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着物友達のTomokoさんにお願いし、初めて伺った「時代布 池田」。
ランチをいただいた「テオドーラ」の、道路を挟んでほとんど真向かいにあった。
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デパートでの大々的な展示会のイメージがあったからだろうか、
私は今まで、このお店は敷居が高いと思い込んでいた。
アンティークを着慣れた凄いツウの人とか、ギョーカイの人とか、
そういう客層が日常的にいるような店内を想像していたのだ。
だけど実際には、どう書いていいかわからないほど「普通」のたたずまいだった。
ただ一点、店の奥に池田重子さんがいらっしゃる、ということを除いては。
もっと広いところで、箱ごと出して見てくださいね、と、
店の隅の棚から帯揚げを何本か出し入れしていた私に、おっとりとした声が・・・・・。
そのときは主がわからず、振り返って「ありがとうございます」と返事をしたとき
目と目が合い、そこでようやく・・・。
「きれいなお着物ね」優しい視線にオーラを感じた。
そして少しの間、Tomokoさんが池田さんとの共通の知人の話をして、
まあ、そうなの、お知り合いなの、と和やかなムードになる。
このお店では、池田さんもスタッフの方も客にそう積極的には話しかけてこない
(少なくともこの日はそうだった)。
だからといってよそよそしいわけでは決してなく
「どうぞ、好きなだけゆっくり見てください」という無言の空気が店内に漂っている。
その空気に甘えて、はっと気がつけば2時間近くも長居してしまった。
着物や帯にも当然関心はあったのだけど、
この日は病み上がりで長く立っていられず、座ったまま小物選びに集中。
いただいたのは・・・
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画像が暗めで残念だけど、
薄い桃色のぼかしに桜の花びらのような地紋&絞りが入った帯揚げと、
やはり柔らかい緑系のぼかしの帯揚げ。
三部紐に14金の木の葉型の帯留め。
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そして紋織りの綸子の半衿。
蝶の絞りが入っている。
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合わせようとするもののイメージが固まっていないまま、
個性に惹かれ、いただいてしまった
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さて、どうしよう・・・。
デパートの展示会では、たくさんの時代着物を前に、
あれもステキ、これも着てみたいなどと好き勝手言っていたのに、
いざとなると、半衿一枚で思案に暮れてしまうようでは
まだまだアンティークのアの字にも手がかかっていないなあ。