図書館・語り・紙芝居・集団相手の絵本よみ・ボランティアなどについて書きます。
絵解きボランティア
絵本好きな方々へ
「私たちは絵本が好き」と言う声をよく聞きます。だから、読み聞かせをしている、絵本だけを使って他の道具は使わない、というような流れになっていきます。
図書館では「絵本の読み聞かせ講座」をやりますから、初めての方は「絵本を読むんだな」と思って受講されます。
やがてやっていくにつれ「絵本の心を伝える」ことがステップアップになるように思え、朗読の技術の手ほどきに学習が動いていきます。「絵本好き」という人にとっては重要なことでしょう。もちろん「絵本を使って朗読を楽しむという趣味」はあって当たり前ですしね。そんなことで、おはなし会は「朗読発表会」になっていきます。そして現実は、学校に赴けば 子どもから「あーやっと終わった」とため息が出る状態です。完全に子どもに「聞くボランティア」をしてもらっている状態になります。「絵本好き」に付け加えて「絵本が好きな自分が好き」な状態ですから、自分の家の中で留まっているならまだしも、無関係な人にはちょっと迷惑ではないでしょうか。「絵本が好き」とさえ言ってしまえばそれ以上他からの意見を聞かなくてもいいし、聞き手の様子などどうでもいいというような、とても自己中心的な状態になります。同じように「昔話が好き」「〇〇が好き」と言い募ればいいわけです。これでは思考停止ですね。
ところで、やっている人がこれに問題を感じないのは何故だろうと、私はずっと思っていましたし、このブログにも書いてきました。その答えは「自分たちは良い本を手渡している。また、優れた読み方をしているのだから、聞き手に不満があっても仕方がない」ではないかと思います。流行りの言葉で言えば「マウンティング」で、高みに登って降りてこられない状態です。
特に朗読が得意な方は、間違った読み方を許すことができないのです。したり顔ならぬしたり声になっていきます。自分でも一時期そういうことがあったのでその気持ちはわかります。でも、朗読発表会はおはなし会ではないのです。
切り口を変える、という方法がいいんじゃないかと思います。実際にやるのは「おはなし会」なのですから、「おはなし会ボランティア入門講座」としてやれば、ボランティアの視野が広くなります。図書館資料を使っておはなし会をやる、というボランティアです。個別に読むのも、二人でおはなし会をするんだと思えばいいですし。おはなし会ですから、使うものは絵本だけとは限らないということに、ボランティアは気づくはずです。ただ、どうしても「読書推進」「本を読ませたい」という図書館側のプライドが邪魔をするかも知れませんね。それが状況を悪くしていった大きな原因なんじゃないでしょうか。それに「読み聞かせ」という言葉では、どうしても一方的に読む、という感じから逃げることができません。
10年以上も前になるでしょうか、こんなことがありました。黒埼図書館が改装になったとき、おはなしのへやで高校生がおしゃべりをしていたそうです。職員が様子を見に行くと、「おはなしのへや」だから「おはなししていていいと思った」などとと言ったそうです。それを伝え聞いたボランティアは笑いましたが、よく考えるとすごく核心を突く発言だったのだと思います。そして、今、とても必要とされている使い道のような気もします。図書館資料を使えとどうしても言いたくなるでしょう。そこに何か工夫はできないでしょうか。ほんぽーとの「いっしょによもうよとしょかんのほん」は、本なども読みますが、雑談したり赤ちゃんとあそんだり、「何かおはなししてていい」という雰囲気そのままですね。
« 『どーいんあ... | 個別読みの ... » |
コメント |
コメントはありません。 |
コメントを投稿する |
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません |