絵本ブックエンド を読みました

絵本のことを大雑把に知っておこうと、毎年絵本学会の「絵本BOOKEND]を借り出して読んでいます。
2011年版は、新刊座談会が絵本そのものについてでなく、絵本研究誌についての紹介になりました。去年2010のを読んだ時に、ちょっとひどい発言があるな、と思ったのですが、しょうがないかな、とも思いながら読み過しました。個々の絵本について語るとどうしてもそうなると思いますから、研究の動向を探るのであれば、この形式の方が良いと思います。

 P69の作家論で、長新太の研究書が出ているのを知りました。「松居さんや瀬田貞二さんが打ち出していたよい絵本の定義に対する長さんの挑戦という見方がされている」というような記述を読んで、私は「ああやっぱりそうだったか」という気持ちです。

 五味太郎の『勉強しなければだいじょうぶ』(朝日新聞出版)は、ぜひ、新潟市の読み聞かせボランティアに読んで欲しい本ですね。タイトルだけで何が言いたいかわかるような気がします。

 P54の中川会長の講演について書かれた部分は興味深く、『絵本の視覚表現』もあわせて読んでいます。絵本の表現構造を
「線構造」「展開構造」「円環構造」「点の集合構造」「点の並列構造」「対位法構造」「ポリフォニー構造」の7つとその複合型に分類して、それぞれの表現性について考察する、
とあって、やー良かったなあ、と思いました。
もうね、「良いでしょうか悪いでしょうか式」の区分けは、勘弁してほしいなあ、といつも思うからです。
 
 実は、私は、おはなし会のプログラムを作るときも、この構造が無意識のうちに応用されていると思うのです。プログラムを作るということは、表現の一種ですから、どういう表現で相手を楽しませるか、という視点があって当たり前でしょう。新潟市の読み聞かせボランティアは「プログラムは時間軸を追って本が並ぶように」という指導がされてきて、とにかくそれから外れると「勉強をしない困った人」と言われるのです。
 時間軸主体型が「線構造」、それに関係なく長短取り混ぜて自由に並べる聞き手選書型は「点の並列構造」だと思うのです。
 もうね、こうしなくちゃ駄目、みたいな思い込みから自由になりたいと思います。決して「みんなで話し合ってノウハウを決めた」訳でなく、誰かが言い出したことを鵜呑みにしていった結果だからです。ボランティアの原則(社協のHPをごらん下さい)にも、「必要に応じて工夫し・・・」とあるのですから、こういった新しい研究からも情報を取って進みたいと思います。

 

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