神奈川絵美の「えみごのみ」

春の挨拶 - 三井記念美術館 -

3年ほど前からだったか、
年が明けると、日本橋の三井記念美術館へ足を運び
同家に伝わる茶道具を愛で、円山応挙の「雪松図」に心を寄せるのが
恒例行事になったのは。


何度も観ている所蔵品も、いくつもあるのだけど、
新しい年を迎え一層、晴れ晴れとしたたたずまいに、
「おめでとうございます」
まるで知り合いにそうするかのように、
挨拶をする。心の中で。
すると不思議と、茶碗も器も屏風絵も
-例えば鳥が描かれていたなら、それがさえずるかのように-
「おめでとうございます」と返してくれる気がして。
そんな都合の良い想像が快く許される、初春のひととき。

今年は楽茶碗の展示が充実していて

こちらは江戸時代の「銘四ツ目」。
残念ながら、写真では精鋭さを増した四角い縁や、
黒の艶が伝わらなくて……。

もう一つ、心惹かれたのは同じく江戸時代(享保)の
六代左入作 「銘小鳥」。
名前のイメージ通り、小ぶりでちょっと丸みや厚みがあり、
縁が少し内側に入っているところも、柔らかく優しい印象。
四ツ目は展示室4、小鳥は展示室5にありますので、
これから行かれる方は、同じ黒楽茶碗でも180度といっていいくらいの
趣の違い、楽しんでみてくださいね。

今回の展示で、私は初めて黒楽茶碗の鑑賞を“面白い”と感じた。
一つひとつ、表情が違うものだなあ……。


2月からは、おひなさまの展示も始まります。
テーマは「宴のうつわ」とのことで、今年は観に行こうかな……。
三井記念美術館のHPはコチラ


同じ日に、エルメス銀座店の8階ギャラリーで
こんな展示も観てきた。

フランスのコンテンポラリーアーティスト、クリスチャン・ボヌフォワ。
アンリ・マティスに影響を受けて芸術の道に入ったそうで、
なるほどモチーフやフォルムは似ているかなあ。
でも色遣いは淡色が目立って、マティスのそれとは違うような。
(素人の感想です)
2月28日までの開催で、入場無料なので銀ブラのついでにいかがでしょう。
HPはコチラ

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東京では、これから春先にかけて、美術展が目白押し。
私がぜーったい観に行きたいのは

山種美術館の「Kawaii日本美術」。
野崎真一(江戸琳派の鈴木其一の弟子)や、確か東北でも展示された伊藤若冲の絵
(2月4日以降だそう)など、見どころたくさん。
HPはコチラ

あと、

日本美術の蒐集で有名なクリーブランド美術館の展示。
国立博物館にて。
HPはコチラ

できれば観に行ってみたいのが

出光美術館での板谷波山、没後50年の大回顧展。
洗練された美の世界に浸りたーい。
HPはコチラ


ホテルオークラそばの大倉集古館でも、
尾形光琳や能装束の展示があるそう。
HPはコチラ


いずれも和文化との接点が大きい展覧会なので、
ご興味のある方はチェックしてみてくださいね。

コメント一覧

神奈川絵美
straycatさんへ
こんにちは
そうですね、あと10日足らずなのでチャンスあれば
ぜひぜひ。
でも基本的に三井家の所蔵品なので、また展示の
機会はあると思います。俊寛なんて私、4回くらい
観てる(笑)。

ほかにも、朝鮮時代の古三島や、高麗、粉引、
御所丸茶碗(←これは如庵を模した茶室に展示)も
良かったですよ~
straycat
ああ、早くしないと楽茶碗の展示終ってしまいますね。
あれもこれも見たいけど、何か一点に絞らなければ・・
う~ん、とりあえず楽茶碗!(応挙も見れるし)
茶碗には銘もついているのですね。
由来を知るのも面白そう。
神奈川絵美
風子さんへ
こんにちは
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします

小鳥、色は黒なんですが、大きさと形が
可愛いのです。
こう、両手で包み込んでしまいたい感じ
ネットで画像検索しても出てこなくて、残念…。
縁が少し内側に入っているところは、有名な
「俊寛」に似ています。
左入のお気に入りだったそうですよ。
風子
小鳥 ってお茶碗 どんなのかなあ、手に取ってみたいなあ、と。
銘 って不思議なものもけっこうあって楽しいですね。

遅くなりましたが 今年もよろしくお願いいたします。
神奈川絵美
sognoさんへ
こんにちは
ボヌフォア、無料ですしオシャレなロケーションですし、
作品もなかなか、バラエティに富んでいて、
面白かったですよ。
インタビュー映像なんかも、流れていました。
マティスの影響を受けつつ、そこにコラージュの技法を
積極的に取り入れた方のようです。

山種も面白そうですよね!
日本画の「かわいい」って、ともするとちょっと
「不気味」テイストのものもありますけど、
今回の展示は(観る人の感性にもよると
思いますが)、文字通り「かわいい」寄りの展示が
多いようです。
神奈川絵美
yukikoさんへ
こんにちは
わーすごいすごい、私もチケット運に
あやかりたいでーす
1年ちょっと前に、世田谷で
豊臣家から伊達家へ受け継がれた茶碗を
観る機会がありまして、
土ものなのによく壊れないでここまで
きたなあーなんて、思ってしまいました
物言わぬ、歴史の証人ですよね。
sogno
わあ~、情報がいっぱい!嬉しいなあ。
一番気になったのがクリスチャン・ボヌフォア
展。昨日銀座に行ったのになあ・・残念です。
でもまだ大丈夫そうですね。

山種さんの熊谷守一、谷内六郎もいいですね~

yukiko
幸運にも三井記念のこの展示と松屋の草野先生の刺繍展のチケットをいただいちゃったので、先週ハシゴして見てきました(実はその前は歌舞伎座にいたという盛り沢山な一日でした)
この前お話しした根津の井戸茶碗を見たときもそうでしたが、このお茶碗をもしかしたらあの人、この人が手にして飲んでいたのかしらん....と妄想しながら見てきました(^^;)

神奈川絵美
とうこさんへ
こんにちは
いやー人間、アウトプットばかりでは枯渇しますから、
どうぞ休養日をつくってくださいね。
それにしても、和ものつながりの展示だけでも
ざっとこれだけあるのですから、悩ましいですよね。
渋谷では西洋絵画のシャヴァンヌも開催中だし…。
神奈川絵美
香子さんへ
こんにちは
わっ、いいなーチケット代もいろいろ通い詰めると
ばかになりませんものね。
応挙の屏風絵はぜひ、展示室中央あたりから
眺めてみてくださいな~3D効果抜群です

Kawaiiも当たるといいですねー。私ももっと、
懸賞を活用したいと思います。
とうこ
行きます!!絶対!!
もう、自分が無くなりそうなくらい忙しく・・・絶対休みを1日とってやる~~と家で騒いでいる私。。。
東京へプチ家出??しよー!(笑)
香子
三井はこれから行くので楽しみです。
(週刊誌のプレゼントでチケット当たりました)
kawaiiも別の週刊誌に応募してるんですよ。
当たるといいなあ♪
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