ソフトウェア開発したい日記

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EDXで炭素などの軽元素分析が難しいわけ

2010年04月25日 16時25分40秒 | 科学
にわかなのでよくわからないんですが
EDXで軽元素分析はかなり難しいと言われてきました。
(工夫すれば感度上がるらしいですが、どんな工夫から今のところ不明)

分析が難しい理由について聞いても、「難しいからじゃね?」とか言われたので
いろいろ考えることに。

まず考えつくのはやっぱり
・そもそも光電効果が起きないから
(炭素は金属じゃないのでそりゃそうかもと思ったのですが、
じゃあどうやってEDXで炭素の定量分析とかやってるんでしょうか?)
・オージェ電子ばっかり出ちゃうから
といった感じでしょうか。

光電効果に関しては、起きにくくはなりそうですが、多分起きるんだと思います。
炭素の場合電子数6なので、起こるのはKLLオージェ遷移ですね。
どちらも濃厚なのでとりあえず本で調べることに。

するとオージェ電子収率と蛍光収率という言葉がありました。
オージェ電子の割合と蛍光X線の発生の割合をあらわしたもので、
これらを足すと1になるものです。
(L殻空孔が生じた場合、コスター-クロニッヒ遷移収率も考えるらしい)

K殻空孔の場合、だいたい元素番号30くらいで
オージェ電子収率と蛍光収率が拮抗するとのこと。
一般に、元素番号が大きくなると蛍光収率が大きくなり
元素番号が小さくなるとオージェ電子収率が大きくなるようです。

そして読んでたら、軽元素の蛍光X線分析感度が悪い理由も書いてありました。

まず、軽元素の蛍光X線は波長が長い軟X線であるため、
装置の窓材や空気に吸収されやすいということ。
それに加え、内殻に空孔を生成させても、蛍光X線は発生せず
オージェ電子ばっか出てしまうからと。
噂(?)では、炭素の場合オージェ電子収率は0.99を超えるとか。
(蛍光X線発生割合が1%以下で、99%以上がオージェ電子)

また、原子番号が大きくなると蛍光収率が上がり
当然蛍光X線は強くなるけど、同時にK線のエネルギーが高くなって
X線が検出器を突き抜けて感度が悪くなると。

L殻空孔に関しては、なんかやたら難しかったのでまた今度にします。

これで一応「・オージェ電子ばっかり出ちゃうから」
ってことは正しいってことでひとまず解決。

もう1つの炭素で光電効果が起きにくいってのも事実だと思ってるんですが
一体どれくらいの起こりにくいのか、数値を見てみたい。
けど田舎のへんぴな図書館のせいか、見つけにくい。
オージェ電子収率のほうも、実際の数値は見つけれてないorz

結構気になるので、
大きな図書館とインターネット徘徊作業をはじめます。


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