神奈川絵美の「えみごのみ」

トニーは優男


ここは…
渋谷ヒカリエ11Fからの眺め。
遠くのビル群が、蜃気楼のようにゆらめく。

何といっても、この日の気温、34℃。


シアターの外はこんな吹き抜け&ガラス張りで
オシャレなのだが、あ、暑い……。
ここはカフェバーにもなっているのだが、
みな、グラスやカップを持ちながら日陰を求めて移動


さて、記念公演の「ウエスト・サイド・ストーリー」(WSS)

世界各国で星の数ほど上演されてきた同演目だが、
これは1957年にブロードウェイで初演された
オリジナルのリバイバル版というのが売り。
キャストもみな、向こうからやってきた。

リバイバルといっても、完全復刻ではなく、
随所に手が加えられている。
すべてをここに書くことはしないが、一つだけ言うなら
ラストシーンが……。何だか「えっ、これで終わり?」と言いたくなるよな
さりげなさすぎる幕切れだった。


WSSといえば私にとっては
やはり偉大なる巨匠レナード・バーンスタインの音楽が大きな魅力。
チャチャやマンボといった変則リズムや変拍子に
こんな美しく親しみやすいメロディーをのせるなんて、やっぱりすごいなーと再認識。

で、歌の方なのだけど…(あくまでビギナーの感想です)
トニーとマリアは初演時のピュアで垢抜ける一歩手前のような
キャラクターに近くて好印象だが、
トニーの歌が、地声と裏声の境目あたりの中間音になると
どうも声量が落ちてなよっとした感じになり、微妙……。
有名な「Maria」や「Tonight」は、期待が大きい分、
気分的に盛り上がりたいのに、今一つ!だった。

「Tonight」はキーが複雑に上下しながら進む歌で、
一番よりは二番、二番よりはそのあと、と、
トニーがたくましく安定感のある声に。
たぶん、転調を繰り返すうち、彼が得意なキーになっていくのかな。
これも、演出効果の一つかしら、と思ってしまった

マリアは「I feel pretty」が生き生きしていて良かったな。
最後のハイトーンで伸ばすところの音程がずれていたけど…。

今回、良さが際立っていたのはアニタ。
「America」で見せたR&Bのノリも声量もばっちりはまってました。


今回は2階席の端で、さすがに舞台が遠く
(オペラグラスのレンタルもあったようなのですが
場所がわからず、つくづく残念)
キャストの表情や細かな動き、演出まではよくわかりませんでした。
でも、バーンスタインの名曲が生音で聴けただけでも十分
カウベルが印象的。こういうパーカッション使いも初演当時は斬新だったのでは…。
バスクラの音もよく聞こえたけれど、クレジットがないので、
演奏はキーボードだったのかな。
シアターの音響も良いと思いましたが、もっと舞台ツウの人の
意見を参考にしてくださいね。

コメント一覧

神奈川絵美
yukikoさんへ
こんにちは
わーい、トリビアのおすそ分け、ありがとうございます
佐渡さんの指揮も観たいなあ。
いろんな人の声を聴くと、WSS=ジョージ・チャキリスは鉄板なのかな。シャークス/ジェッツ両方のリーダーを務めたなんて、やっぱりダンスも演技も見栄えがしたのでしょうね。
神奈川絵美
U1さんへ
こんにちは
ヒカリエ、私もシアター以外のフロアはよくわからないのですが、東京にいらっしゃるのでしたら、話のタネに良いかも知れませんね。
WSS、初演が1957年とのことですから、半世紀以上の歴史……。いつの時代にも、人を惹きつける魅力がある証でしょうね。
yukiko
こんにちは。土曜日の夜に夫と見てきました。
シアターオーブ、夜景がきれい
夜はオシャレな天空の劇場です。

何しろ私たち夫婦はWSS大好き、映画もビデオ/DVDを何度も見ているため、吹き替えだろうが別物だろうが(笑)、
WSSと言えば、あの映画!休憩時間に夫が
「”Cool”が歌われるのはあそこじゃない」とか、映画とちゃうところが気になって、見終わってからも「映画、もう一回見たい・・・」
で、昨晩、うちでDVD鑑賞したり、舞台版のレコード聴いたり。その後はもうWSSトリビア(爆)

9月に有楽町でやる佐渡さん指揮のオケと映画の映像のほうも見たくなったようですが、夫は出張のため断念。
これ↑と同じイベントのNYの劇場ではチャキリスとリフ役のラス・タンブリンが仲良く並んで鑑賞していたとか。そういえば、ラス・タンブリンは円谷プロの怪獣映画に出てたよねなどと、
週末はWSS祭りでありました(^ ^; ;

なお、チャキリスはロンドン・ウェストエンドの劇場ではジェット団のリフも演じたことがあるらしいです(トリビアの一部)まだ70代後半みたい。我々にとっては彼あってのWSSなのでした。
舞台の感想はstraycatさんの鑑賞後にでも(^ _-)
U1
http://blog.goo.ne.jp/u11953
渋谷ヒカリエは気になるスポットです。
来月東京するので、時間があれば行ってみようと思います。
ウエストサイドストーリーですか、懐かしいです。
それだけ長続きするということも凄いですね。
神奈川絵美
朋百香さんへ
こんにちは
そうでしたか、失礼いたしました…! キャストも自分の中で混乱してしまっていて。ベルナルドだったのですね。
昔の写真を夫が検索して、見せてくれたのですが、見せ場のダンスで足がキュっと上にあがってカッコいいですね。

