12月初め、取材に行ったときのコーデは……
スーツ着物に、椿の帯。
例年、椿は11月下旬には登場させていたような
記憶があるが、
今年は「秋着物すごろく」を意識するあまり、
冬にも早春にもお役立ちのこの花を、あえて避けてしまった
きらいがある。
初心者のころは「できるだけ長い期間、身に着けられるモチーフを」と、
椿はとても重宝していたが
（そして今でもその思いは変わっていないけれど）
それなりに、着物歴を重ねていくと、
ピンポイントで「今だからこそ、これ！」なモチーフを求めたり、
コーデを工夫したくなるもの。
取材先ではまず、お若い研究助手の女性が応対してくださり
通された部屋で10分ほど待ったところ、
「すみません、遅れてしまって…」と、お話を伺う男性の教授が
少しあたふたと入ってきた。
と、名刺を交換するなり
「いつもお着物なんですか？」と教授。
「助手の◯◯が『お着物の方がいらしてますよ♪』と私にささやくもんだから」
－いいですよね、着物－
助手の方も教授も好感触。
着物好きにとっては地味なスーツ着物だが、いつもこんな風に
良いエピソードを作ってくれるのは、仕事着物ならではの「役得」なのだろうか。
取材後、某駅内の和風カフェで煎茶とあんみつのセット。
煎茶は京都のかぶせ茶。とても甘く、後味すっきり。
）。
