私の病気は左卵管ガン直腸浸潤!

ガン告知からストマ(人工肛門)閉鎖まで。あれから一年半。振り返ってみればいろいろあった…

登場!麻薬!

2016-11-23 13:57:28 | 闘病記
この胃痛が悪夢だった。
よくドラマや漫画で病人が、う~う~と唸っている場面があるが、
あれってホントにある!
あまりの痛さで、思わず声が漏れ出るように唸るのだ。
唸ったからといって痛さがなくなるわけではないが、少し軽くなるような気がする…そうあくまで「気がする」。

数種類の痛み止めを飲んでも効かない。
で、エビのように丸くなって唸る私をベッドに乗せて、CTへ!
シーツごと私を持ち上げて機械へ移すのだが、その瞬間あまりの痛さで私は叫ぶ!
痛さをこらえるために丸くなる私を無理矢理伸ばしてCT検査。

次は胃カメラ。
マウスピースを加えた瞬間から記憶がない…
鎮静剤を打たれたらしい。
おかげでしばらく痛みがなかったが、鎮静剤の効き目が切れ始めると再び唸り始めた。

結局、胃も腸も異常なし!
原因があるのも嫌だが、原因がわからないのも恐ろしい…
原因があればそれを取り除けばいいわけだが、ないと、どうしようもない(T_T)
そこで登場したのが「麻薬」!!!
点滴で私の身体に入り始めると…
みるみる、さっきまでが嘘のように痛みが消えていくではないか!!!(^o^)
痛みからの解放~!!!

後から思えば唯一このときだけだった、本気で死を考えたのは。
痛み止めを飲んでも消えない痛み、原因がわからない痛み、この痛みから逃れるには死しかないのか…
病室の窓がもっと開いていたら…
屋上に簡単に行けたら…
非常階段に出られたら…
そう発作的に…
可能性は十分あった。
思い出したのは歌手のZARDのボーカルの女性。
がん治療で入院していて、非常階段から落ちて命を落とした。
当時、自殺か事故か、マスコミで騒がれていたけど、わからず仕舞い。
思うに、本人が意識していなくても身体が勝手に動いてしまったのではないか…
その感じがこのときの私にはわかるような気がした。
で、今度はこの私を救った麻薬の副作用で苦しむことに…

<つづく>

頼りになる看護師さん

2016-11-23 13:43:22 | 闘病記
吐き気がすると、すぐにナースコール!
嘔吐バッグ(「オートバッグ」とカタカナにするとなんかカッコイイ!?)があるから、
自分で用を済ませればいいんだけれど、とにかく不安になる…
体調に異変が起こると、とたんに不安になり、ナースコール!
看護師さんがそばにいてくれると、安心して嘔吐…
彼らは慣れたもので、バッグについているメモリを読んで
「300mlね。うんうん」って感じでさらりと片付ける。
その様子を見て、私も「たいしたことないんだ。大丈夫なんだ。」って感じる。

看護師さんって治療はできないけど、そばにいてくれるだけで不安が減り、気持ちが落ち着く。
入院中、いったい何回ナースコールを鳴らしたことか!
その都度駆けつけてくれる看護師さん達に支えられてきた。
痛みがひどくて唸っているときには手を握っていてくれて、
苦しいときには背をさすってくれて、
穏やかなときには「体調よくなってきたね」と元気づけてくれる。
「看護」という字は「看て護る」と書く。
文字通り看護師さん達に見守られながら、私は回復へ向かっていった。
と思ったら…
立って少し歩けるまで回復し、体中から出ていた管もかなり抜けてきたのに…
ある朝、早朝4時だった。
謎の胃痛に襲われることになる(T_T)

<つづく>

腹腔鏡の副産物

2016-11-13 17:26:22 | 闘病記
嘔吐も苦しいけど、肩の痛みも半端なかった!!!
両肩を真上から巨大な鋭い槍で思いっきり突き刺されたような恐ろしい痛みだ!
これが突然襲ってくる。
時には呼吸が苦しくなって(過呼吸?)、ナースコール!
看護師さんが手で背中をさすってくれて収まったことも…
湿布を渡されて張ったところで、気休めにもならない(-_-)

