(前回の続き)

さて、渋谷の文化村ザ・ミュージアムで開催中の
暁斎展。
ロンドンの画商イスラエル・ゴールドマンのコレクションによる
展示で、
外国人から見た浮世絵の魅力、といった切り口でも楽しめます。
河鍋暁斎(1831-1889)。
江戸から明治の時代の荒波を、画力で乗り切った人。
私、鑑賞前は「怖い幽霊を描く人」との認識しかなかったのですが(すみません)、
動物を人間のように描き
外国人を日本画で描き
(明治維新当時は、浮世絵師の中では暁斎くらいしかいなかったそう)
あの世の人々(?)も自在に描き で
鑑賞後、私の中での暁斎評は
「あらゆる境界をやすやすと越える人」
になりました。
もう一つ、特筆すべきは
この人、とにかくセンスが良い!
柴田是真とほぼ同時代なのかな。是真と共通するセンスがあるなあ、とつくづく。
この展示で、私がもっともインパクトを受けたのは
この絵でした。
↓

雨中さき(サギ)。
サギ、太っているけど…。この絵、現代のグラフィックアートに
あってもおかしくないような。
とても江戸・明治時代の絵とは思えない…。
特に動物好きさんにはおススメの展示です。幽霊・妖怪好きさんにも。
(自分の奥さんの亡骸を描写したという幽霊の絵、怖かったです)
国芳とはまた違う画風で、比較するのも面白いです。
※暁斎展は4月16日まで。公式サイトはコチラ。
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次は日本民藝館(会期は終了しています)。

民藝運動の作家展は、これまで何度か観ていて、
私のお気に入りベスト3は
芹澤けい介、富本憲吉、そして黒田辰秋なのですが、
(ハマショーこと濱田庄司も、祖父が買っていた縁で-益子焼なので-
親近感はあります)
今回はネームバリュー的にファーストコールになることの少ない
片野元彦、舩木研兒、金城次郎…といった作家さんの作品に
眼が留まりました。

片野元彦の藍染。

金城次郎、鈴木繁男

こちらは黒田辰秋。
お馴染みのお花の彫、大好きです。

こちらは柚木沙弥郎さん。
余談ですが、民藝館の売店に置いてある
柚木さんデザインの布巾が私、大好きで


これです!
この日もデザイン違いを何枚か
いただこうと楽しみにしていたのに、
人気のお品らしく、売り切れていました…


泣く子もだまる芹澤けい介、そして棟方志功。

民藝運動の広報冊子『民藝』2017年1月号の表紙。
黒田辰秋のテーブルに河井寛次郎、バーナード・リーチ等、
味わいある陶器の数々。
この写真では見えませんが、一番奥にある
ミルキーグリーン×白のティーカップ&ソーサーが
濱田庄司作で、
とても柔和な表情かつグリーンがモダンで、
印象に残りました。
彼の代名詞ともいえる大皿も館内にたくさん展示してあり、
圧倒されました。
「用の美」の作品たちは温かみがあって、おおらかで
見ていて癒されます
