど。
 
 

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