神奈川絵美の「えみごのみ」

七夕のお茶会

横浜・元町の「じざいや」さんで
七夕にちなんだ夏のお茶会が、レクチャー付きで開かれるときき、
「ご一緒しませんか?」 お友達のSさんをお誘いした。


ピンクの絽の小紋に、野口の星の帯。
腹部分に小さく、北斗七星が。


帯はもちろん、七夕を意識して。
帯揚げも、スワロフスキーが天の川のように配された七夕仕様。

お友達のSさんは……

アースカラーの能登上布に、
優しいお色のグラデーションが印象的な、真栄城興茂さんの帯。


そして、この日のご亭主兼講師の方は……


春日流煎茶道師範であり、
和文化アドバイザー、和裁士etc.と多方面でご活躍中の
滝井ひかる先生。
涼しい目元の和風美人で、物腰も柔らかく、
とてもリラックスした楽しい時間を過ごさせていただきました。


この日の先生のお召し物は、20代で誂えたという絽のお着物。
「笹も入っていて、七夕の雰囲気に合うかな、と思って…」
そして、可愛い糸巻きの帯飾り


さて、お茶会のしつらいは……


じざいやさんの店内を利用してなので、多少変則だそうだが、
中国茶の流儀に似た、小さな茶碗と小さな急須。
ガラスが涼を呼ぶ。
手前のお盆にちょこんとのった、かたつむりが可愛い


アングルを変えて……
やや奥の左端は茶入れ、その隣の竹製のものは茶量(茶計)。
そして緑色のお盆はご覧のとおり、真ん中がぴったり合わさるようになっており、
「これも七夕に丁度良いと思って」
波にも見えることから、端午の節句時のお茶会にも活躍するそう。


そして、箪笥の上を利用した「文房飾り(または文宝飾り)」。
お煎茶の茶会もお抹茶と同じく
「掛け軸、お香(線香)、茶花」がお床には重要だそうだが、
その内容は文人趣味が強く、ちょっと洒落の効いているしつらいが
喜ばれるそう。

七夕は、一説には裁縫・書道・芸事の上達を願う日でもあるそうで、
筆や硯が飾られているのはそのため。
また、昔は七夕の願い事を梶の葉に書いたとされていることから、ここにも梶の葉が。


お点前の写真はありませんが、
お菓子を撮らせていただきました。

こちらはじざいやさんが用意したもので、
ややしっかりした食感の、あずきの水羊羹に、寒天で天の川。

お茶会の進行は、こちらも中国茶に似ていて、
冷茶が二煎出され、一煎目と二煎目の間にお菓子をいただく。
濃いめに淹れたお茶を、氷の入った急須に移して冷やし、少し薄めるという
手のかかった淹れ方で、
一煎目はまろやか、二煎目はお菓子の後なのでスッキリと、同じ茶葉なのに
味わいに違いがあり、どちらも美味しかった。
「お茶を淹れるとき、手首を返すと(急須が揺れて)雑味が出てしまうので」
一度入れ始めたら手首は返さず、多少お盆にこぼれても構わず、
複数の茶碗に注いでいく。


これは二煎の冷茶の後に、スペシャルでふるまわれた玉露。
何と、2~3時間前から、茶葉に氷をのせて、その水分にお茶のエキスを
うつしたのだそう。
とても濃厚で、苦味が一切なく、口の中に香りが広がるようでした。


七夕にまつわるお話を他にもたくさん伺ったのですが、
長くなってしまうので、いつか別の機会に……。
これだけ「七夕尽くし」のしつらいや着物に囲まれて、
もう、天に向かって願い事を……なんてけなげな心を忘れてしまった私も
ちょっと夢見るような、少し子どもに戻ったような
心弾むひとときを過ごすことができました。


