つれづれなるかも

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裏金の次は裏約束

2004-11-04 12:25:15 | 野球

ダイエーホークスの井口内野手が11月末日で自由契約となり、大リーグに挑戦することになりました。
丁度2塁手不足なヤンキース入団が有力視されています。
もし実現すれば世界のヤンキースで二人の日本人野手がプレーすることになりますね。
想像するとワクワクします。

しかしこの件、簡単には進まないと思われます。
現在日本のプロ野球選手が大リーグに挑戦するにはイチロー選手のように球団の合意を得てのポスティングによる入札での移籍、もしくは両松井選手のように日本でFAの権利を取得して堂々と挑戦する二つの道があります。
FAで大リーグに行かれてしまっては球団にはなんの見返りもありません。
よって球団はFAで出て行かれる前にポスティングによって選手を売ることが出来るわけです。
将来的にはFAによる移籍でもなんらかの移籍金が発生するようになったほうがいいと思うのですが、その話はまた今度にしておきましょう。

さて今回の井口選手はまだFAの権利を取得していません。
しかし本人のどうしても大リーグに挑戦したいという意向を尊重するのであれば、ルールどおりポスティングにかけるべきなのです。
ところが・・・井口選手は自由契約選手扱いになり、今後どこの球団(日本国内も含む)とも交渉が出来る自由な立場になりました。これではダイエーには一銭も入ってこないのです。去年引退を申し出てヤンキースを自由契約になったロケットことロジャー・クレメンスの件同様、元の球団にはなんのメリットもないのです(そう言えばクレメンス来日してますね、クレメンスの件は五輪野球も絡んできますのでまた後日に)。
そもそも井口選手は昨年もポスティングによる大リーグ移籍を希望していた経緯があります。
昨年は小久保選手を巨人に無償トレードで出したばかりで内野手が手薄だった球団はポスティングを諦めるように説得します。
そしてこの時、一年後には大リーグに挑戦させる、さらにその時点で「中内オーナーあるいは高塚前オーナー代行が退任した場合、井口が希望すれば自由契約選手とする」ということまで約束していたらしいのです。
よって今年9月に高塚前オーナー代行が辞任したため、井口選手は希望どおり自由契約選手になることを選んだのです。
ポスティングという制度は選手側には選択の余地がありません。
一番高額な移籍金を提示した球団に優先交渉権が与えられてしまうためです。
自由契約ならばどこと交渉しても井口選手の自由ですからね。
FA権を貰ったようなものです。
ではなぜダイエーは球団には利益にならないような約束を去年してしまったんでしょう。

その鍵はドラフトの逆指名にあります。井口選手は1996年のドラフトで逆指名をしてダイエーに1位で入団しています。このときに球団が井口選手に6年後のメジャー挑戦を裏約束していたらしいのです。
この約束をたてに昨年のポスティング話が出てきたのです。
そしてそれを守れない状況だったからこそ更なる裏約束で引き止めたわけです。
そう、またもや球界の膿が出てきてしまったわけです。

一場選手の裏金といい井口選手の裏約束といいやはり諸悪の根源は現行のドラフト制度にあるといっていいと思います。
いい加減膿を出し切って生まれ変わりましょうよ。

さて晴れて自由契約になった井口選手ですが、上でも書いたように簡単に希望の球団には入れないかもしれません。
大リーグではこういう掟破りの裏約束は通じない可能性があるからです。
そもそも自由契約選手とはもう球団が要らないとみなした選手のことですからね。
今回のような裏技を通用させてしまうと今後もそういう動きが出てしまいますし。
もし日本の他の球団が井口選手獲得に手を挙げてしまった場合大リーグ入りは難しくなるかもしれません。
案外来期は仙台のセカンドを守ってたりして・・・
今後に注目です。
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