優良児童劇巡回等事業

毎日楽しみに見ています、事業仕分けの様子。初日はゆめ基金が廃止ということで、やっぱりなーという感じでした。厚生省と文部科学省がダブって同じ仕事をしている、市と国や県が同じことをしている、と思っていました。
 
優良児童劇巡回、というと短絡的に誤解されるかもしれないけれど、大人が子供と一緒に劇を作るんだよね。一方的に見せるものではない、という風に受け止めています。
 だから、絵本の読み聞かせや紙芝居も、一方的に大人が選んだ良いものをやって無理やり「共有」するものから、子ども体験型にすすめていったほうが、本来の目的に合うわけです。 ゆめ基金で豪華講師陣をそろえて読み手を養成するパターンが全国的に多いようですが、大人が上手に読むことに執着することから、子どもの人権を踏まえて子どもが自ら一歩踏み出せる機会づくりに修正していく必要があるかと思います。そのことを大人めいめいが、自分の思い込みを捨てる時期に、もうすでになってきている。

 厚生省と文科省が同じことをしている、ということを思う時に、5年くらい前に見たチラシを思い出します。新潟市が「ボランティアをしませんか」というようなチラシを作ったと思う。所管がはっきりしなくてすみません。「生涯学習」「福祉」「芸能」「文化」・・などと区分けがされていて、それぞれにいろいろな項目がイラスト混じりに書いてありました。実は、そのチラシに「絵本読み聞かせ」という項目が「生涯学習」「福祉」という二つのカテゴリーそれぞれに書かれていたのです。
 ずいぶん前に「やーね、あんなの福祉じゃないの」という言葉を発したボランティアのことを書きましたが、それが具体的に示されたものです。ボランティアは行政の考えを言葉に出した正直な人だったのですね。
 私は、このチラシを手にずいぶん悩みました。やっぱり二種類なのか、それじゃあ、本を区別(差別)してもしょうがないんか・・、ということです。当時は図書館は古典的良書と「古典になりそうな本」しか置いていなかったので、「図書館(生涯学習)は、地域文化を高級にする本」「福祉は、お楽しみ系の本」と「分けてやるんかな」と真剣に思いました。

 結局、幅広く収集するという考えでいろいろな絵本が棚に並ぶようになりました。ボランティアも図書館の指導に、異論を唱えるまではいかないけど、のらりくらりと自分の主張を通す人が増えてきたように思います。図書館員も幼稚園などの施設でも、トップに行けばいくほど頭が固まった人の割合が高いのですが、若い人ほど子ども文化と子どもの人権の知識を持って柔軟な本だなを作れる人が多いと思う。
 どうか、子どものありのままを認めることや、新しい研究を絶えず参考にすること、子ども自身が作り上げることに目を向けてください。役人の上昇志向にボランティアが巻き込まれることのないよう、ボランティア自身が「偉い先生」の言葉を客観的に批判しながら聴くことの重要性を唱えていきたいと思います。


 
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