社外講師って何

肩書の固有名詞を出させてもらいます。なんだか図書館がトスを上げて、私がスパイクをうつ、みたいな構図になっているような。そんなはずはないか。

①あまたある出版社の中で、「社外講師」というセールスマンを使っているのは福音館書店だけです。「講師」だから「セールスマン」とは違うのでしょうか。「講師」は「説明する人」とか、昔の感覚だと「先生(教授する人)」の意味があると思うのですが、何か世の中の人に教授するつもりでしょうか。「講師」は「セールスマン」より偉いの?職業に貴賎があるの?

②新潟市の読み聞かせボランティアは圧倒的に福音館書店の本を使うことが多いのです。その理由は、「福音館書店」関係者が新潟市近辺でご活躍することが多いということがまず第一。新聞社おすみつきの天下り絵本施設に関係しても、それらの方はご活躍だったことを新聞で見ました。それから、図書館が「読み継がれた本を読みましょう」という教育をしてきたことが第二。福音館書店は老舗なので、古くから存在する本に、福音館書店の本が多いのはあたりまえ。
 私がほんぽーとで以前、プログラムのつづりを見るのを断られたのは以前書きましたが、その前に、白根図書館の当時の館長が「福音館書店の本が多すぎる」と一喝した、という噂を聞きました。つまり、ほんぽーとに当時いた司書は、そういう事態を表ざたにしたくなかったのではないか、と思っています。あの時、つづりを出そうと必死だった若い司書、押しとどめようとする古参の司書、縦組織というのはつらいんだろうな、と思っています。(今は、見せてもらえます)

③セールスマンであれ、講師であれ、特定の出版社の人間がいつも講演に立つ、というのは「公共施設が権力者を作るの図」で、公的機関でやっちゃいけないことなんではないでしょうか。新潟市はそんなに福音館に肩入れしたいんでしょうか。外部組織の企画ならば仕方ないが、図書館がそれをやったらまずいんではないか。なにせ直営館だということを、われわれは支持しているのだから。
 もっと遡って考えれば、今までの状態は「思想的に福音館書店と東京子ども図書館の委託」みたいになっていた。つまり「思想を民間委託」していたのと同じ。
私は、この状態を、新しく新潟市に合併になった地域に広めることを、なんとしても止めたいと思っているのです。
 市の直営ならば、次はA社、次はB社、C社、・・・とやってほしい。個人的にはBL出版の編集者の意見も聞いてみたいが。

④「社外」についても。つまりこの講師の発言は、福音館に関係あるの?ないの?あるなら社外をはずせばいいし、ないなら福音館をはずせばいい。なんとか大樹に依りかかろういう意思が見えるような気がします。逆に、福音館書店はこの講師のありように責任をとってくれるのでしょうか。責任は取れないけど名前を貸しておくというのは、あまりに無責任では?

⑤日本に複数人いると思われるこの「福音館書店社外講師」ですが、それぞれはどのような研修を受けたり、どのような論文を書いているのでしょうか。どんな意思をもって講演をしているか、自分で主体的に情報公開をする義務があると思います。読み継がれた本を読みましょう、とか、「かけた愛情は自分に戻るはず」などという、なんの根拠もない論説では困ります。それどころか、「自分に戻る」つまり「自分の利益のために子育てしましょうね」みたいな自分さえよければという考えを広めるだけで、人間研究の学問にならないと思います。膨大な数の研究者がデーターを集め、現場で観察を繰り返し、情報を出して学生や現場とともに考えるから、世の中が前に進むんだと私は思います。

⑥今現在の「家庭文庫」の弊害や現状について冷静に研究すると、その道の第一人者になれると思うよ。『子どもの図書館』がどうして増刷されないのか、そこを語らなくちゃ。現実を見据えて研究する人になっていただきたい。

⑦以前、福音館書店のお偉いさんが来られたときは「子どもたちの意見、お客様の意見をよく聞いている」というようなことを仰っていました。つまり、福音館書店は、利用者・絵本を買う市民の意見を取り入れるために、なんだかの肩書をつけて情報収集にあたらせているのでしょうか。それならば、「講師」でなく「アンテナ係」でもいいんじゃないかと思います。関係者はもちろん国語の語感に敏感な方々ばかりでしょうから、上から押し付ける「講師」でなく、平たいイメージをつけて情報収集しやすいようにするでしょうね。

⑧確かに、どの方も語りはお上手なのでしょう。でも、皆が上手くなるように、他の語り手や講師を育てるのは教育者の仕事でもある。保育関係のスペシャリストがどうして出てこないのか、「保育」は「教育」より下と、誰かが思っているのではないでしょうか。

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