神奈川絵美の「えみごのみ」

待宵の月語り - 山本達彦 秋ライブ 2017 -

ライブハウス近くで、Bちゃんと。

日暮れどきだったので明るさ調整したそうですが、
スマホで撮ると、何だか違う感じに写るんですね。


さて、今回はソロライブで
グランドピアノがフルオープン。ダンパーが動いたり
照明の反射でキラキラする様が、思わず見入ってしまうほど綺麗でした。
音量大き目、響きも良かったです。

もともと達彦さんの歌は、映画のようなドラマ性や豊かな描写が
魅力の一つではありますが、
今回は特に、
一曲いっきょく、本を開きページを繰りながら
語り聞かせるような、そんなイメージが広がりました。
私の想像の世界では、
図鑑や百科事典のような大判で、表紙がしっかりしていて
中は6~8ページ程度の短編だったり、フォトエッセイだったり。

会場が暗いこともあり、謡講のような雰囲気も感じたりして。
いずれにしても、終始、リラックスした優しい印象でした。

前半は古典派ソナタやポップスのエッセンス
後半はジャズテイストのアレンジが多かったように記憶しています。
いずれも、鍵盤を広く使った厚みのあるヴォイシングと、
シンコペーションが好印象でした。
イントロや間奏、エンディングも、凝っていた曲が多かったような…。

特に記憶に残っているのは、「潮騒」
昨年はベースデュオで、ピアノは高音の修飾、合いの手が
リップルみたいに光り際立っていたのをよく覚えていますが、
今回は、シンコペーション、アルペジオの変則アクセントで
波全体のゆるやかなうねりを感じさせる美しいアレンジでした。
エンディングに、胸を衝かれるようなコンテンポラリーなコード進行が
確かあって、印象に残っています。歌も情感たっぷり。

「ピアニスト」「摩天楼ブルース」も、ディテールは覚えていないのですが
オーケストレーションを意識した鍵盤遣いでスケール感がありました。

とても気持ち良さそうに歌っていたのは
「君と輝く夜に」とビートルズカバーの「LADY MADONNA」
以前も別の歌に関して書いたのですが、
「君と-」は母音アがとても多く、多幸感いっぱいの響きがひゅんひゅんと
夜空に弧を描くよう。
加えてシンコペーション多用の波のようなリズム。とても優美でした。

「-MADONNA」は昔、同窓のギタリスト渡辺香津美さんとセッションした
とのことで
演奏後に「そのときが楽しくて」と朗らかな素の表情が。
こちらも何だか嬉しくなります。

南佳孝さん、稲垣潤一さんのカバーコーナーで
(特に後者「夏のクラクション」
キーの高さがよく合っていて、あたたかみのあるヴォーカルでした)
「自分がビートルズに大きな影響を受けたのと同じように、
みなさんもJ-POPに影響を受けたのでは」というようなMCがあり、

思うに
私の音楽の好みを決定づけたのは、間違いなく
11歳のときに聴いたチャック・マンジョネの「Feels so good」なのですが、
達彦さんの歌で最初に影響を受けたのは、間違いなく
12歳のころにたまたまFMで聴いた「Just Fallin' in Love」で
大人の女性はワイン色の服を着るものらしい、と
ややはき違えて解釈していたことが思い出されます。
その長いエンディングを弾いている人と、Kylinの人が同一人物とは
数年先まで気づかず。


そんな香津美さんと、70代になってもしまたセッションしたら(?)
「まだ演ってる人たち、みたいに紹介されたりして」と笑いをとっていましたが、


----------- (ちょっと脱線します) -----------

50年生きている私の感覚では、
J-POPの“夜明け”はティンパンかはっぴいえんどだと思っていて、
(異論はあると思います)
そうなると、細野晴臣大先生がご活躍の限り、
まだ…はNGかと(笑)。

ジャズ、フュージョン分野ならなおさら……。
誰もが知っているビッグネームは調べるまでもありませんが、
(そういえば、山口真文さんはどうなさって!?)
突如思い出し検索したところ
お元気でご活躍のご様子。御年71歳。懐かしく嬉しく思います。

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アンコールは秋の夜長に寄り添う
「心の旅」「レキュムデジュール」

「心の旅」は個人的に、小さな後悔の痛みが残る歌。
偶然にも、この数日前、
出窓を秋のしつらいにしていたとき、馳せた想いと
少し重なり合うような心象風景が歌われ、
「レキュム-」にかけて
メロディも詞もいつくしみ深く
 もしかしたら 同じように切なく

  語り聞かせの返しに、白露のはかなく
と、雲間をうち眺める十四夜です。



そういえば

達彦さん、10月に鎌倉の歐林洞 併設ホールでライブをなさるそうで、
Bちゃんも私も同じ県内だし、ということで
彼女が張り切ってチケットをとってくださいました。

鎌倉では別のアーティストでもう1公演(いずれも着物を着たらレポアップします)、
さらにビルボード東京でもライブイベントの予定があり、
今年は、“ポピュラー音楽にひたる秋”、になりそうです。
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