神奈川絵美の「えみごのみ」

ウィーン・ミュージカル・コンサートⅡ

先週末は、楽しみにしていたイベントが目白押し。
まずは……


渋谷ヒカリエ内「シアターオーブ」で開かれた、
ミュージカル・コンサート。
「モーツァルト!」「エリザベート」「ロミオ&ジュリエット」等の
名作で使われている有名な歌が、ウィーンのオリジナルキャストにより
歌われるという、とても贅沢なコンサートだ。

ありがたいことに、この日の気温は30℃に届かず、
日差しもあまりなく、夏きものには実に好都合。

そこで、滅多に着られない、こちらの着物に袖を通した。

大城哲さんの琉球壁上布に、澤田麻衣子さんの「水族館帯」。
昨今の猛暑には、強撚糸でややしっかりした壁上布の地風は辛すぎて、
6、7年前に誂えたのに、3回くらいしか着ていなかった。
ずーっと前の『美しい着物』掲載品だ。


さて、この日のメンバーは……

ミュージカル部に、新たに画家の朋百香さんをお迎えして、
総裁のSさんと、いつも観劇等でご一緒させていただくYさんと、
4人で賑やかに、華やかに。

みなさんの帯周り+αを激写

左上、Sさんはアースカラーが涼しげな能登上布に
真栄城興茂さんの帯。グラデーションが優しい
右上、朋百香さんはお身内から譲られた、曙色のぼかしが美しい絽の附下に
シャープ&モダンなモノトーンの帯。
江戸切子の帯留めがクールな差し色に
左下、Yさんの帯もお身内から譲られた一本で、
表は朝顔、裏は団扇(写真右下参照)の昼夜帯。
ソフトなお色が大人の夏を演出してくれるよう

-------------------

さて、コンサートの“お目当て”はいくつもあるが、
まずはこのイケメンペア

ルカス・ぺルマン(左)とマーク・ザイベルト。
(写真右は、「エリザベート」2013公演での、ルドルフ皇太子とトート)

ルカスについては昨年、「エリザベート」のコンサートで
絵に描いたような貴公子っぷりを観て、好感度急上昇
今回はルドルフのほか、
世俗感いっぱいのプロデューサー、シカネーダー(モーツァルト!)も
きびきびとコミカルに演じ、役柄の引き出しの多さを見せつけた格好に。

ワタシ…前からひとケタ列目の席なのに、
しっかりオペラグラスを持参して、
「でも、さすがにこんな前の席で使うのって
 恥ずかしいですよね…」と、休憩時間中にお友達に打明けたら
   「あら、私たちの前の列の人、大喜びしながら
      オペラグラスでガン見してたわよ! 大丈夫よ!」と励まされ(?)
第二部はしっかり、アップで堪能しました

合間に行われたインタビューでは
-日本が大好きで、母国オーストリアでも日本語を勉強しているが、
話す機会がないので、こうして来日した折に、周囲のスタッフをつかまえては
日本語をしゃべるようにしている-とか、
-村上春樹の本を読むのが好き-とか、かなりの親日家をアピールしていたルカス。

そのルカスと音楽学校で同級生だったというマーク・ザイベルトは
今年からエリザベートの「トート」を演じている新星。
私は今までに、
  山口祐一郎さんの、長髪で中性的な妖しいトートと、
     マテ・カマラスの、50年代ブリティッシュロック歌手みたいな
                   “こぶし”の効いたトートを
観ているが(後者はコンサートだけど)、
今回の、マークのトートは彼らに比べるとアクが少なく、
「普通にカッコいい、イケメンのトート」の印象。
こんなGood-looking guyに黄泉の国に誘われたら、さして恐怖も抱かず
ハイハイとくっついて行ってしまいそうな気もしますが
これからが楽しみですね。

---------------

……で、彼らはもちろん歌も上手いし、
素晴らしい演者であるのだけど、
やっぱり「カリスマ」とか「大御所」と呼ばれる境地には
これからかな、という感じで、
そう呼ばれるような人たちは
たったワンフレーズ、いや、第一声だけでも、心を揺さぶられるものだなあと
今回、改めて思い知った。


例えば、「モーツァルト!」の初代ヴォルフガングである、
イングヴェ・ガーソイ・ロムダール。
私はこの日、彼が最初に歌った「Ich bin ich bin Musik」(僕こそ音楽)の
最初のワンフレーズだけで、まるで磁石で吸い寄せられるように、
ミュージカルの世界に入っていくことができた。
役になりきっている以上の、彼そのものがヴォルフガングに見えた。
コンサートなのに!


そして

言わずもがな、マヤ・ハクフォート。
今回のコンサートでは、
「エリザベート」のほか、「レベッカ」でのダンヴァース夫人や
「モーツァルト!」でのヴァルトシュテッテン男爵夫人の
代表曲も披露したが、
私、どの歌もうるうると、涙があふれてくるのを抑えられなかった。
声量とか、歌の上手さ…だけではなくて、
声に魂が乗り移っているかのような、そして
こちらの胸の内が、その登場人物の感情に支配されてしまうかのような。




「エリザベート」よりIch gehoer nur mir(私だけに)
(直訳すると、「私は私だけに所属する」)
ゲルマン気質のワタシは、この歌も含め、哲学っぽい歌詞が大好き


まったくの余談ですが、
出演者へのインタビュー中、「余暇は何をしているの?」との質問に
Sport treiben(スポーツする)、lesen(読書する)、singen(歌う)
答えるキャストが多かったのは面白かったです。スポーツはテニスが多かったですね。
あと、なぜかzelten(テントを張る=キャンプする)も。お国柄なのでしょうか。