この痛み、腹腔鏡の副産物らしい。
腹腔鏡の手術は、手術台が頭方向に少し傾いていて、身体の重さを肩で支えるような態勢になっているとか。
この態勢で12時間!!!
そりゃ~肩痛くなるわなぁ~(-_-)
ベッドから立とうとしても、腰を上げたとたん肩を上から槍で刺されるわけだから、身体はそのままベッドに崩れ落ちる…
同じ病室に2~3時間の腹腔鏡手術をした人が、やはり肩が痛いと訴えていた。
12時間…そりゃ~痛いわなぁ~(T_T)
傷口は小さいから、傷そのものの治りは早いけど…いろいろ出てくるわなぁ~(T_T)

<つづく>

苦しい日々の始まり…

2016-11-12 14:15:32 | 闘病記
さて、手術当日。
朝7時過ぎには家族が病室に来た。
隣のベッドで抗がん剤治療をしていた患者さんとハグして
「がんばってね!」
「行ってきま~す!」
と別れ、病室を出発。

そこから麻酔も含め14時間!
家族にはつらく長い時間だったと思う。
私は麻酔をかけられる寸前まで、先生とお話ししてた。
「先生!手術終わったら、すぐにビール飲めるかなぁ~?」
「ん~どうだろうね~」
そんな話をしているうちに、記憶は途切れた…

夜10時、ICUへ。
ここからが苦しい日々の始まりだった。
意識が戻って、自分がICUにいることはわかるが、とにかく苦しい!
痰が詰まって息苦しい!
足にエコノミークラス症候群を防ぐための装具が取り付けられ、これがまた私を苦しめた!
手も足も自由に動かせない!
というか、もしかしたらそう思い込んでいただけなのかもしれない。
頭の上にある異常を知らせるブザーがしょっちゅうピコンピコンと鳴る。
その度にドキッ!ドキッ!ドキッ!
私死んじゃう?????

結局一睡もできずに朝を迎えた。
看護師が私のベッドの背を上げようとするが、ちょっとでも上げると、ものすごいめまいに襲われる。
身体を起こすことができないので、うがいができない…
口の中のバイ菌が肺に入ると大変なことになるので、口の中は清潔にしておかなくてはいけないのだが
自分でできない私は、看護師が脱脂綿で口の中を拭いてくれた。
苦しくて一晩中口呼吸をしていたから、のどが渇いてのどが渇いてしょうがなかった。
しかし、大きな手術をした後はしばらく絶飲食らしい。
私は一週間ほど絶飲食だった。
キッツーーーーーーー!(>_<)

本当は手術の翌日から歩く練習が始まるので、自分で起きてベッドを移り通常の病室に移動するのだが、
私は全く動けなかったので、看護師がシーツごと持ち上げてベッドを移り、元の病室へ。
この日から、頻繁に吐くようになる。

<つづく>

人工肛門(ストマ)

2016-11-05 13:24:26 | 闘病記
腸も手術するから、当然空っぽにしなくてはならず、前日は絶食!
そして人工肛門(ストマ)の位置の印付け。

これが…
おへその周りに、まるで幾何学模様かナスカの地上絵かって感じの図柄がマジックで書かれていた!
4カ所大きな点があり、それのどこかにストマがつけられるらしい。
ストマ:ギリシャ語で「口」という意味。
お腹から腸が顔を出すところが、「口」に見えるところから名付けられたようだ。
私の場合は回腸(小腸)というところにストマを作るので「回腸ストマ」。
結果から言うと、おへその右側の切り口から小腸が二つ顔を出していた。
最初はこわごわ、看護師さんに「見てみる?」と促されて見てみると…まるで湯むきトマトみたい!
3ヶ月もすると大きさも縮まり落ち着いてくる。
不思議なことに小腸には神経がなく触っても痛くもかゆくもないんだよ。
さらに自分の意思で動かすことができないので、勝手にムニムニ、モニョモニョ動いてる!
これがだんだんかわゆく見えてくるから驚き♪
まるでペットみたい♡
人工肛門と人工膀胱、二つ付けている人の中には、名前を付けている人もいるそうだ。

