午前中、本降りの雨模様だった空も
昼からはこんなに澄み渡り。
(撮影 岡田知子さん)
自然の恵みで、雫がキラキラ光る
お茶会には理想の景色となりました。
今回、ご一緒したのは……
イラストレーター 岡田知子さんと、夏のミュージカル以来かな?のYさん。
知子さんは明るい金茶色の色無地、Yさんは優しい赤味のある焦げ茶の訪問着。
お二方とも、お太鼓の形が綺麗
お昼ごはんの後に、晴れた空の下で撮影大会。
左下にYさんの影が写っている、この日唯一のスリーショット
さて、お席の方は……
雨が残る午前中に、表千家のお薄の大寄せへ。
お軸は「白珪尚可磨」。
清らかな玉はさらに磨く努力をすべし、というような意味で、
名前を失念してしまいましたが(椿の仲間)、
ちょうどこの白い珠のような丸いお花と呼応するような文言。
お道具も、お釜は確か七宝の彫柄があったり、
衝立も山水画の名作を模していたりなど、一つひとつじっくり
鑑賞したい名品揃いでした。
そして、陽が射してから富士見亭へ、こちらは立礼です。
この眺め!
五島慶太氏が亡くなる2年前に造ったお茶室だそうで、
「最後のさいごに、本当に趣味的な(本人が愉しみたい)
茶室を造ったということなのでしょうか」と、席主の佐藤宗香先生。
まるで景色が一つの舞台のよう。
お釜から立ち上る湯気が、背景と重なり合い溶けていくようで
内と外の境界が、あいまいになる感覚を得ました。
現実だけど、現実でないような、
夢ではないけれど、夢のような。
畳にゆらゆらと映る影すらも、幻想的。
うっとりとしてしまいました。
写っていませんが、撮影側には赤味を帯びたテーブルがあり、
お客はまさに、舞台を眺めるような格好で着席し、お茶をいただきます。
出されたお菓子は
富山銘菓の鹿の子餅。ふわふわのマシュマロのよう。
「食べにくいのですが、美味しくて惚れ込んで、この柔らかさも
ぜひ楽しんでいただきたいと思って」
佐藤先生の選ぶお菓子はいつも本当に美味しいのです。
お茶碗は、写真はありませんが正客~三客まで唐津焼。
いずれも白っぽい肌で、先生いわく「赤味のあるテーブルに
沈まないよう」お菓子ともに、配色を考慮したそう。
お軸は「松風」。
お釜のお湯が沸くさまをあらわした言葉で、
先生いわく「このお席は、景色が主役なので、お軸はあえて
シンプルにしました」とのこと。
こうした細部にわたる心遣いを知るにつけ
私も人に対してやさしくありたい、
丁寧に思いやれる人でありたい、と素直に思います。
「心が喜ぶ」って、こういうことなんだな、と
今年も再認識したお茶会でした。
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