交野・憲法とくらしを考える会

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小林製薬「紅麹サプリメント」健康被害と「紅麹」添加の食品を考えて

2024-09-23 08:07:00 | 栗原俊子(交野市前市会議員)より

小林製薬「紅麹サプリメント」健康被害と「紅麹」添加の食品を考えて  2024・7・30 

                                      栗原俊子

3月下旬、小林製薬の機能性表示食品・紅麹サプリメント摂取による健康被害が明らかにされ、死者5人を含め多くの腎疾患者の発生が公表された(7月18日現在死者96人)。小林製薬は2か月間も被害をと成分名を隠蔽して被害を拡大したとして、会社の責任を問いたい。また、機能性表示食品制度は、安倍政権の経済成長戦略の一環として開始されたもので、当初から企業の利益拡大が目的で、消費者保護の視点が不十分なものだった、見直しが必要だということを強く感じた。同時に食品としての紅麹について考えさせられたことを私の経験から少し述べてみたい。

小林製薬が「紅麹サプリ」の回収を始めたのは当然だが、同時に紅麹を冠した食品の回収が広まったことに不安を覚えたのだった。週刊誌・週刊金曜日1468号によると「紅麹」関連のリコール対象製品は、4月6日時点で102社が160品目の食品を回収している。私はこの中には含まれないが「紅麹」配合の食塩を使用し、10名ほどの方にも勧めていたので、末端の“当事者”になって、しまった、のでした。

50年ほどまえ、「使い捨て時代を考える会」という有機野菜の生協グループに出逢い、それから無農薬、添加物についてなど、食の安全の問題を生活者として取り組んできた。手作り味噌を学び、それ以来毎年仕込む。この12年間は自宅で味噌、梅干作りの会を開催して、今年も4回開催したところだった。

味噌の原材料は福岡の老舗醬油の国産大豆、米麹、国産塩のセットものを使うが、数年前から、味噌つくりのインストラクターが促進するW社の紅麹配合の「紅麹塩」を希望者のみ使うことに。私自身、「紅麹塩」の発酵力を白菜漬けで確かめて、使っていた。

「紅麹サプリ問題」発生と共に、当然ながら「紅麹塩」に不信と混乱が小さなグーループ内で生じる。インストラクターを通して、W社から販売中止、自主回収に関する見解と方針“自主回収の方向で調整中として、弊社の「紅麹塩」は健康被害が出ている紅麹原料とは異なり、有害物質は検出されてないが、今の社会的状況と安全性を考慮して、「紅麹塩」およびその使用の味噌など発酵食品の使用は控えてください”の通知がきた。

3月26日朝日新聞で食品リスクに詳しい唐木英明東大名誉教授が「原因物資はまだ明らかではないが、一般食品に微量に使われる場合は、健康に及ぼす作用の大きさは摂取量に対応する原則からしても健康影響は起きないだろと推測される」のコメントを読み、「紅麹塩」紅麹量の配分量を知りたくなった。W社への電話は通じない、「紅麹塩」の関連する製造会社へ手紙で問い合わせをしたら、答ではないが、ある種の示唆をいただく。「紅麹塩」100グラムの栄養成分表示から紅麹配合量を2グラムと推量してみた。味噌5キロの塩分はおよそ10パーセントで500グラム、紅麹は10グラム。1椀の味噌汁の味噌量を5グラムとして、含まれる紅麴は0,01グラム。これは微量言えるか。ちなみに私は毎年健康診断を受診。腎臓、肝臓は問題なしです。

6月7日、インストラクターを通してW社から“厚労省発表の紅麹問題原因究明の途中経過ではプベルル酸及び未知の2種類の化合物の毒性が確認されたが「紅麹塩」はそれらを含まない原料使用なので、健康被害の関連は見られないことから自主回収はしない”との見解が伝えられた。又「紅麹塩」は今後製造中止とのこと。

改めて紅麹について少し知る。6月12,13,14日の朝日新聞によると“麹は日本酒、味噌、醤油つくりに使われる菌でカビ毒は作らない。紅麹を作る紅麹菌は麹菌とは「別の生物」で決して麹菌の一種ではない、発酵の力は弱く、生育が遅いため、紅麹自体で味噌醤油を作らなかった、あくまでも添加するもの。今回の「小林製薬サプリ問題」は不適切な製造工程にある可能性が高まっている、特定の会社の特定のロットで問題が生じているということであれば、紅麹そのものの問題とは言い難い。中国、台湾の紅酒、老酒は長い食体験で経験的に安全ということが出来る。漢字や文字の見た目が醸す文字感というのがあり、紅麹の文字感が体に良い印象を生み出すことが有ったのかもしれない”などなど。私も紅麹の文字感に惑わされたかと省みる。企業は少しの付加価値でより利益を上げたのか

回収された食品はどこへ行ったのか、廃棄場か。返還金は?保障制度があるらしいが、あの時急いで回収した企業、販売者は何を感じて何を恐れたのか、検証して知らせて欲しい。

近年とみに、食の供給、その大原則たる、安全・安心の情報が企業、販売側の情報寄りになりなっている。命の糧の食べものは自然の土、水ゆらいによると思うが、より効率を求めて人工・工業的に合成製造され、物質化されていく今日、人として私達は体と心が馴染むたべものを求め、その中身と製造ゆらいを情報として知る権利を取り戻したいと思う。

 

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