3~4日に一回装具を取り替えるんだけど、その度に「ちゃんといい子にしているかな?」と自分のストマに語りかけちゃったりもする(^_^;)アハハ
10ヶ月ストマを付けていた中で、一度だけ大パニックになったことがある。
夜装具を変えようと見てみると…
片っぽ、便が出てくる方の腸が引っ込んでしまい、お腹の中から「こんちわ~」とちらみしているではないか!!!
「ぎょえ~~~!おまえそんなとこで何やっとんじゃ~~~~!!!」
このままだと腸は完全にお腹の中に入ってしまい…
私の頭には、腸がお腹の中でのたうち回り、便を吐き散らしているの図が…
夜だし病院に連絡つかないし、で翌日の朝一で病院に電話。(幸い朝までストマはおなかの皮にくっついていて、引っ込んでいなかった)
「ご自分で処置していただきま~す!医療用手袋の代わりにラップを使ってモニョモニョ腸を突っついて、お腹に力を入れ腹圧をかけてくださ~い!」
へっ!?自分でやるの!?
早速おそるおそるやってみると、これが簡単に出てきたではないか!
モニョモニョして、ん~~~~!と力を入れたら、ニョコニョコと引っ込んでいたストマが顔を出してきた♪
以来、私はたびたび腹圧をかけていた。

ちなみに私のストマは一時的なので保険がきかない。
月々にかかる装具の費用は1.5~2万円ぐらい。
永久ストマだと保険がきくけど、聞いた話では1割引にしかならないとか。
公衆トイレでは「オストメイト」の印、といっても今回私は初めて知ったんだけど、人の形でお腹の左側に十字の印があるやつ、あれがオストメイトで、人工肛門、人工膀胱を付けている人が使えるって印!
洗面台があるから、万が一外で装具を変えなければならなくなった時には便利。

<つづく>

検査ラッシュ!

2016-11-03 11:31:40 | 闘病記
転院が決まってからは早かった!
セカンドオピニオンを聞いた日は治療ができないのがルールらしい。
ちなみに前の病院で治療を始めていると、セカンドオピニオンは聞けても転院はできないと言われた。

翌日から怒濤の検査ラッシュ!
前の総合病院でやった検査プラス、プラス、プラスのプラス…
一番の恐怖は、といっても二つあるんだが…

No1:大腸内視鏡!

前の総合病院では、この世の地獄を見る苦しみだった!
初めての大腸内視鏡、鎮痛剤がなくても大丈夫、大丈夫といわれてやってみると…!?!?!?!?!ウッギャーーーーー!!!!!!
恥も外聞もなく叫んでのたうち回った!看護師が私の体を押さえるけど、そんなもんムシ!汗だくになりながら「もういいもういいやめて~~~~~!」途中から鎮静剤を打ったが、遅い!!!遅すぎる!!!そんことなら最初っからやれ!!!
医者は「やった甲斐があったからあったから」と言ってたのを覚えている。つまり、この段階でがん細胞が直腸に浸潤しているのがはっきりしたわけだ。(--)

そのトラウマを抱えながら、今回は最初に鎮静剤を打ってもらって検査に挑んだ。
ものすごいグロッキーになりながら検査室へ…
イケメンの若い医師に愛想のいい看護師。
明るい雰囲気の中迎えられた私はおそるおそる台の上へ…
へ!?終わり?
そう、ボ~~~としているうちに終わっていた!
アへへ~~~脱力~♪ 
その後30分休憩して終わり!
びっくりするくらい楽チン(^^)
何だったんだ!前の病院の苦しさは!
そう言えばセカンドオピニオンを聞いた時に担当の医師が言ってたなぁ~
「うちの病院は、極力痛みを取り除いて治療を進めていきます。麻薬も使います。」
にゃるほど~!早速その言葉に納得!そしてその後、私はその麻薬にものすごくお世話になることになった…

No2:PET-CT!

閉所恐怖症の気がある私には、これは恐怖以外の何者でもなかった…
数日前からめっちゃグロッキー(T_T)
ブドウ糖の注射をして1時間安静にしているんだけど、緊張してくつろぐどころではない!
部屋は薄暗く、クラッシック音楽が流れ、リクラニングシートに横たわる。
隣の人は軽く寝息を立てている…余裕だ!
名前を呼ばれて、虎におびえたキツネ!?よろしくガチガチになって検査室へ
検査室には、この病院の特徴でもあると思うんだけど、にこやかにイケメンの検査技師が迎えてくれた。
優しい言葉に後押しされて、機械の中に数回出たり入ったり、やっと落ち着いて無事検査終了。
20分間、ひたすら山のことばかり考えて気持ちを紛らわしていた。
検査なんていやに決まってるから、患者にとっては検査技師や看護師がやさしいと救われる♡ ホッホッホッ♪

こうして一週間後には手術台に上るのである。
8時~20時、12時間の腹腔鏡手術。前後麻酔を入れれば14時間!
手術の間、病院で待っている家族はたまったこっちゃない!私は寝てたけど…


<つづく>