でも今年は少し、様子が違うようで……
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私たち、この日は
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何も事前打ち合わせしていないのに、
藍色シスターズ
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(着物の詳しい紹介は、次回アップします)
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老舗の洋菓子店「鎌倉 歐林洞」は
鎌倉のショッピングst.を過ぎた、やや北鎌倉寄りにある
立派な構えの洋館。
もともと美術館だった建物を改装したそうで、
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店内もとても洗練されており、
アンティークとモダンが調和した、落ち着きのある大人の空間です。
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ライブ会場も、絵画や陶芸品が飾られたぬくもりのあるホール。
サロンコンサートのような雰囲気で行われました。
ハイセンスな室内で、
スタインウェイのピアノが凛としていて、
とても優雅な気分で過ごすことができました。
定員は100名とかなり限定されており、
チケットはほぼ即完売。
発売開始後そうたたないうちにアクセスくださったBさんでも、
90番台後半ということで
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会場内はこんな感じ。
カメラを高く掲げて撮ったので、実際には
私の前に、この1.5倍は人がいるイメージです。
図解するとこんな感じです。
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フラットな(傾斜のついていない)ホールで、着席なので
私からはまったく、まったく、演者の姿は見えません。
ところが。
何と私、ライブの最初から最後まで、
達彦さんのお顔を何の障害物もなく、
表情も、視線の動く先も鮮明に、見ることができたのです。
どうやって?
ここからは、
ちょっと日能研的な説明になりますが……
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手助けしてくれたのは、こちら。
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私のすぐ斜め右の壁にかかっていた、
日本のフォビズムと称されている、熊谷守一の猫ちゃん。
水色の◯は私が加筆しました。
仕掛けは、こうです。
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ステージは当然、スポットが当たり明るいです。
で、たまたま最前列のお二人の間が少し空いていて、
お顔がダイレクトに、熊谷氏の作品下部、水色の◯の部分に
くっきりと映り込んでいたのです。
もちろん、曇りも、ゆがみもありません。
(ね、みて、ほら)
途中、隣のBさんに教えたものの、
すぐ横なのに、Bさんからは角度の関係なのか「見えなかった」とのことで。
Trick AND Treat.
100人の観客の中で、このトリックアートに気づき
恩恵を受けられたのは、わたしだけ。
私、自分の運の良さと、ちょっとの気づきの良さに、
我ながら感心し、
終始、上機嫌だったのは言うまでもありません。
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(ここからはライブレポです。個人の感想を勝手に書いています)
今回のピアノソロライブは
ヴォーカルともに、小節の頭が出にくいシーンがあるなど
若干、弾き手とピアノがまだ両思いになっていない感じは受けましたが、
スタインウェイの主張ある響きが、終始とても美しく、
歌もハイトーン中心に伸びが感じられました。
2曲目途中まで、残響が強いかなと思いましたが、
それ以降はホール内にソフトに反響する音が
心地よかったです。
その2曲目「19テーブル」はピアノソロならではの
リズムの揺れがとてもムーディで、この歌の新たな魅力を
見つけたような気分。
3曲目以降は確か、鎌倉に因んで「海」をテーマに
「雨に想いを」「潮騒」「海辺のホテルにて」と続きました。
その後、「夜」に因んで
「夜を抱きしめて」「夜毎の海」「夜のピアノ」だったかと。
前半はあまり煌びやかなコードワークはなかったような…
ただその中でも、「海辺のホテルにて」「夜を抱きしめて」は
とてもエモーショナルだったと記憶しています。
特に後者は、いろいろな編成で何度か聴いていますが、
これまでで一番、私には迫るものがありました。
後半のカバー曲と
(「素顔のままで」「New York State of Mind」「恋にノータッチ」)
その後のジャジーな2曲「麗夢」「月に落ちた涙」は、ぐんと
リラックス度が上がったように感じました。
New York-は以前よりもハイトーンがキレイでしたし、
恋にノータッチはさらにキレイ。
麗夢は、なぜかなかなか聴く機会に恵まれなかったので、
とても嬉しかったです。
今回はアンコールも3曲披露くださり、
オーラスは「Colors of Life」でした。
MCで記憶に残っているのは…
鎌倉つながりで、
小さいころ(1960年代(!))海水浴に行ったらエンゼルフィッシュが
泳いでいた、とか
鎌倉ハムが食卓にのぼることがたまにあり、自分にとっては「おごちそう」で…
といった話、
曲作りはかしこまった環境?でするというものでもなく、
何気ない生活の中でふと浮かんでくることも多いけれど、
「夜のピアノ」はさすがに、昼間のアクティブな時間ではなく、
ちゃんと夜につくった覚えがある。
このころはエリック・カルメンやエルトン・ジョンのスタイルを目指していて…
といった昔の回想から
「今だから言えるんですが、
80年代、ぬいぐるみや手編みのマフラーとかお人形さん(!)を
たくさんいただいて、世代のギャップを感じていて、
でも、それをストレートには言えなくて、そうこうしているうちに
どんどん増えるし…。
でもそれを乗り越えて、今は美味しいものとか、お店とか、みなさんの方が
よく知っていらっしゃる。
本当に成熟されて……」と
同窓会での恩師の挨拶みたいなコメントがとても可笑しかったです。