それにしても、後になって吹き替えを知らされるなんて…そりゃ怒りますよねぇ
朋百香
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
やだ~、生きてますよ~。今回の公演の
為に来日したみたいです。劇場のテープカットしてましたから。
それと、ごめんなさい、私言葉が足りなくて、ジョージ・チャキリスはトニー役でなくて、ベルナルドの方です。
もうひとつ、マリア役のナタリー・ウッドは撮影終了後に初めて自分の声が使われないと知って、激怒したそうです。
そりゃそうですよね(笑)
当時では当たり前だった歌の吹き替えですが、バーンスタインさんは随分、苦労して、自腹をきって問題を解決したそうです。作品にもいろいろな物語があるんですね~。
神奈川絵美
straycatさんへ
拙いレポを読んでくださりありがとうございます
Maria、確かに難しそうですね…最初から、あまり朗々と歌い上げるナンバーではない、と思っていれば、今回のトニーのもよかったのかな。
マリアは、声の出し方などはオーセンティックで良かったと思いました。
アニタは言われてみれば、舞台通して「キー」になる人ですよねぇ。カーテンコール時の拍手もひときわ、大きかったです。

あと、本文には書ききれなかったのですが、エニボディスも良かったです。演技も良かったですが、WSSにおいてはやっぱり、存在自体が必要なんだな、と再確認。差別とか鬱屈とか、舞台にうずまく負のエネルギーを、すこし引いた立場で中和してくれるような感覚をおぼえました。

水曜日、楽しんできてくださいねー
straycat
絵美さん♪

レポ楽しく拝見しました。
日本人はどうしても映画(あとは某フォーシーズン)との比較になってしまうと思うのですが、映画と舞台は別ものと思った方がいいです。
METのライブビューイングでさえ、私は生とは別モノと思っていますから。映画はどうしても音はミキシング、映像はアングル、カット割り編集等で、劇的効果抜群に仕上げていますので。
トニーのMariaは、キーが高くてコントロールが難しいナンバーみたいで、カレーラスも胸声とファルセットっぽい声とを使い分けてますけれど、今回のトニーはそれがイマイチだったんですね(笑)
アニタは歌もダンスも演技もどれも達者な人でないと務まらないので、絵美さんがアニタに感心されたのなら、その人はきっと素晴らしい実力の持ち主なんだと思います。私は水曜日です~
神奈川絵美
朋百香さんへ
こんにちは
ええっ、ジョージ・チャキリスってご存命だったのですね(失礼ですよね、私)。
もう80歳超えていますよね。亡くなった義理の母が好きだったと夫が話してました。
ナタリー・ウッドのTonightが動画サイトにあるのですが(トニーはチャキリスではありませんでした)、やっぱり吹き替えでした。
神奈川絵美
K@ブラックジャックさんへ
情報ありがとうございます
ダンス…私は舞台から随分離れた席だったので、あまりはっきりした感想ではないのですが、今回もそーんなにキレキレではなかったなあ。Americaの女性陣も華やかでしたが、「パッション!」かと言われると、うーむ…。

シアターオーブ、ラウンジはなかなか広く開放感があってよかったです。冬なら日差しも優しいことでしょう
朋百香
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
いらしたのですね~、「ウエストサイド
ストーリー」 懐かしいわ~。
昨日だったか、来日したジョージ・チャキリスがTVに出てましたよ。お幾つになられたのかしら? さすが踊ってらした方だけあって当時のようにスリム。私にとってはウエストサイドと言えば、チャキリス以外考えられないくらいですが、時代が変わるんだからそうも言ってられないわよね。マリア役はナタリー・ウッドだったんだけど歌は吹き替えと聞いて
ガッカリしたのを覚えてます。
美貌と美声はなかなか同時には与えられないのね~。
K@ブラックジャック
レポートありがとうございます
気になってたんですよー。
やっぱり同じ曲をやっていても演出で感じが全然違ってくるんですよね。

私以前オーチャードホールに来たミラノ・スカラ座の来日公演見に行ったんですが、イマイチだったんです
ウエストサイドはバーンスタインの曲も勿論いいのですがダンス見たくて行ったようなもので。オペラ座のカンパニーだから歌は素晴らしかったんですが、映画で大好きですごく期待していた「AMERICA」のダンスはあの弾けるパッション!!みたいなものが全然なくて・・・。やっぱりブロードウェイ版じゃないとだめなのかと後悔したものです。

私はウエストサイドはリアルタイムの世代ではないのですが、高校の音楽の時間に先生がサントラレコーディングのビデオを見せてくれました。
バーンスタイン本人が指揮でトニーはホセ・カレーラスが歌っています。
調べたら何年か前にDVDになっていたのでリンク貼っておきますね。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000AA7DA0?tag=musical0e-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=B000AA7DA0&adid=0Q7HEPHF4RW03GW2SRM8&&ref-refURL=http%3A%2F%2Fmusicalcal.seesaa.net%2Farticle%2F74813105.html
みんな歌い手は超一流のプロなのにバーンスタインにダメだしされまくりのやり直しさせられまくりなのが印象的でした。バーンスタインの拘りっぷりが半端じゃなかったです。

シアターオーブデビューは12月に、来日するたび行っているダンスカンパニーのバーン・ザ・フロアを見に行くので大~分先になりそうです
今の季節はガラス張りなのが暑そうですが、行くのが真冬だからいい日向ぼっこが出来そうです
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