神奈川絵美の「えみごのみ」

景色は手の中に - 五島美術館にて -

(前回の続き)

この日は本当に天気が良くて

清々しい空気と光がここ五島美術館の庭を
包み込むかのよう。

この日ご一緒したKKさんは

この気候、気温にベストマッチな大島紬に
切嵌め調の更紗帯。
この一枚、実は二子玉川駅のホームで別れ際、
電車が入線してから慌てて撮ったもの。
コーデ全容はぜひ、KKさんのブログをご覧くださいね。

さて、
今回のテーマは古裂ということで
江戸時代を中心に、名だたる藩主や茶人の蒐集品がズラリ。

こちらは松平不昧伝来。


そしてこちらは小堀遠州伝来。

私の先入観なのかも知れないけれど
やっぱり小堀遠州はちょっと洒落っ気があり
松平の方はシックで堅実な感じがします。

こちらは

伊達家伝来。ペルシアやインドなど舶来の
織物が多く、当時たいへん珍重されていたのではと。

なるほどなあと考えさせられたのは
江戸後期になり印刷技術が広まると
布そのものを貼るだけでなく
布を絵に描いて印刷物として残っている資料が増えてくること。
現代もそうですがデバイスやツールが変われば
記録の仕方も変わっていくよなあ、と。
個人的にはやっぱり、「実物」をどんな細い小さい布切れだとしても
そのまま貼ってつくられた資料の方が見ごたえありますが……。

今回はお仕覆もいろいろあり
茶入れもいくつか展示されていました。
KKさんと私が、印象に残った逸品として意見の合ったのが

月迫という銘の茶入れ。

私、これまでは茶入れを観るとき
形の方に注目しがちだったのですが
この縦に主張する釉薬に目を奪われて。

また

こちらは普段 根津美術館にある
相坂という銘の茶入れ。
こちらは茶人によって、どこを正面にするかが違うそう。
それだけ複雑で奥深い「景色」がある、ということなのでしょう。

西欧にもミニチュアなど細部にこだわる
ハンドクラフトやアートはあるけれど
あの曜変天目しかり、工芸に景色や世界を見出す価値観は
東洋の方が強いように、個人的には思います。

どちらかといえばこじんまりしている美術館ですが
今回は特に展示数が多く、充実したひとときでした。

上野毛から歩いて二子玉川へ移動し

人気の和スイーツのお店で
和栗のモンブランと冷茶。


甘すぎず、クリームも重くなく
とても美味しかったです。

KKさん、お誘いくださりありがとうございました💕

コメント一覧

kanagawa_emi
>香子 さんへ
こんにちは! 実に気持ちの良いお出かけでしたねぇ。
月迫のこのリズムというか、ストーリーすら
感じさせるたたずまいに感じ入りました。
数百年の時を経ても、美しいものは美しいですよね。
kanagawa_emi
>まるたけ さんへ
こんにちは! 
叶いませんが、お茶席のときのように、
手にとって拝見したいものですよね。
私もこの展覧会でいろいろな茶入れを
眺めていたら、暗示にかかったようで(笑)
うちにも茶入れが欲しい!なんて思えてきました。

まるたけさんの茶杓の銘もとても素敵^^
香子
こちらこそ、お付き合いありがとうございました。
ホント、いいお天気で良かったです〜♪
『月迫』の画像ありがとうございます。
そうそうこれこれ☆
釉薬の流れ具合と形がいいですよね〜(^-^)b
まるたけ
うわ~、羨ましい展示!身の乗り出して拝見させてもらいました。
仰る通り、肩衝の方、釉薬がよい景色。文琳?丸みが素敵。
いずれも手に取って拝見したいくらいです。
絵美さんの型絵染、素晴らしいですよね。よいものはよいです。
まだまだ眠っている?着物、どんどん見せて下さいね。
「銘」も参考になります。
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