この1カ月ほどの間、一体何人にそう言って回っただろう。

…というワケで、前回のお菓子は
来年の猿之助襲名を
お猿さんと紅白の金平糖でした。
この日の着物は・・・

ベージュにグレーの小絣が入った大島紬に、
千切屋さんの葡萄帯(作者は藤岡さん)。
うーん、前柄が真ん中にきてしまい、不本意・・・

言い訳になってしまうが、帯地が塩瀬ですべりやすい上、
芯が硬くてとても重い。
これもオフシーズンになったら仕立て替えよう・・・。
今回の歌舞伎にお声がけくださったのは

ブログ友で着物の大先輩のypさん。
飛び飛びに花織の入った、落ち着いた色合いの着物に
ひげ紬のコスモスの帯が儚げな優しさを添えて。
帯揚げ、帯締めの赤系、帯飾りの浅葱色がアクセントに


席でツーショット。
3階の2列目、真正面という全体が見やすい席で
昼の部を堪能した。
------(以下、初心者の感想です)----------------------------------------------
「今回はぜんぶ“当たり”だったねえ」
観劇後、ypさんと思わずそんな言葉を交わした。
演目は
「源平布引滝 義賢最期」
「銘作左小刀 京人形」
そして「江戸ッ子繁昌記 御存知 一心太助」。
初心者にもほどがあるが、予習の余裕がまったくなくて、
出演を確認したのが前の日の夜。
そしたら、前々からやはり観たいと思っていた“らぶりん”こと片岡愛之助さんや
中村獅堂さんも名前を連ねていて、ドキドキワクワク。
「義賢最期」は終盤の派手な立ち回りが見所で、
特に、ふすま3枚でやぐらをつくり、
↓
Π こんな風に。
その上で義賢が見得を切る場面は圧巻。

上に載せたふすまが、義賢の重さでしなっていて・・・。
(どうか落ちませんように、ふすまが破れませんように)ハラハラしながらそう願うあまり、
不覚にもその数分間、私の脳裏を
100人乗っても大丈夫♪
の宣伝がぐるぐると回ってしまった。
愛之助さん・・・想像よりもずっとどっしりした印象で、(衣装のせいもあるでしょうけれど)
迫力がありました。
「江戸ッ子繁昌記」は一心太助と女房のお仲(亀治郎さん)の息がぴったりで。
出演者も多く賑やかで実に楽しい演目。
中村獅堂さんは初演とのことだがとても生き生きとして、将軍家光との演じ分けも
ユーモアも交えながら自然にできていたと思う。
(家光役のときは若干、威厳が足りないようにも思ったけれど、そういう役作りなのでしょう)
魚屋の一心太助になりすました家光が、みなに慕われている魚河岸の差配役(とりまとめ役)の
理不尽な逮捕に腹を立て、奉行所に乗り込もうと仲間を鼓舞するあたりは、
一瞬、家光に一心太助の姿が重なり合うように見えて、
身分はまったく違っても、勧善懲悪の精神が同じなら、行動に違和感はないんだなあと
改めて思った。
そして・・・「京人形」。
私、今回の観劇で思ったのだけど・・・。
亀治郎さんも愛之助さんもみんな、素晴らしい役者さんぞろいの中で、

私、結構、市川右近さん好きだ。
ということに気づいた。
何が好みかというと・・・うまく説明できないのだが、
こう、中肉中背ぶりとか、肩のなだらかなラインとか。
体型だけのことではないのだが、
市井の、だけど少し気取ったところもある品の好い人の役が、
本当に、私にとっては“しっくり”くるのだ。安定感というか・・・
この日もとても惹き込まれました。
(追記)
人間国宝・中村芝翫さんのご冥福をお祈りいたします。