11/17の兵庫県知事選 失職・出直し選に臨んだ前知事斎藤氏再選について 11/20 栗原
前兵庫県知事のパワハラなどを告発する県職員の内部告発文を、嘘八百と決めつけ一方的に懲戒処分にしたことに端を発し、県議会議員86名全員の不信任決議可決により、失職した斎藤元彦氏が、出直し選挙に出て再任された。
最初一人で選挙運動する前知事に対して、多くの人が訝しく思っていた模様だが、立花氏が立候補して、斎藤氏を援護射撃するような言動で、様相が変わっていく。選挙ポスターには「内部告発文の中身は告発者自身の不倫の記録簿みたいで、パワハラなどはなかった。立花には投票しないでください」という文言。
そして、SNSで巧みに視聴者を街頭演説の場に集め、「実は、斎藤さんは悪くはなかった
悪いのは告発者で、公用のパソコンに残されたものは自分の不倫行動を記したものだった、守秘義務がある前知事は他言できないから、立花が代わり、真実を公にする」と喋りまくり、同時に演説の場の光景を動画で配信。動画はたちまち拡散され、視聴者数も街頭参集者も膨れ上がり、日に日に前知事の周りに人気を集め、前にマスコミで報知されたていたパワハラ疑惑などが消されていく。「実は斎藤さんは改革者、それに対する、既得権益者の県議や反対勢力の陰謀にはめられた、正義の人、今まで誤解していてごめんなさい」と大音響で喧伝していく。
稲村候補へのとんでもないデマ、悪意に満ちた偽情報が広がり、彼女の有力な応援者への個人攻撃も広がった。これらは選挙期間という限られた時間内で訂正も防ぎようもない。世間一般でも、嘘も100回言えば真実だと思われることがよくあるみたいだ。
今の公職選挙法にはネットを規制する法律がないと知る。新聞もテレビも見なくて、外界の出来事は全てネット由来という人が多いらしい。孤独に見聞きする人も偶には表に出て群がりたい時もあろう「実は、〇〇さんが正しかった」「実は〇〇事件はなかった」の話は面白いらしい!かくして人は群がり群衆となり、投票へと導かれていったのだった。
選挙は政、祭りごとの一面がある。30数年前、大阪府交野市で少し選挙運動に関わった私は、祭りの神輿に乗った候補者を担ぐものが次第に高揚していく様を実感したことが有る
お互いに顔の見える地域社会の中で、候補者、担ぐ人、声援の人、傍観する人、反対する人色々だったが、選挙後、分断されるようなことはない穏やかな時代、社会だった。
今回、担ぐもの・ネットで集まった聴衆は高揚から、熱狂する大集団へ変貌。団扇を扇ぎ、先導したのはまさしく扇動者・立花氏。彼は斎藤陣営の支援者ではなく、候補者の一人だった。支援者では言えなかったことを、候補者演説で、斎藤援護をするという本来ありそうにない「奇業」で人を集め、票を集めた。アメリカ大統領選をもしのぐ戦略だったか、私達はこの事態にどう向き合うべきか、重い課題が突き付けられている。
画像は西日本新聞社より
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