読み合い

12月の落ち着いた頃、絵本学会の『絵本 BOOK END』を取り寄せて読むのがここ数年の習慣になっています。
絵本の読み聞かせについても、毎年新しい本が出て、年齢別やどんな相手かなど、ケースに合わせて対応する具体的なやり方が書かれている本が増えてきました。新潟市の短大などには、ちゃんと子どもの文化や保育や子育て支援の側から見て絵本を論じることができる先生がおられると思う。以前(数年前)NICのフリーペーパーで、そのようなことを書かれた先生がおられたと思ったのですが。去年は、『絵本の事典』も『ベーシック絵本入門』も読みましたが、いろんな絵本研究書には、新しい学者や現場の人が自由に発言している様子が見られます。

今年(2014年)の特集は、絵本研究を楽しむ、でした。各分野の人が短い文章を寄せていて、傍線を引けるように後で自分で買ってしまいました。
写真の左にある子どもの文化誌は、自分で定期購読していたものです。BOOKENDの座談会にも取り上げられていて、この特集号を読んだ時は、その生々しい言葉に、思わず付箋だらけにしてしまいました。
私は、絵本や絵本研究書を自分ではほとんど買わず、BOOKENDからピックアップして図書館から実物を借りて読む、という方法をとっています。研究書を買ってしまうと、どうもそれに囚われるような気がして仕方がないのです。講演会もそう、その人から直接話を聞くと、どうもそれに振り回される自分がいる。だから、絵本学会の機関誌は、とてもありがたいし、座談会形式の本の紹介も、安心して読める。去年の座談会の最後に、紙芝居は絵本とリンクするところが多いから紙芝居研究も目が離せません、などという方もおられました。

今年、幾つかの研究書を読んだ収穫は、複数の研究書に、個別に読んだり二人で読むことを「読み合い」、集団相手に開いて読むことを「読み聞かせ」と定義している様子が見られたことです。個別の読み聞かせ「いっしょによもうよ」を提唱した自分としては、あ~良かったな、と ほっとしています。「下読みをせずに子どもに読み聞かせるなんて」とバッシングを受けた身には、ことのほか嬉しいです。「読み合い」は、きちんと解釈や練習をして読む以前の段階で、自分の言葉を織り交ぜ試行錯誤しながら読むことで、これがまた楽しいんだよね。そうそう、小さい子には「いろいろ言葉を付け加えて」と説明されている本もありました。

他の収穫もあったと思う。あとで思いついたら追記します。

 紙芝居は、今年の絵芝居1月号(読者からの年賀状特集)の中に、やべみつのりさんが「紙しばいに新しい目 新しい風を」と書いておられました。他人事のように書いてしまって申し訳ないのですが、ちょっと停滞している感じは確かにあると思います。地域の民話にしても、作る方はきちんとしているし、レベルもきっと高いのでしょうが、どこか遠いところに行ってしまったよそのおばさんのような、そんな感じです。

そうそう、今日、久しぶりに『福をよぶ大うちわ』を他の人がやるのを見ました。結末句が、「どっとはれ」になっていて、自分でも冷や汗をかいています。言い訳めくけれど、暗唱型でずっとやってきた当時のことで、「どっとはれ」がすっかり自分の言葉になってしまっていました。図書館に入れたものはもう直せませんが、これから気をつけていきたいと思っています。きっとその時は、自分自身が「遠い所のよそのおばさん」だったのでしょう。

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