日馬富士暴行問題にかかる協会の姿勢について

今、連日テレビのワイドショーでは日馬富士による暴行問題が取り上げらている。はっきりしたことがわからない中で、不明な点も多く、拙速なことを言うのはまずいが、ここへ来てなんとも嫌な展開になってきている。

 

　まずは、横綱審議委員会の委員の意見として、こちらの記事だ。

　今回の事件で貴乃花親方が沈黙していることに「己の目的のために横綱という宝を利用するのはいかんよな」とし、「貴乃花親方をこらしめないとダメだ。今の協会が悪くて現理事を一掃することが正義だと思っている」との見解を示したという。

 

　さらに小生もテレビで見ていたが、池坊某という元副大臣の女性の苦言だ。

　暴力行為を「絶対にあってはならないこと」とした上で、秋巡業中に起きた問題を相撲協会へ報告しなかった貴乃花巡業部長に対し「何かあったときは理事長に報告する義務がある。速やかに報告していたら、理事長も対応のしようもあったと思う」と。

 

　これを聞いた瞬間、何だそれは! と憤りを覚えた。暴力行為は犯罪である。組織への報告は必要だろうが、問題はその後半だ。

　「理事長も対応のしようもあったと思う」って、どういう対応だよって。警察に届ける以外の対応を理事長なら取るはずで、それが大ごとにならない、いい解決策だなんていうニュアンスなら言語同断である。

 

　もちろん警察に被害届を出すとともに組織へ報告するのは必要とは思うが・・・たとえば、一般企業で同じことがあった場合、組織に報告して警察には届けるなと言われたら、それは今時の感覚ならトンデモない企業と言わざるをえない。

　にもかかわらず、「協会の人間ならまずは協会に相談すべきで、それをしない貴乃花はとんでもない野郎だ」という協会側の論理にはとても同意できない。

 

　今回の件では、まずはじめに暴行事件が問われるべきではないのか。それが知らないうちに貴乃花が諸悪の原因という方向にもっていこうとするのは・・・

　あるワイドショーでは(真剣に聞くでもなく聞き流しだが)、協会に不満なら貴乃花は独立してプロレスのように別団体を作ればいい・・・なんて言い放つ人もいた。

 

　おいおい、それが今議論すべきネタかよ・・・って。

　いずれにしろ、これからどんな展開になっていくのだろうか。知らないうちに悪いのは貴乃花で、日馬富士は悪くない・・・なんてことにならないといいのだが・・・