今回の参加者&先生と記念写真。
滝井先生、じざいやさん、ありがとうございました。

コメント一覧

神奈川絵美
とうこさんへ
こんにちは
この着物のピンクも少しグレイッシュですし、
比較的涼しく見える色の取り合わせなんでしょうね。

和文化に親しむには、習い事をしたり、伝統芸能を見たり、とさまざまな機会がありますが、
四季折々の行事について知ったり、参加したり、
というのは確かに滝井先生がおっしゃる通り、
ベーシックかつ手軽な方法かも、と思っています
とうこ
七夕にピッタリな涼やかで夜空の天の川の中にたたずむようなコーデ、素敵です。
絵美さん、とても涼しく見えてホント、夏着物着たくなります。
四季の色々な行事は、体にも心にも理にかなった良さがありますね。
神奈川絵美
りらさんへ
こんにちは~
お茶道具、あまり格式ばらず
しゃれっ気のあるのがいいですよね。

こちらは連日33℃、34℃で早くもバテ気味
りらさんもご自愛なさってくださいね。
りら
ご無沙汰でした~
まだまだ落ち着かない日が続いているのですが・・・・

ホント!夏らしく涼しげで・・・
雛道具とでも言いたいようなお道具が素敵ですねぇ。
皆さまのお召し物も、涼しげな夏仕様で、拝見するだけで和みます~。
神奈川絵美
Tomokoさんへ
こんにちは
毎日暑いですねぇ。
>道具立てもキュートで
そうそう、そうなんです。
「おままごと度」が高いというか
滝井先生が、和文化を知るには、
日本の歳時記、年中行事を知ることが大事、と
おっしゃっていましたが、
こうしてみなと一緒に過ごすと、より理解も
深まるような気がします。
Tomoko
お暑うございます~。
お道具だとか見るからに涼しげで、ワクワクしちゃいますねえ。
煎茶道、昨秋お茶会に参加してみて、
堅苦しさもなく道具立てもキュートで、いいものだなあ~、と。
季節の歳時も、こんな風に開催して人を招いて寛いでもらうなんていうのは、もはや功徳ですよね(笑)。
うちも中はいつもワヤですよ~(いつも反省だけ)
神奈川絵美
香子さんへ
こんにちは
もうおなじ、おんなじ!(笑)
自宅では七夕のたの字もなく…。
でもこうして、チェストの上にちょっと「らしく」
飾るだけでも季節感が出ていいですよね。
見習いたいと思います(いつも思うだけなんですが
神奈川絵美
みぃさんへ
こんにちは
ここ関東はいきなりの猛暑ですが、
そちらはいかがでしょうか。
いやー私も普段は全然優雅でなくて
束の間の、楽しいひとときでした。
神奈川絵美
風子さんへ
こんにちは
これでもずいぶん(記事を)端折ってしまって…
滝井先生からは、七夕になぜ素麺を食べるの?とか
笹は何のために飾るの? とか
いろいろな豆知識を教えていただき、とても勉強に
なりました

そうそう、今回は帯も着物も、青梅の白木屋呉服店さんで
いただいたものなんですよ
香子
梅雨明けとともに一気に真夏になりましたね~。
別の七夕系イベントに参加したのですが
ワタシは身体が追いつかず、
週末は洗える一揃いにしました (^-^;;
(根性無しです…笑)
ワタシなぞは、こうした伝統行事のイベントに参加して安心し、
自宅では何もせず…であります(笑)
みぃ
☆七夕モード☆
優雅な時を過ごしていますね。
いつも見習いたいと思っているのですが
家族の事をしていると、自分の時間が無くなります。
それでも「シ・ア・ワ・セ!シ・ア・ワ・セ!」と呟きながら
親、子、孫に振り回されています (-_-;)
サ~!今日も頑張るぞ!
いつもありがとうございます。
風子
いらしたのですね、この御茶会。
とても素敵な会みたい 行きたいなあって思っていましたが、なんせそうそうは行けません。

様子がよくわかって 目で楽しませていただきました。
絵美さんの一揃え、もうほんとにこの日にぴったり!!
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