小生がガキの頃、やたら人気の忍者ドラマがあった。それが仮面の忍者「赤影」である。当時の我が家はカラーテレビではなかったが、この手のドラマではカラー化のはしりだっだようだ。
とにかく赤影がかっこよかった。マスク越しに見える目が涼しく、いかにもイケメンであることがわかった。
髪型はバッチリ七三だったが・・・(爆) そして、ベテランの忍者「白影」と少年の忍者「青影」の三人がレギュラーだった。
ここで謎がひとつ・・・白髪交じりの白影はいかにも・・・な名前だが、彼は若いころから白影だったのだろうか・・・
赤影のような若者の時代があったはずだが・・・ひょっとして若いころは赤影を名乗り、ベテランになってから名前を譲り、今の赤影は二代目だったりとか・・・(苦笑)
だとすると、青影もいずれは赤影を襲名する・・・そして、赤影が白影になるという・・・むむ、噺家の襲名システムみたいな感じか。さらにいえば、なぜ赤影だけマスクなのか・・・(汗)
そして悪役の佇まいがすごい・・・メイクといい、ヅラの線が見えるところといい、なんとも雑な感じがたまらない。
だが、最大の謎は凧である。写真のような巨大な凧が登場する。小生の記憶では主に白影が乗っていたような・・・
問題は、この凧だが悪役と戦うために向かっている・・・と誰しもが思っていたが、ガキの頃の小生には納得がいかなかった。
凧は前には進まない・・・向かい風を受けて上昇するが、綱を放せば後ろに向かう。つまり悪人が後ろにいないと・・・あれ(?)
おぼろげな記憶だと「赤影、待ってろよ~」なんてセリフもあったような。ということは、きっと誰かが引っ張って連れて行ってるのでは・・・この巨大な凧を引っ張って連れて行くには車などないとすると、何人がかりだよって(爆)
さらに問題がある。凧に乗って運んでもらう分には楽だが、敵からすると引っ張っている人を狙えば簡単にやっつけられる。
また凧は自分では操れないのだから、忍びで隠れるべきなのに目立ちまくって、しかも狙われやすい・・・
むむむ、さすれば悪役は強敵の赤影や白影と戦ってはいけないぞ。まずは空に浮かぶ凧の綱を探って、地上で汗かきながら自分のところに向かっている連中をやっつけろ。
そうすれば簡単に凧の忍者は自滅だぞ(爆) そうすればあと残るは赤影だけだ。頑張れ! 悪役・・・はっ、そもそも赤影を応援しないといけないのでは。
ハッ・・・早く赤影を襲名したい青影は、ひそかに敵と通じて・・・って、やってろよ(苦笑)
この「仮面の忍者赤影」、、、当時小学生だった自分はもう夢中で視ておりました。東映&関西テレビ系列の初のカラー放映と言う事で、その綿密な調整等相当に苦労があった作品でした。お師匠様はどう思われますか? ヒーローヒロイン物大好きな自分でしたが、実は不思議と「ウルトラシリーズの円谷作品はあまり好きでは無く、何といっても東映、ピープロ作品が大好き」でした。これには明確な理由がありまして、
「正義を愛し悪を憎むとは一体どういう事なのか?」を教わったのも、大半が東映作品の実写ドラマやアニメでした。つまり「円谷作品は、屋台骨全てを円谷英二に頼り切り、高いプライド選民意識? が妙に頭が高く感じられて、確かに特撮などは東映やピープロよりは一段上」なのに、何か「温かさが感じられない」のです。
しかし東映やピープロ作品には確かに「温かさと人懐こさ、開き直った奇抜なアイディア勝負」でユニーク極まりない作品が自分の心をつかみましたね。
特にこの「赤影」は、何といっても「倉田順二監督のハイテンポのディレクションと超一流の脚本の素晴らしさ、更に大巨匠小川寛興先生の素晴らしいテーマ曲とBGM」に支えられ、また時代劇でありながら「UFO、トランシーバー、インカム」等とんでもねぇハードが飛び出し、それがまた全然違和感が無いのも不思議でしたね。つまり完全にのめりこんでしまう程、、、お師匠様の言われる通り「キャスティングも素晴らしく、残念ながら主役の坂口祐三郎さんは、この後イメージが強すぎて良い役が回らなかった」のが残念ですが、永久に残る名作でした。お師匠様の言われる「凧の演出」とは、おそらく「静止画 スティールのイメージ?」と考えられ、動いている様でも止まっている? 倉田演出の極意とも考えられますが。赤影の仮面も最終回では黄金の仮面に付け替えられ、青影が赤い仮面をつけてエンディングとなりますが、まぁ、、、、、こういう細かい事は「とりあえずまぁ、、、笑って許してっ」ってな感じでしょうか? 初放映から既に半世紀を超えてなお、今でも観たい聴きたい感じたい世紀の名作「赤影」、、、お師匠様に取り上げていただき心より感謝いたします。敬具
このネタにはきっと何らかのリアクションがあるのでは・・・と信じておりました(笑)
小生と同時代にテレビにハマった大石様ならきっと・・・と思いましたが、それ以上にその幅広くかつ深いご見識には、まさに参った! という感じです。
言われてみればですが、小生の中でもこの作品と円谷プロの作品を同列に考えたことはないですね。頭の中で、円谷プロのそれは「実際にはありえない世界のもの」と処理していたのに対し、こちらは多少の過剰表現こそあれ、リアルな人間ドラマと考えていた節があります。
また、ラストで赤影が黄金のマスクで青影が赤影に・・・というのは存じ上げませんでした。想像で書いたことが現実だったのかと思うと、なんか嬉しかったりします。
これからも小生の知らないことをぜひご教示いただければです。