表参道駅近くで開催された
漢方セミナーに出席後、
南青山6丁目にある、伊勢半本店 紅ミュージアムへ。
私、恥ずかしながら、
紅がこのような玉虫色をしているのを、
この日初めて知りました。
お店の人の話では、
粒子が非常に細かい染料なので、
光をよく反射し、補色である緑色が強く出るんだそう。
水で溶くと、紅本来の赤がにじみ出てきます。
紅をつけていただいて、記念撮影。
顔色がとてもよく見える赤でしたが、
油分を含まないため、冬場は乾燥しそう…
(リップクリームを上から重ねてくださいましたが、
私の場合はそれでも、つっぱり感が残り)
さて、お目当てはコチラ。
(会期は終了しています)
伊東深水のスケッチ画が展示されているというので
ちょうどセミナーで近くまで行くし、ついでに…と、
割と軽い気持ちで寄った。
でも、予想以上に面白かった。
伊東深水が描く女性たちは
芸事を生業としている人がほとんどということも
あってか、
まなざしがクールで、たたずまいにも落ち着きがある。
鏑木清方に師事し、ほどなく
頭角をあらわし、
あの横山大観をして「筆さばきが見事」といわしめただけあり
絵の才能は抜きんでていたのだろう。
こちらは
エキゾティックなスケッチで、
ピカソの影響が見てとれる作品。
解説によると、中央の重なった2人は、
最初、「顔を一つに」描くつもりでいたそう。
でも、「それは気障ではないか」と思い直し、
一人ひとり、描き分けることに。
一つにしてしまうと、いかにもピカソライクになって
しまうので、
結果、良かったのではないかなーと素人ながら、思う。
かなりびっくりしたのが、
師匠である鏑木清方と、伊東深水の没年が同じだったこと。
鏑木清方は93歳まで生きたとのことで(水木しげるさんと同じ年ですね)、
たくさんの門人を抱え、戦中戦後の日本画、美人画界の
名実ともに重鎮。
残念ながら、この展示で私が一番心に残った作品は、
図録冊子にはなく、ネットでも検索できなかった。
「聞香」というタイトルのスケッチだ。
深水 57歳の作品。
聞香といえば
これも深水の作品の一部なのだけど、
このような所作で香りをきくのが普通だ。
でも、私が観た「聞香」のスケッチでは……
長襦袢姿の女性が正座し、
前をはだけて…つまり袖を通さず、
身体の前で香炉を持ち
顔を寄せようとしている、というポーズ。
視線は伏し目がちで香炉を見ており、
そのまなざしは他の女性画と同じように、
冷静で思慮深い感じなのだけど、
他とは違った、何ともいえない色気が、
特別な人にしか見せないような、色気が
そのスケッチからは漂っていた。
ああ、こんなポーズがさまになる、
女性になりたい・・・
思わずそんな、妄想がよぎったけれども。
そもそも聞香をしたこともない人間が、
襦袢だけを着て前をはだけ、香炉を…なんて
シチュエーションなど、演技すらできるはずもなく、
仮にそんな機会があっても、
ゲルマン魂の持ち主では
色気のいの字も、醸し出せないに違いない。
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