終演後は7階の「茶寮伊勢 藤次郎」で
コンサートの余韻に浸りながらスイーツ三昧。(写真は桃のかき氷)
今回も楽しかったです! みなさん、ありがとうございました

コメント一覧

神奈川絵美
風子さんへ
こんにちは
こうした音楽会は、友達とご一緒して、ともに感動を分かち合うのが好きです~
美術展は、どちらかというと一人で世界に入り込んでしまうことが多いかな

着物友とこうしてご一緒すると、高揚感もまた格別です
風子
こんにちは♪
歌舞伎にジャズにミュージカル 音楽 楽しんでおいでですね。
それに おきもので皆さんで 楽しい雰囲気が伝わってきます。
夏のおしゃれきもの ずらっと素敵~~~。
神奈川絵美
Tomokoさんへ
こんにちは
先週末は暑さもひと段落して、夏場としてはベストといっていいくらの着物日和でした。
沖縄…私はゆっくり「織」を訪ねる旅をしたいなあ、と、
いつも思うのですが、思うだけで終わってしまいますね…
Tomoko
暑さもちょうどひと息つけた日で何よりでしたね。
南国の海のようなコーディネートを見ていると
南の海へ潜りに行きたくなっちゃいました~ん(笑)。
神奈川絵美
straycatさんへ
こちらこそ、とても楽しかったです
今まで日本版をいくつか観劇できたのも、straycatさんのご指南のおかげ
インタビューは、さすがに時間がおしてからの、
ケヴィンやイングヴェ(でしたっけ)は早口で聞き取れませんでした(ま、ケヴィンはCDの宣伝に一所懸命だなというのはわかりましたが 笑)。

うふ、わかりますとも察しますとも
またこうしたコンサートがあったら、ぜひご一緒したいです
straycat
絵美さま♪

先日はご一緒できて楽しかったです。
絵美さんは日本版もかなりご覧になってるので、すんなり楽しんでいただけたみたいでなによりでした。ドイツ語のインタビューも、訳が入る前に「うん、うん」と頷いてらして、さすがだな~と思って聞いていました。
しかしyukikoさんにも言われちゃいましたが、こんなのを聴いちゃうと・・・ではありますね(察して
また来日することがあったら聴きに行きたいですね。
神奈川絵美
yukikoさんへ
先日はありがとうございました
イングヴェ、存在感たっぷりですよね。
私はどうも内野聖陽がかぶってくるのですが
ミュージカルコンサートも、先日のようにある程度の
演出やダンス、振りがあると、お得感いっぱいですよね。

氷も美味しかった~赤いのはやはり、桃シロップを着色したのでしょうか。
yukiko
イケメンくんたちの中でも私はイングヴェイ君の白い歯と屈託のない笑顔に釘付けでした(^^;;
ほんとにオイシイとこ取りのプログラムで次々と名曲名演が聴けてお得な気分、今夏初の氷で満腹の
楽しい一日でしたo(^_^)o
神奈川絵美
朋百香さんへ
こちらこそ、素晴らしく良いお席をありがとうございました
うふふ、最後の方で、ルカスとマークがデュエットしたとき、至福のツーショットでしたよ
なーんかみんな、カラダを鍛えるとか動くとかスポーツとか言ってましたよね。やはりフィジカルが強くないと、ミュージカルスターというのはきついのでしょうね。
またぜひぜひ、ご一緒いたしましょう
朋百香
http://www.tomoko-358.com
絵美さま
先日は素敵な時間を共有させて頂きありがとう
ございました。
オペラグラスでイケメンペアをガン見する絵美さん
可愛かったですー。
やっぱり筋肉ついてないと良い声も出ないんで
しょうかね? 皆さん、インタビューに気さくに
答える姿がチャーミングでしたね。
次回も「ウィーン」ぜひご一緒に!
神奈川絵美
りらさんへ
こちらにもコメントをありがとうございます
えー、でもりらさんの夏着物コーデも、
いつもステキではないですか
みなさんの帯周り、団扇の帯飾りや江戸切子の帯留めなど…
とても綺麗で、見とれてしまいますよね。

>歌うことは体力が要る
ですよね。私もインタビューを聞いていて、
同じ様に思いました。テニスだけではなく、
ズバリ「カラダを鍛える」という答えも多かったですよ。
神奈川絵美
香子さんへ
こんにちは
ホント、助かりました~。やっぱりこういう場には、
できればお着物着ていきたいですものね。
神奈川絵美
とうこさんへ
こんにちは
みな、涼しそうなトーンでまとまっていますよね。
私のはややビビッドですが…。
水族館帯、出番をつくらないと!
りら
素敵~♪
色がたくさんなのに、スッキリ、とても涼やかに見えますねぇ。
皆さまそれぞれが趣向を凝らした夏の装いで、こういうことができない私は、本当に羨ましいです。
絵美さんも朋百香さんも、すらっとしてらっしゃるから、横段のお着物がスッキリ映えるんでしょうねぇ。
良いなぁ・・・・・

本物を聴く。
東京は、こういう点で世界一なんじゃなかろうかと、いつも思います。
出演者の方々の「スポーツする」というのは、やはり歌うことは体力が要るということなのでしょうねぇ。
香子
暑さも一息ついた感じで
週末はお着物日和でしたね~♪
とうこ
http://ameblo.jp/toukolilas/
楽しそう!お着物も、皆さま様々なのに、なんとなくハーモニーです。
水族館帯のファンです。いっぱい締めて拝見させてください!!
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