教育のこれからについて、いろいろな解説が出回っています。私がそれらの中でとても注目したのは、アクティブラーニングということです。
この言葉が言われる前から、聞き手選書をやってきましたが、子どもが自ら考え行動する中で学んでいくという趣旨に合っていると思っています。授業で、子どもが絵本を選ぶだけでなく、実際に読み聞かせを体験することもやるようになりました。絵本セミナーでは、子どもと一緒にお母さんやお父さんたちも一緒に無理なく声を出して読めるように工夫をしています。
そういうことを「時間がもったいない」と言われればそれまでですが、アクティブラーニングの教育の趣旨に沿っていることなんだけどな、とつぶやくことにします。ボランティアが自分たちでプログラムを決めるために話し合うのは、ボランティアにとってのアクティブラーニングであって、自分たちが優先しての学びなんですよね。その発表会を、図書館のおはなしのじかんや幼稚園などへの出前でやっている、ということです。
付け加えて、今までの図書館司書の指導だと、「良い本を子どもに押し付ける」ようになっているので、早く転換すればいいのになと思っています。図書館の「うちどく」のおすすめ絵本パンフレットが新しくなったので見たのですが、以前とあまり変わりがないようです。こういうのを作るのは図書館ですから、図書館がアクティブラーニングをした結果のパンフレットですよね。市民がラーニングしたわけではないのです。「うちどく」を前面に出すならば、より現実に沿って、カテゴリ―別にして、見る人のアクティブラーニングを促すとかに発想は転換できないでしょうか。
そして、別の見方ですが、この選書はあくまで基本的なものだというような説明がないと、これで反応しない子どもを、親が不安に思うようになると思うのです。パンフレットは最初のきっかけの「枠組み」を示す程度でどうでしょうか。それに、例の『イギリスとアイルランドの昔話』をリストに入れて「訳文が味わい深い」などと書いているのを見ると、市民の現実に寄り添おうという気持ちが全く感じられないのです。