脚本『さっさか さかなのすべりだい』

海の環境紙芝居シリーズ2
写真は画面⑩
 いけないんだ、すべりだいを逆にのぼってるよ

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『さっさか さかなのすべりだい』

      原案/豊かな海づくり大会にいがた大会推進室
      脚本・線画/石倉恵子

① むかしあるところに、こぐまのぽこちゃんとおじいちゃんのくまが 住んでいました。
ぽこちゃんは おじいちゃんぐまが大好きでしたが、おじいちゃんは どうも最近、元気がありません。
「おじいちゃん、どうしたの」
「おなかがすいたんじゃ。最近は、鮭をみかけなくなってな。」
(半分抜く)「えっ、酒(さけ↑) おかしいな、お父さんがみんな飲んじゃったのかな」

② 「いやいや、魚の鮭じゃ、昔は秋になると川に鮭がのぼってきて、腹いっぱいたべたもんだがな。
今はさっぱり来んのじゃ」

③ 「分かった、秋に川をのぼる、鮭だね。僕、探しにいってくる」
ぽこちゃんは、でかけていきました。

④ 「高い山を越えたし、低い山もすぎた。細い川が太くなってきたよ。底が深くて、これじゃ、さかなが見えないよ」

⑤ 「あ、看板が立っている。川の名前だな。なになに、みんな読める?ぼく、くまだからよめないよ。読んでみてね。(せーの)き っ ち り が わ」どこがきっちりしてるのかな、よし、双眼鏡で見てみよう。

⑥  あっ、きっちりコンクリートの壁が立ってるよ。魚がジャンプしてるけど、届かないよ。

⑦  「あれは鮭だよ」タヌキさんがやってきて言いました。
「壁は、ダムというものだよ。川の水を きっちりためておくために人間が作ったんだ。そうして田んぼに使ったり、洪水を防いだりするんだよ。でもね、そのせいで鮭は登れないんだ」「ふーん、水も深くて鮭に手がとどかないよ」

⑧ 「こりゃだめだ、ほかをさがそう。とこ とこ とこ、おや」

⑨ 「この川には鮭がいるよ。あぁ、またかんばんだ。みんな、また読んでくれる?
いい? す き ま が わ。ぎょ ど う あ り。 ぎょどうって、なにかな。
おや、何か音がするよ」 

⑩ 「バチャ・バチャ・バチャッ・さっさかさー、バチャ・バチャ・バチャッ・さっさかさー」
 「あっ、いけないんだ、水のすべり台を 逆に のぼってるよ。せんせいにいってやろ」

⑪ するとウサギさんが言いました。「これが、ぎょどうさ。川の横にすきまを作って 
斜めにしてあるんだ。鮭はここを逆にのぼっていくのさ。川の上流の 水がきれいなところでたまごが産めるように、作ってあるんだ。その他に、卵を別にとって、鮭が子どもになるまで人間が育てて川に返すこともあるんだよ。」
「へえ、この上のほうなら川が浅いから、鮭がとれるよ。おじいちゃんに持って帰れる。」

⑫ こうして、ぽこちゃんは鮭を一匹持ち帰りました。
「おじいちゃん、鮭だよ。あのね、すべりだいのある川とない川があってね、
これは、その すべりだいをのぼってきた 鮭だよ」
「よく、みつけたなあ、ぽこ、ありがとうなあ」おじいちゃんは、大喜び。
「うん、人間のためだけじゃなくて、魚のためにもすべりだいがあるといいね」
こうして、二人は鮭をお腹いっぱい食べたということです。



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