我々の落語仲間で、将来有望だと思われる二ツ目を囲い、年に数回落語会&会食をやる「身内の○○」。スタートは今や人気の一之輔師匠が長く続き、ついでご指名したのが、当時は小辰、後に大看板の名跡を襲名した扇橋師匠だった。
小辰が扇橋師匠になり、ちょうどコロナ禍でもあり、その次をどうしようというのがしばらくストップしていた。
そんな中、メンバーの中で声が上がったのが、春風亭一花にお声かけしてはどうかと。このブログでは何度も紹介しているが、女流の有望株だ。
ご案内でない方のために書いておくと、一之輔や一蔵同様、春風亭一朝のお弟子さんだ。この一門では小朝が有名だが、一朝は小朝の兄弟子になる。
師匠は正統派の江戸落語の使い手で、お弟子さんたちも皆本寸法だ。彼女も前座時代から我々の仲間内で評判がよく、この会の創始者(故人)がお気に入りだった。
そしてついに先日、一花の会が実現した。女流の噺家さんということで、女性のメンバーも確保し、開演。
初めて落語を聴くという人がいたので、まずはと「味噌豆」から、そして空気ができたところで始めたのが・・・おっ「厩火事」だ。
年下の髪結いの亭主に対する女性の揺れ動く気持ちを、どう見せてくれるか楽しみに・・・と、おお・・・これはいい。
自然ながら、なんともかわいい。ちょっとした表情の揺らぎが、ならではの魅力を見せてくれる。その一方で男性の役も自然だ。
そして昔から悩ましく感じていた、サゲのセリフ「遊んでて酒が飲めない」をどう演じるかが注目だった。
これを旦那の照れとみるか、本音と見るかで大きくストーリーが変わってしまう。小生の周囲では、本音派が多いが、個人的には照れにしたいところ。
さて、今回は・・・結果はサゲを変えていて、聞き手に委ねる形になっていた。いずれにしろ、素晴らしい出来栄えで、場内は拍手喝采。
そしてもうひとつのお楽しみの打ち上げだ。一花さんを囲んで盛り上がる。着物姿は凛として、なかなかカッコいいが、私服になると街に溶け込みそうな、いい感じのお嬢さんになる。
勢いで、いろいろ芸論的な話にもよくつきあってくれて、やっぱり素の一花さんに触れられたような感じがした。やっぱいいわ、一花。
ご本人も会の趣旨にご理解をいただき、また次回も・・・と言ってくださった。一之輔~扇橋に続き、一花にバトンは渡されたかな・・・と。
ともあれ、小生の一花推しはますます強くなったと記しておきたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます