着物友からこの展示のお誘いを受けるまで、
私は池田重子さんが亡くなったことを知らなかった。
例えばこの帯揚げも

数年前、「時代布 池田」でいただいたものだ。
-端切れだけれどとても良い布なのよ。-
-半衿にもできるわよ。-
お店の奥の方から池田さんは、
こんな風に声をかけてくださった。
今回、4年振りとなる松屋銀座での「日本のおしゃれ展」は
池田さんの追悼展になってしまった。
もう、見納めになってしまうのだろうか。
この日の私のコーデは……

正月二日に着たピンクの型染め小紋に
今回は、きぬたやさんの絞りの帯を合わせてみた。
お太鼓の下線が斜めになり残念…

紫系の三分紐は、平井くみひもさん。
帯留めは
箸長さんで求めた黒檀と白蝶貝の箸置き。
羽子板や梅が描かれている。
全身はこんな感じ。

この日ご一緒したのは……

左からRさん、Yさん、そしてRUさん。

上段、Yさんの帯周り。
お身内から譲られたアンティークの帯留めがステキ。
下段左はRUさんの帯周り。こちらもオニキスの帯留めが存在感大。
下段右はRさんの羽織の柄アップ。お母さまから譲られた友禅で、
生地も梨地のような艶があり、柄もとても手が込んでいて
思わず見とれてしまいました。

Yさんはお着物もお身内から譲られた黄八丈で
まるまなこという今ではほとんど見られない、凝った織。
黄八に鳶八に黒八と、オールスターが一枚にそろっていて
博物館級にレアで見事なお着物でした

半衿も、雪の結晶で季節にマッチ。
私はこの日とても久しぶりに
着物友とわいわいお会いできて、
とーっても嬉しかったです。ありがとうございました

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展示の方は……

もうあちらこちらのブログで
レポがあがっていると思うので、
私が何か書くまでもないのですが、
特に印象に残ったのは、

フライヤーにも載っていた、この緑の着物。
染色家の佐藤節子先生が、大の緑色好きで、
こうした何ともいえない、深みのあるトーンを
年末のパーティにもさらりと着こなしていて。
私は緑系といっても薄い色しか持っておらず
憧れの色でもある。
もう一枚

これは場内のVTRにも登場していた
お召し地にぼかし染めの着物。大正時代のもの。
このコーデ写真は

池田重子さんの研究でも精力的に活動している
ライターの安達絵里子さんから、
数年前にいただいた本の中にあった。
大胆な縦縞だけれど、ぼかし染めならではの
優雅さを感じる。
ほかの着物にもいえるのだけれど、
池田さんいうところの
「豪華でなくても優雅であればいい。
立派でなくても洒落たものであればいい」を
象徴している一枚のような。
小紋であっても、紬であっても、
優雅に着たいなあ。
纏っているそのときだけでも、
ゆったりとした時間を、感じていたい。
そう遠くないうちに、また目黒のお店へ
行ってみよう。