五月花形歌舞伎@明治座へ行ってきました。
お席は上手の端で、アングルはこんな感じ。
「男の花道」を観るのに絶好の席であることは、
演目を知っている人ならわかるはず。
クライマックスである劇中劇で、
“江戸の芝居小屋の観客たち”が、客席後方に紛れ込んでくるのです。
野次や檄を飛ばす様子が、この席なら振り返ったりしなくても
よく見えるというワケ。
さて、この日の着物は……
もう単衣にしちゃいました
青磁色の飛び柄小紋は更紗花。
織楽浅野さんの帯を合わせて。帯締めは松山好成さん。
夕方から雨との予報だったため、
草履がカレンブロッソだったのはちょっと残念。。。
行き帰りには、佐藤節子先生作のショールを羽織りました。
-----------------
ここからは、歌舞伎の感想です。
実は私、半年前に、市川右近さんの俊寛他を観るはずが
台風接近で行けなかったので、
今回の「矢の根」、とても楽しみにしていました。
(もちろん、役柄は全然違いますが・・・)
右近さんの曽我五郎は、荒事ならではのキレの良さや
張りのある声、勢いもありながら、
「胆力」も感じて安定感抜群でした。
胆力がないと、ただ弾けておしまい、のような、
役者の単なる顔見せで終わってしまうような気が、私はするのです。
また、今回感心したのが「馬」。
役者に合わせて歩調が速くなったり、回ったり、
乱れるところがなくて、
熟練の技が要るのだろうなあ…と。
そして「男の花道」。
市川猿之助さんは言うまでもないのですが、
中車さんの堅物っぷりが徹底していて、よくはまっていました。
そしてらぶりんは…やっぱりあほぼんが合う!
私はなぜか、片岡愛之助さんを観る率がとても高くて
いろんな役柄を観てきましたが、
以前、浅草歌舞伎で観た伊左衛門(廓文章)の印象が強くて、
今回のコミカルな大名(代行?)役にも、その姿が少し重なりました。
人が切腹するかしないか、の瀬戸際に
「いい加減謝って、ねこじゃねこじゃの一つでも踊ってくれぃ」と
およそ威厳とはかけ離れた台詞。面白かったです。
もう一人、中村亀鶴さんが悪役じゃない!
亀鶴さんといえば、記憶の範囲では私、悪役しか観たことがなかったので、
感動すら憶えました(笑)
猿之助さんの、首~肩~柳腰のラインは女性そのもの!で
とても美しく華がありました。
でも、この役ではキャラクターが終始一貫しているので、
猿之助さんだったら、私ならもう少しクセのある役で観たいかなあ。
もちろん、この演目も女形として、
また、劇中劇での「人形の動き」はため息もので、
本当に良いものを見せていただいた、と思っています。
それにしてもこの演目、筋がわかっていても
劇中劇~ラストは白熱した演技で、涙がほろほろ。
水戸黄門を好んで観るシニア世代の気持ちに、
私もいよいよ近づいたようです
コメント一覧
神奈川絵美
ふうこ
神奈川絵美
神奈川絵美
朋百香
香子
最新の画像もっと見る
最近の「着物deオフタイム」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2009年
2008年
人気記事