ビル・エバンスの「Waltz for Debbby」にも通じる
小さき命への温かなまなざしが感じられます。
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今回の、ダブルベースとのデュオは
新鮮なほどの大らかさと、気取りのない等身大の優しさに満ちた
ライブパフォーマンスでした。
ベースにはリバーブをかけたそうですが(ごくまれに、音が遅れて聴こえることも)
ヴォーカルの音響も少し変えたのでしょうか。
中学時に聴いていた懐かしい歌も多い中、
私がもっとも印象に残ったのは
バリー・マニロウ原曲の「Sunrise」と
ニール・セダカ「雨に微笑みを」のカバー。
「雨に微笑みを」は、セダカ不遇の時期に創られ
それがエルトン・ジョンの目に留まり再ブレイクのきっかけになった歌。
どんな状況にあっても、愛する人(もの、こと)と共にあれば
オーライなのさ、という含みが、純朴な歌詞に込められているようで
私も「Sharing our love under stormy skies」のフレーズが大好き。
それに続く
「僕はこんなにも雨の日が好きなんだ。幸せな気持ちで満たされる」
も好き。
…と、すらすら書きますが、1974-75年の私は
まだ およげ!たいやきくん から卒業できていなかったような・・・
その時代のリアルな空気感はわからないのが、残念です。
この歌を聴いてから改めて、ライブ前半で歌われた
「Sunrise」を思い返すと
- この身を日差しに変えて貴方に囁く 好きだよ -の一節は
ここで文字を追うだけでは歯が浮くようなフレーズですが、
実はとてもストレートで、駆け引きのない表現なのではと。
ゆったりしたヴォーカルと共に、心を動かされました。
素直に、surrender。
他には
「雨の中で君は」は頻出で何度も聴いていますが
まるで別の歌かと思うほど、声がエアリーで明るく、春の美術館の印象。
再オープン後まだ行けていない、
目黒の庭園美術館に足を運ばなくては!と急に思い出しました。
一方「midnight express」は、私は初めて聴きましたが、
サビの代理コード(かな)とエンディングが何とも
往年のジャパニーズ・フュージョン的で、
フュージョンエイジの私としては、懐かしカッコ良かったです。
MCは、かなり忘れてしまいましたが、
「午後の誘惑」のときに
「この時期の歌には、歌詞に『~だぜ』が多く使われていて
それが古くさく感じて、歌いたくなかった時期もあったけれど
もうね、還暦過ぎたらどうってことないね」
で、会場 笑。
あと、花粉症絡みで
抗ヒスタミン薬の第一世代、第二世代(実際には第三世代まで有)の話に
なり
「でも僕、ライブをしているときにはエキサイトしているせいか、
くしゃみは出ないんです。…あ、でも(興奮しているからといって)
違法な薬物は使ってないよ。
最近、芸能界ってそういう悪いイメージがついて困るよね。僕はクリーンに…」
でまた、会場を笑わせていました。
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そしてアンコール。
ピュアな歌詞が心を癒す「前奏曲」をロマンティックに歌いあげ、続いて
-バースディだ!-
私、普段はそう表情を変えず聴いているつもりですが、
イントロが流れたときに思わずうわーっと、
ご一緒したSNさん、Bさんを振り返り。
ここ5,6年の間で、この歌が3月に取り上げられたことは
なかったのではないでしょうか。
3.11 東日本大震災が起こってからは、
私の誕生日は震災後で、年々、そうナイーブになることは
減ってきたものの、
やはり心のどこかで、静謐を求めて祈りながら
過ごしてきたようなところはあり。
そんな風に繰り返された3月に、この歌の記憶はありませんでした。
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「良かったね」
ライブ後、Bちゃんにニッコリ。
「表参道で、バースディプレートをオーダーしたから、
きっと私たちに お返し してくれたのね」
ランチの時間から3時間28分後、
表参道から外苑前まで0.4マイルの時空を超えて。
バースディをリアルタイムで聴いていたころ
どうしても赤やオレンジのポピーの花のアロハシャツしか
想像できなくて、今でも思い出されてしまいますが
(ちなみにBちゃんは、ハッシュパピーの小犬の
マークが胸元についたシャツだと思っていたそう)
そろそろ、そんな子どもっぽさ、臆した気持ちを
手放す時期が、きたようです。
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