ここは渋谷東急本店に面した通り。
!!
アップでもう一枚。
!?
この人たちは、一体…?
車体に、レンタカートとプリントが。
観光客向けのサービスなのでしょうか、それとも
何かの宣伝?
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さて、この日のお目当ては
ザ・ミュージアムで7月31日(日)まで開催中の
「西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展」
18-19世紀のフランスで栄え、
かのマリー・アントワネットも愛用したという
コットンプリント。
会場は女性率高し。何となく
クラフト関係が好きそうな中高年女性が多い印象を
受けました。
西洋更紗、とあるけれど、
展示の最初の方は、「染司よしおか」や女子美所蔵の
和装にも比較的なじみのあるインド更紗がたーくさん。
トワル・ド・ジュイの源流なんですって。
もともとは1600年代に
東インド会社がヨーロッパの各地につくられ
↓
インド更紗がヨーロッパへ拡がり
↓
日本がオランダとの交易でそのインド更紗を手に入れ
↓
日本にも広まった
という経緯があります。
昔の更紗といえば、「彦根更紗」が有名ですが、
この展示では同じ滋賀の大津、赤星家旧蔵のインド更紗が。
共通する柄が多数、あるそう。
で、上述のとおりヨーロッパにもインド更紗が広まり、大流行
↓
流行しすぎて、羊毛や絹の業者が、自分たちの仕事がなくなると怒る
↓
とうとう、フランスでインド更紗の「禁止令」が
1686年から73年間も!
↓
その間に、フランス国内の職人さんがいなくなる
という事態に。
そりゃ、73年間もその産業が途絶えたら、担い手はいなくなりますよね…。
でも、更紗の本質的な良さは後世に伝えられていたのでしょうか、
73年後に生産再開、となるわけですが……
自分の国に、つくってくれる人がいない!
↓
そこで、ドイツのプリント技師、オーベルカンプ参上!
トワル・ド・ジュイの誕生と相成ったわけです。
トワル・ド・ジュイは
柄の可愛らしさが好まれただけでなく
洗えるコットン地というのもおおいに受けて。
「コクシグル」
(神話上の生き物で、動物と鳥、昆虫がミックスしたようなデザイン)
日本風にいえば、“花鳥風月”系の柄は木版が多く、
トワル・ド・ジュイのもう一つの典型的なパターンである
田園風景は銅版が多いそう。
(ちなみに、田園風景のモチーフはベルギーのタペストリーが源流)
しかし、オーベルカンプ没後、産業は徐々に衰退し、
1843年には工場を閉鎖、その際
銅版のほとんどが散逸……。
作風は、ご存知ウイリアム・モリスや、ラウル・デュフィが受け継ぎ
近代へ橋渡しされました。
デザイン力抜群のラウル・デュフィ。木版画の作品。
たくさんの、ヴィヴィッドでキュートな布たちを見ていると
私の頭の中で、地球が、世界地図が、ぐるぐる回ります。
ささいなことかも知れませんが、
世界はつながっているなあと再認識させられます。
そして、モリスやデュフィのような人がいなければ、
これらの布は「古典」で終わってしまっていたかも知れず、
ブラッシュアップされながら現代にもその図柄、色彩が
生きていること、生活の中に溶け込んでいることを
嬉しく思います。
トワル・ド・ジュイ以降の、デザインの変遷は
私、2012年に三菱一号館美術館で観ていましたので、
コチラをご参照ください。(KATAGAMI STYLE展)
もう一つ、ラウル・デュフィ展は2年前、
同じザ・ミュージアムで観ていますので
ご興味ある方はコチラもどうぞ。
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神奈川絵美
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神奈川絵美
K@ブラックジャック
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